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伝説の剣豪・剣士・剣の達人を紹介【小野忠明】日本最強は誰?流派は?

投稿日:2018年3月23日 更新日:

はじめに

この記事ではシリーズで伝説の剣豪・剣士・剣の達人を紹介しています。日本の歴史上の中で侍、武士が数多く名を残してきましたが、今回紹介する伝説の剣豪・剣士・剣の達人は【小野忠明】です。【小野忠明】は伊藤一刀斎から「一刀流」を引き継ぎ、柳生と並んで徳川将軍家の剣術指南役にもなった伝説の剣豪です。それでは【小野忠明】について流派や出身地も含め簡単に説明していきます。

 

出典:https://japaneseclass.jp/

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小野忠明 

名前:小野忠明

流派:小野派一刀流

出身:安房国

年代:戦国時代~江戸時代初期(1565~1628)

剣鬼・一刀斎に弟子入り

小野忠明は神子上土佐守の三男として永禄8年(1565)に安房国で生まれ、はじめの名前を神子上典膳吉明(みこがみ てんぜん よしあき)といいました。

典膳は里見義康に仕え、天正17年(1589年)の万喜城攻撃に参加したりしましたが、その後、里見家から出奔して武者修行の旅に出かけます。

そして上総国を訪れたとき、かの有名な伊藤一刀斎の「挑戦者求む」の高札を目にしました。

ここで典膳は自分の器量を試す機会と思い、すぐに一刀斎が止まる旅籠を訪ねて勝負を挑むことに。

このとき典膳は自慢の2尺8寸の太刀を抜いて大いに意気込みましたが、対する一刀斎は燃え残りの薪を手にしただけでした。

結果、典膳が斬りかかるも、一刀斎はわけなく間合いを詰め、太刀を抑えて勝負あり。

不思議に思った典膳は次に3尺あまりの木刀を持って打ち込みましたが、何度やっても木刀を打ち落とされてしまい相手になりませんでした。

触れることすら出来なかった典膳は一刀斎に心酔し、翌朝には弟子入りを願い出たといいます。

一方、一刀斎も典膳の才能を認めており、弟子となることを許してからは諸国を廻る武者修行の旅に同行させました。

 

出典:https://ameblo.jp/

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兄弟子・小野善鬼との争い

武者修行の旅は、すでに一刀斎が名を知られていたために行く先々で多くの挑戦者が現れます。

しかし、おいそれと一刀斎が相手するわけにもいかず、まずは典膳が露払いとなって勝負を受けました。

この結果、典膳はめきめきと腕を上げていくことになっていったのです。

 

やがて一刀斎は、常に側にあって成長著しい典膳に「一刀流」の正統を継がせようと考えました。

しかし、典膳の前に一刀斎は善鬼という弟子を受け入れており、この善鬼が自分に道統を譲るのが筋だと唱えて「一刀流」の奥義書を奪って逃げ出します。

そして典膳と一刀斎に追いこまれた善鬼は、大きな甕の中に隠れて典膳が甕に近づいた隙を狙って脚を斬ろうと考えました。

しかし、これに感づいた一刀斎は典膳に『甕割刀』を授けて甕ごと斬るように指示し、振り下ろされた渾身の刀は見事に善鬼を斬り伏せることに成功しました。

この時、さすがの一刀斎も同じ道を歩んでいた瀕死の弟子を哀れに思い、「まずは善鬼に一刀流の伝を許し、のちに典膳に与える」と言いました。

善鬼はこれを聞いてニヤリと笑い、息を引き取ったといいます。

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徳川家剣術指南役

その後、一刀斎のもとを離れた典膳は「一刀流」の研鑽を続け、文禄2年(1593年)に一刀斎の推薦で徳川家康に仕官しました。

そして徳川秀忠に重んじられるようになった典膳は「柳生新陰流」と並ぶ徳川将軍家剣術指南役となります。

このとき典膳は秀忠の『忠』の字を拝領し、名を神子上典膳吉明から小野次郎右衛門忠明と改名しました。

ちなみに小野姓は母方の旧姓です。

元々、剛直な性格だった忠明は、将軍家指南役となっても全く遠慮することが無く、慶長5年(1600年)の上田城攻防戦で軍令違反を犯して処罰され、蟄居を命じられたりしています。

その後、罪を許されて大坂の役などで武功を挙げましたが、忠明は相変わらず高慢不遜であったために同僚との諍いが絶えませんでした。

そして遂に忠明は秀忠の怒りを買ってしまい、閉門処分に処せられて寛永5年(1628)に60歳で死去しました。

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おわりに

自分の剣にしか興味がないイメージの伊藤一刀斎が弟子を二人も持っていたことには驚きです。

そんな一刀斎に「見込みある」と思わせるほど、小野忠明の剣は光るものを持っていたんでしょうね。

何度も紹介しています漫画「バガボンド」ですが、一刀斎が師匠・鐘捲自斎に会いに行った場面で、立ち去っていく一刀斎には二人の従者が付いています。

この二人が、神子上典膳(のちの小野忠明)と善鬼ってことなんでしょうか。

剣豪好きにはたまらない一コマです。

 

出典:https://www.instagram.com/

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剣豪名をクリックすると個別の剣豪紹介記事が見れます↓

時代 剣豪名 流派
平安 鬼一 法眼 京八流
源 判官 義経 太刀の術
室町 念阿弥 慈恩(相馬 義元) 念流
中条 兵庫頭 長秀 中条流
飯篠 長威斎 家直 天真正伝香取神道流
松本 備前守 政信 鹿島神流
愛洲 移香斎 久忠 陰流
戦国 塚原 卜伝 高幹 鹿島新當流
山本 勘助 晴幸 京流
竹内 中務大夫 久盛 竹内流
上泉 伊勢守 信綱 新陰流
宝蔵院 胤栄 宝蔵院流
富田 五郎左衛門 勢源 富田流
奥山 休賀斎 公重 神影流
柳生 石舟斎 宗厳 柳生新陰流
北畠 具教 鹿島新當流
師岡 一羽 常成 一羽流
足利 義輝 鹿島新當流・新陰流
疋田 豊五郎 景兼 疋田陰流
丸目 蔵人 長恵 タイ捨流
林崎 甚助 重信 神夢想林崎流
根岸 兎角(信太 朝勝) 微塵流
伊藤 一刀斎 景久 一刀流
斎藤 伝鬼坊 勝秀 天流
真壁 暗夜軒 氏幹 霞流
富田 越後守 重政 富田流
樋口 又七郎 定次 馬庭念流
吉岡 憲法 直綱 吉岡流
江戸 東郷 重位 示現流
小野 忠明(神子上 典膳) 小野派一刀流
小笠原 源信斎 長治 真新陰流
柳生 但馬守 宗矩 柳生新陰流
片山 伯耆守 久安 片山伯耆流
鐘捲 自斎 通家 鐘捲流
柳生 兵庫助 利厳 柳生新陰流
松山 主水 大吉 二階堂平法
夢想 権之助(山本 勝吉) 神道夢想流
小栗 仁右衛門 正信 小栗流
宮本 武蔵 玄信 二天一流
高田 又兵衛 吉次 宝蔵院流
神谷 伝心斎 直光 直心流
針ヶ谷 夕雲 正成 無住心剣流
上泉 義胤(上泉 秀信) 民弥流
松林 蝙也斎 永吉 夢想願流
田宮 平兵衛 重正 田宮流
荒木 又右衛門 保知 柳生新陰流
佐々木 巌流 小次郎 巌流
伊藤 典膳 忠也 忠也派一刀流
柳生 十兵衛 三厳 柳生新陰流
薬丸 兼陳 薬丸自顕流
柳生 連也斎 厳包 柳生新陰流
関口 八郎左衛門 氏業 関口流
高田 三之丞 為長 柳生新陰流
伊庭 是水軒 秀明 心形刀流
今枝 佐仲 良台 初實剣理方一流
辻 月丹 資茂 無外流
高木 馬之輔 重貞 高木流
真里谷 円四郎 義旭 無住心剣流
堀部 安兵衛 武庸 馬庭念流
樋口 十郎兵衛 定暠 馬庭念流
楳本 法神 政武 法神流
寺田 五右衛門 宗有 天真一刀流
戸賀崎 熊太郎 暉芳 神道無念流
近藤 内蔵之助 長裕 天然理心流
平山 行蔵 講武実用流
岡田 十松 吉利 神道無念流
岡田 惣右衛門 寄良 柳剛流
浅利 又七郎 義信 中西派一刀流
白井 亨 義兼 天真一刀流
中西 忠兵衛 子正 中西派一刀流
千葉 周作 成政 北辰一刀流
大石 進 種次 大石新陰流
男谷 精一郎 信友 直心影流
高柳 又四郎 義正 中西派一刀流
伊庭 軍兵衛 秀業 心形刀流
幕末 斎藤 弥九郎 善道 神道無念流
大川 平兵衛 英勝 神道無念流
加藤田 平八郎 重秀 加藤田新陰流
遠藤 五平太 正贇 中西派一刀流
島田 虎之助 直親 直心影流
逸見 小源太 長英 甲源一刀流
橘 内蔵介 正以 柳剛流
浅利 又七郎 義明 中西派一刀流
勝 海舟 安邦 直心影流
桃井 春蔵 直正 鏡新明智流
大山 格之助 綱良 薬丸自顕流
宇野 金太郎 重義 片山伯耆流
斎藤 新太郎 龍善 神道無念流
清河 八郎 正明 北辰一刀流
黒河内 伝五郎 兼規 神夢想一刀流
仏生寺 弥助 神道無念流
上田 馬之助 美忠 鏡新明智流
高杉 晋作 春風 神道無念流・柳生新陰流
桂 小五郎(木戸 孝允) 神道無念流
佐々木 只三郎 泰昌 神道精武流
斎藤 歓之助 歓道 神道無念流
千葉 栄次郎 成之 北辰一刀流
河上 彦斎 玄明 我流
近藤 勇 昌宜 天然理心流
坂本 龍馬 直柔 北辰一刀流
高橋 泥舟(高橋 伊勢守) 自得院流
土方 歳三 義豊 天然理心流
沖田 総司 房良 天然理心流
永倉 新八(長倉 載之) 神道無念流
伊庭 八郎 秀穎 心形刀流
斎藤 一(藤田 五郎) 無外流
岡田 以蔵 宜振 鏡新明智流
中村 半次郎(桐野 利秋) 薬丸自顕流
明治 山岡 鉄舟 高歩 一刀正伝無刀流
榊原 鍵吉 友善 直心影流
松崎 浪四郎 直之 加藤田新陰流
渡辺 昇 武常 神道無念流
奥村 左近太 奥村二刀流・直心影流
得能 関四郎 通久 直心影流
牟田 文之助 高惇 鉄人流
根岸 信五郎 資剛 神道無念流
門奈 正 水府流・北辰一刀流
高山 峰三郎 直心影流
逸見 宗助 立身流
高橋 赳太郎 高運 無外流
本間 三郎 本間念流
川崎 善三郎 重徳 無外流
高野 佐三郎 豊正 中西派一刀流
内藤 高治 北辰一刀流
山田 次朗吉 鹿島神傳直心影流
中山 博道 神道無念流

 

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