大河ドラマ直虎　龍雲丸の叫び「武家なんて大泥棒！」高瀬も同調した龍雲丸の主張は絶対に反論できない。

 

大河ドラマ「おんな城主　直虎」の第21話「ぬしの名は」で、龍雲丸が直虎に向けて言い放つ「武家なんて大泥棒」の主張について、ちょっと考えてみようと思います。

 

 

 

龍雲丸の主張

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直虎は気賀で誘拐されたとき、龍雲丸に「なぜ盗みを働く？まともに働け」のような言葉をかけますが、龍雲丸に「武家は大泥棒」と言い返され、直虎は困惑してしまいます。

意味が分からなかった直虎は聞き返すと、龍雲丸は「武家は百姓の作ったものを奪っているからだ」と説明しました。

直虎は「年貢を取るのは井伊の土地だから井伊の土地を貸している」と反論しますが、龍雲丸に「なぜ、あそこは井伊の土地と決まっているのか？」と逆に質問されます。

直虎は「井伊が鎌倉の公方（将軍）様よりあの土地を任されたからだ」と答えますが、龍雲丸には「それが泥棒の始まりだ。武家は先祖がケンカが強いとか、調子が良かったから、勝手に土地を奪っていっただけだ。だから武家は何代も続いた由緒正しい大泥棒だ」と言われてしまいます。

これに直虎は口ごもり、反論することができませんでした。

 

龍雲丸の主張は極端な批判ではあるものの、ホントに正論だと思います。

これに、直虎を含めた武家はどう反論するのか。

 

 

 

 

高瀬の意見

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無事助けられた直虎は、井伊の館で百姓出身の直親の娘・高瀬に心にわだかまっていた龍雲丸の主張を聞いてみます。

高瀬は「百姓たちの手で食べ物を作っているのに、百姓は食べることはできない。奪われていると思ったことのない者はいない」と答えました。

 

完全に龍雲丸の主張に同調。

一番はじめに飢えるのは百姓からですからね。当然の意見です。いまや武家の姫様ですけどね・・・

 

 

祐椿尼の意見

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直虎の母・祐椿尼は、高瀬の意見に「武家も同じ。武家が戦をするのは功績をあげた者に土地を与えなければならないからである。だから奪うしかない。奪ってこそ良い領主」と発言しました。

 

なんか、この人の意見は反論というより、武家も大変なんだぞって言いたいだけ。

 

 

 

 

直虎の意見

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直虎は龍雲丸を呼び出して、これまでの意見を聞いて自分なりの意見を述べます。

まとめると、

「追い詰められれば人は盗む。百姓も武家も同じで人とはそういうもの。直虎も龍雲丸も人として等しく卑しい」

「卑しいことをしなければならないのは幸せなことではない。龍雲丸のような裏の仕事をして隠れ住むような生き方はよくない」

「人が卑しいのは生きるための力の裏返し。卑しさをむき出しにしない、奪い合わない世の中を作りだせばいい」

「武家は泥棒かもしれない。でも認めたくない。では、泥棒と言われない生き方をしたい。自分のためにも」

この後、龍雲丸は直虎の「自分のため」というぶっちゃけた意見に好感を持ち、直虎の誘いで材木切り出しの仕事を請け負うことになりました。

 

結局、裏家業の龍雲丸に協力させるための直虎の意見（理想論）だけで、当初の「武家は大泥棒」は全く解決していません。

というか、認めたくないだけで、ほぼ直虎も認めてますな。これは。

 

 

 

 

結論

結局のところ、龍雲丸の「武家は大泥棒」を誰も論破できませんでした。

そりゃそうですよ。

 

領主は国を豊かにすることに長けていてこそ「泥棒」と言われない領主です。

普段は年貢を納めさせてるわけですから、領主は領内の百姓たちを幸せにする義務があります。

そして不作や災害によって、領内が危機に陥ったときこそ領主の力量が試されます。

 

現代のように、技術も発展してないから備蓄もないし、他国も援助できるほどの余裕もない。

ならば祐椿尼の言うように奪うしかありません。

それでも、奪われた方からすれば「泥棒」だし、これまで年貢を納めていたのに、守りきれなかった自国の領主も「泥棒」になってしまいます。

結局、勝っても負けても「泥棒」なんです。

そうやって勝ち残ってきた武家領主のことを「泥棒じゃない」って反論なんかできるわけありません。

龍雲丸には「じゃあ、お前がやってみろ！」と言いたくもなりますが、直虎はちゃんと「共に泥棒と呼ばれない世の中を作ろう」的なこと言って、誘っているところが素晴らしいです。

だからこそ、龍雲丸も協力する気になったんでしょう。

 

 

直虎関係リスト

あらすじリスト

 

「直虎外伝　しの」

大河ドラマ「おんな城主　直虎」における【しの】だけの物語を勝手に作ってみました。

しの伝　第１話【しのと亀之丞】
しの伝　第２話【再会と嫉妬】
しの伝　第３話【喜びと悲しみ】
しの伝　第４話【焦りと怒り】
しの伝　第５話【憎悪と覚悟】
しの伝　第６話【落胆と兆候】
しの伝　第７話【芽生えと誕生】

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