大河ドラマ直虎　寿桂尼の死と艮（丑寅／うしとら）とは？執念の鬼門封じ「死しても今川の守護たらん！」

大河ドラマ「おんな城主　直虎」で、寿桂尼（浅丘ルリ子）は頼りない孫・今川氏真（尾上松也）に代わり、『おんな大名』として今川氏を実質運営しています。

大河ドラマ直虎の中で寿桂尼は、おとわ時代の直虎を解放したり、井伊直虎（柴咲コウ）の還俗を認めるなど、時には井伊に寛容であったこともありますが、家康に繋がろうとする井伊直親（三浦春馬）を陥れるなど井伊にとって恐ろしいこともやっています。

寿桂尼にとって直虎は女子でありながら国を治めるという部分で、一種の同志のようなものを感じていたのかもしれませんが、やっぱり寿桂尼の芯にあるものは「今川の安泰」です。

そのためには、どんな手段も使い、死んでも今川を守るという執念を寿桂尼は持っていました。

 

 

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寿桂尼の死

大河ドラマ直虎での寿桂尼は、自分の死期が近づくと直虎を呼び出して泣きながら今川を見捨てないで欲しいと懇願します。

しかし、これは全て寿桂尼の芝居でした。

寿桂尼は、自分に似た女子が主家に義理立てなどしないだろうと直虎の本心を見抜き、デスノートばりに『死の帳面』の直虎の名に信用できないことを示す『×』印をつけます。

その後、今川氏によって直虎たちは追い込まれていくわけですが、それを見ることなく寿桂尼はこの世を去ります。

死に際しての寿桂尼は、死んでも今川を守ろうと艮（丑寅／うしとら）の方角に自分を埋葬するよう遺言しています。

そして、寿桂尼は龍雲寺に葬られました。

大河ドラマ直虎で登場する龍雲丸と龍雲寺は何の関係もありませんのであしからず。

 

 

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艮（丑寅／うしとら）とは

艮（丑寅／うしとら）とは、北東の方角のこと。

陰陽道では邪悪な鬼が出入りする「鬼門」とされている。

子（ね）を北に据えて十二支を配置した方位では丑（うし）と寅（とら）との中間の方角にあたり、そこから鬼の姿は「牛の角」と「虎のパンツ」というスタイルになったと言われている。

古くから都市づくりなどに応用されて、平安京では比叡山延暦寺を、江戸城では寛永寺を鎮護のための「鬼門封じ」として建立した。

家相では便所、玄関、風呂場をつくってはいけない方角とされている。

ちなみに、鬼門とは反対の南西にあたる坤（未申／ひつじさる）の方角を裏鬼門と言い、鬼門同様に忌み嫌われ、平安京では石清水八幡宮、江戸城では増上寺がこの裏鬼門に配置されている。

 

桃太郎が鬼を退治する時にお供に連れていくのは、猿（申）、鳥（酉）、犬（戌）で鬼門の方角とだいたい反対の方角の動物を選んでいます。

なぜ、羊（未）でなかったのかは、よく分かりません。

日本には羊がいなかったからかな？

 

 

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おわりに

とにかく寿桂尼は衰退著しい今川家の将来を危ぶみ、執念で「鬼門封じ」を仕掛けたわけです。

寿桂尼は自分が「鬼門封じ」になるものと考えているっていうのは、これまで今川家を支えてきたという自負もあったからでしょう。

いくら直虎が自分に似ている女子で、国を治める苦労を共に味わっていても、やっぱり寿桂尼の芯にあるものは「今川の安泰」。

卑怯だ、非情だと呼ばれようが関係ない。この寿桂尼の執念には感服します。

 

 

寿桂尼の墓

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その後、寿桂尼の執念もむなしく今川氏は滅亡。

武田信玄は駿河侵攻の際、寿桂尼の葬られている龍雲寺を最初に攻撃して、寿桂尼の墓を破壊してから今川館に攻め込んだといわれています。

 

 

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