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伝説の剣豪・剣士・剣の達人を紹介【真壁暗夜軒】日本最強は誰?流派は?

投稿日:2019年12月18日 更新日:

はじめに

この記事ではシリーズ化して伝説の剣豪・剣士・剣の達人を紹介しています。日本の歴史上の中で侍、武士が数多く名を残してきましたが、今回紹介する伝説の剣豪・剣士・剣の達人は【真壁暗夜軒】です。【真壁暗夜軒】は「鬼真壁」との異名を持ち、鋲を打った樫の棒を振り回して戦場を駆け回った伝説の剣豪です。それでは【真壁暗夜軒】について流派や出身地も含め簡単に説明していきます。

 

出典:https://ameblo.jp/

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真壁暗夜軒

名前:真壁暗夜軒、真壁氏幹

流派:霞流、霞神道流

出身:常陸国

年代:戦国時代~江戸時代初期(1550~1622)

真壁闇礫軒久幹

真壁暗夜軒は本名を真壁氏幹といい、天文19年(1550)に常陸国の国人領主・真壁久幹の子として誕生しました。

父・久幹も『闇礫軒』と名乗り、『鬼真壁』と恐れられた人物でした。

鎌倉以来、代々真壁氏は周りを小田、佐竹・北条氏、宇都宮、結城など群雄が割拠した北関東において命脈を保っていました。

久幹は元々小田氏に従っていましたが、永禄2年(1559)には小田氏と結城氏の戦いに結城方として小田の軍勢を迎え撃つ大活躍を見せました。

この時、久幹は長さ1丈余り(約3m)の六角に削って鋲を打った樫の木棒。

これを戦場で振り回し、久幹は小田勢を総崩れに追い込んで、味方は163もの首を挙げました。

この活躍から『鬼真壁』の異名をとったといわれます。

その後、久幹は常陸の雄・佐竹氏と結び、小田氏との争いは激化していきました。

永禄12年(1569)に起こった手這坂の戦いでは、久幹は佐竹配下の婿・梶原政景を救うため出陣し、小田勢を蹴散らして逆に小田氏の居城を陥落させています。

佐竹氏の下で久幹は大きな存在感を示していましたが、完全に佐竹氏に服従したわけではありません。

久幹は密かに小田氏にも内通し、天正12年(1584)の沼尻の合戦では佐竹側ではなく北条側として戦っています。

あくまで独立勢力としてこだわった久幹は隠居後、天正17年(1589)に68歳で亡くなりました。

 

出典:http://4619.web.fc2.com/

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真壁暗夜軒氏幹

久幹の隠居後、真壁氏を引っ張っていたのが子の氏幹です。

氏幹は父と同じく鋲を打った樫の木棒を振り回して戦場を駆け抜け、佐竹氏の主要な合戦のほとんどに参加して領地も与えられています。

しかし、やはり氏幹も父同様に佐竹氏に完全服従することは嫌いました。

天正16年(1588)に縁戚の大掾清幹が江戸重通と争うと、佐竹氏が江戸重通救援に出陣したため、氏幹は佐竹氏と戦いました。

この戦いで氏幹は敗れますが、この戦いの中でも氏幹は佐竹氏と秘かに連絡を取り合い、佐竹氏に従いつつも独立した勢力として維持を堅持しています。

しかし、そんな氏幹も天正18年(1590)の豊臣秀吉による小田原攻めが始まると時代を読み、氏幹は佐竹氏に従って出陣して秀吉に拝謁しました。

ここで真壁氏は完全に佐竹氏の家臣団に組み込まれていまいますが、結果的にこの判断のおかげで江戸氏や大掾氏のように佐竹氏に滅ぼされることはありませんでした。

その後、文禄の役では佐竹氏の一員として朝鮮に渡った氏幹は帰国後に甥・房幹に家督を譲り、関ヶ原の戦いののちの佐竹氏の秋田移封には同行せず、常陸国で元和8年(1622)に死去しました。

 

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霞流

剣豪として氏幹は別名『暗夜軒』として塚原卜伝に剣術を学んだのちに「霞流(または霞神道流)」棒術の創始したとされることが多いですが、おそらく「霞流」は父・久幹の代から家伝として伝わっていたものと思われます。

「霞流」は門人を抱えるほど地元では有名な剣術でしたが、氏幹と同時期に塚原卜伝から学んでいた同郷の斎藤伝鬼坊が、朝廷から『判官左衛門尉』の位官を賜って帰国すると、あっという間に斎藤伝鬼坊の「天流(天道流)」が有名になっていきました。

これには氏幹の「霞流」の門人たちが面白いはずがなく、門人の桜井霞之助などは「天流」を叩き潰そうと斎藤伝鬼坊と試合を行いましたが、逆に斬殺されてしまいました。

恨みを募らせていった「霞流」の者たちは、やがて天正15年(1587)に斎藤伝鬼坊が弟子・小松一卜斎と一緒にいるところを数十人で取り囲んで殺害を試みます。

しかし、多勢に無勢のはずの斎藤伝鬼坊は弟子を逃がし、鎌槍を手に取って「霞流」の者たちをバタバタと倒していきました。

容易に近づけない斎藤伝鬼坊に、最後は矢を射かけ、なんとか殺害することができましたといいます。

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剣豪名をクリックすると個別の剣豪紹介記事が見れます↓

時代 剣豪名 流派
平安 鬼一 法眼 京八流
源 判官 義経 太刀の術
室町 念阿弥 慈恩(相馬 義元) 念流
中条 兵庫頭 長秀 中条流
飯篠 長威斎 家直 天真正伝香取神道流
松本 備前守 政信 鹿島神流
愛洲 移香斎 久忠 陰流
戦国 塚原 卜伝 高幹 鹿島新當流
山本 勘助 晴幸 京流
竹内 中務大夫 久盛 竹内流
上泉 伊勢守 信綱 新陰流
宝蔵院 胤栄 宝蔵院流
富田 五郎左衛門 勢源 富田流
奥山 休賀斎 公重 神影流
柳生 石舟斎 宗厳 柳生新陰流
北畠 具教 鹿島新當流
師岡 一羽 常成 一羽流
足利 義輝 鹿島新當流・新陰流
疋田 豊五郎 景兼 疋田陰流
丸目 蔵人 長恵 タイ捨流
林崎 甚助 重信 神夢想林崎流
根岸 兎角(信太 朝勝) 微塵流
伊藤 一刀斎 景久 一刀流
斎藤 伝鬼坊 勝秀 天流
真壁 暗夜軒 氏幹 霞流
富田 越後守 重政 富田流
樋口 又七郎 定次 馬庭念流
吉岡 憲法 直綱 吉岡流
江戸 東郷 重位 示現流
小野 忠明(神子上 典膳) 小野派一刀流
小笠原 源信斎 長治 真新陰流
柳生 但馬守 宗矩 柳生新陰流
片山 伯耆守 久安 片山伯耆流
鐘捲 自斎 通家 鐘捲流
柳生 兵庫助 利厳 柳生新陰流
松山 主水 大吉 二階堂平法
夢想 権之助(山本 勝吉) 神道夢想流
小栗 仁右衛門 正信 小栗流
宮本 武蔵 玄信 二天一流
高田 又兵衛 吉次 宝蔵院流
神谷 伝心斎 直光 直心流
針ヶ谷 夕雲 正成 無住心剣流
上泉 義胤(上泉 秀信) 民弥流
松林 蝙也斎 永吉 夢想願流
田宮 平兵衛 重正 田宮流
荒木 又右衛門 保知 柳生新陰流
佐々木 巌流 小次郎 巌流
伊藤 典膳 忠也 忠也派一刀流
柳生 十兵衛 三厳 柳生新陰流
薬丸 兼陳 薬丸自顕流
柳生 連也斎 厳包 柳生新陰流
関口 八郎左衛門 氏業 関口流
高田 三之丞 為長 柳生新陰流
伊庭 是水軒 秀明 心形刀流
今枝 佐仲 良台 初實剣理方一流
辻 月丹 資茂 無外流
高木 馬之輔 重貞 高木流
真里谷 円四郎 義旭 無住心剣流
堀部 安兵衛 武庸 馬庭念流
樋口 十郎兵衛 定暠 馬庭念流
楳本 法神 政武 法神流
寺田 五右衛門 宗有 天真一刀流
戸賀崎 熊太郎 暉芳 神道無念流
近藤 内蔵之助 長裕 天然理心流
平山 行蔵 講武実用流
岡田 十松 吉利 神道無念流
岡田 惣右衛門 寄良 柳剛流
浅利 又七郎 義信 中西派一刀流
白井 亨 義兼 天真一刀流
中西 忠兵衛 子正 中西派一刀流
千葉 周作 成政 北辰一刀流
大石 進 種次 大石新陰流
男谷 精一郎 信友 直心影流
高柳 又四郎 義正 中西派一刀流
伊庭 軍兵衛 秀業 心形刀流
幕末 斎藤 弥九郎 善道 神道無念流
大川 平兵衛 英勝 神道無念流
加藤田 平八郎 重秀 加藤田新陰流
遠藤 五平太 正贇 中西派一刀流
島田 虎之助 直親 直心影流
逸見 小源太 長英 甲源一刀流
橘 内蔵介 正以 柳剛流
浅利 又七郎 義明 中西派一刀流
勝 海舟 安邦 直心影流
桃井 春蔵 直正 鏡新明智流
大山 格之助 綱良 薬丸自顕流
宇野 金太郎 重義 片山伯耆流
斎藤 新太郎 龍善 神道無念流
清河 八郎 正明 北辰一刀流
黒河内 伝五郎 兼規 神夢想一刀流
仏生寺 弥助 神道無念流
上田 馬之助 美忠 鏡新明智流
高杉 晋作 春風 神道無念流・柳生新陰流
桂 小五郎(木戸 孝允) 神道無念流
佐々木 只三郎 泰昌 神道精武流
斎藤 歓之助 歓道 神道無念流
千葉 栄次郎 成之 北辰一刀流
河上 彦斎 玄明 我流
近藤 勇 昌宜 天然理心流
坂本 龍馬 直柔 北辰一刀流
高橋 泥舟(高橋 伊勢守) 自得院流
土方 歳三 義豊 天然理心流
沖田 総司 房良 天然理心流
永倉 新八(長倉 載之) 神道無念流
伊庭 八郎 秀穎 心形刀流
斎藤 一(藤田 五郎) 無外流
岡田 以蔵 宜振 鏡新明智流
中村 半次郎(桐野 利秋) 薬丸自顕流
明治 山岡 鉄舟 高歩 一刀正伝無刀流
榊原 鍵吉 友善 直心影流
松崎 浪四郎 直之 加藤田新陰流
渡辺 昇 武常 神道無念流
奥村 左近太 奥村二刀流・直心影流
得能 関四郎 通久 直心影流
牟田 文之助 高惇 鉄人流
根岸 信五郎 資剛 神道無念流
門奈 正 水府流・北辰一刀流
高山 峰三郎 直心影流
逸見 宗助 立身流
高橋 赳太郎 高運 無外流
本間 三郎 本間念流
川崎 善三郎 重徳 無外流
高野 佐三郎 豊正 中西派一刀流
内藤 高治 北辰一刀流
山田 次朗吉 鹿島神傳直心影流
中山 博道 神道無念流

 

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