大河ドラマ直虎【平岩親吉】徳川信康の命を救うため決死の嘆願を行った日の本一の傅役（守り役）・平岩親吉とは

大河ドラマ「おんな城主　直虎」の第45話「魔王のいけにえ」で、家康は織田信長の命に逆らえず、嫡男である信康の命を奪う決断をします。

この時、徳川信康を自分の命と引き換えに助けようとした人物が傅役（守り役）であった平岩親吉。

本多忠勝や井伊直政などの徳川四天王に比べてしまうと、やはりマイナーな人物と言えます。

少し遡りますが、実は第43話「恩賞の彼方に」の中でも、長篠の戦いの恩賞を今川勢に与えるとの報告を万千代が行った際に、石川数正が「それならいっそ岡崎の平岩親吉に・・・」と名前だけ登場しています。

今回は、少しマイナーだけど傅役（守り役）を極めた男・平岩親吉について簡単に紹介していきます。

 

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平岩親吉（1542～1611）

1542年、平岩親重の次男として三河国額田郡坂崎村で生まれました。

同じ年に徳川家康も生まれており、同級生ってことになります。

 

1547年、家康の人質時代から側にあって、平岩親吉も家康の小姓として駿府に送られました。

いつ殺されるか分からない人質生活の中で、同い年の平岩親吉がそばにいたことは、家康にとってどれほど安らげただろうと想像できます。

 

1560年、桶狭間の戦いの後、家康が独立を果たし、平岩親吉はその後の三河統一や遠江平定などで戦功をあげて、家康の嫡男・信康の傅役（守り役）に任命されました。

苦しい時代を共に乗り切った平岩親吉に対し、家康は全福の信頼を置いていたということが分かります。

 

 

 

 

その後、主要な戦いに参加してきた平岩親吉ですが、長篠の戦い後に悲しい事件が続きます。

 

1576年、平岩親吉はまず、信長の命を受けた家康から家康の母（於大の方）の兄・水野信元父子を誅殺するよう命じられ実行。

1579年、さらに信長によって信康の切腹が家康に要求されると、平岩親吉は責任を自分が被り、自らの首を信長に差し出すことを求めました。

必死の嘆願は実らず、信康は命を奪われ、平岩親吉も責任を感じて蟄居謹慎します。

大河ドラマ直虎でも、家康に対して「信康さまの落ち度ならば、傅役（守り役）である自分の落ち度」と嘆願しており、信康に対する忠誠心は相当のものであることが分かります。

 

その後、蟄居は家康によって解かれ、平岩親吉は再び直臣として復帰します。

1582年、本能寺の変の後、家康は甲斐国を手中に収め、平岩親吉は甲府城の築城を開始し、旧武田家臣を手厚く迎えました。

平岩親吉には実直なイメージしか沸いてきません。

 

 

この人も真面目！徳川信康

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1590年、平岩親吉は小田原征伐でも戦功をあげて、家康が関東に移封された際には、厩橋3万3千石を与えられました。

1594年頃の伏見築城祝いの際、秀吉は井伊直政、本多忠勝、榊原康政、平岩親吉に密かに黄金を百枚ずつ与えました。

この時、井伊直政と本多忠勝は黄金をもらって家康には告げませんでしたが、平岩親吉は固辞して黄金を使者に返しました。

とにかく真面目な平岩親吉。

ちなみに榊原康政は、家康に相談して許しを得てから黄金をもらっています。

平岩親吉は、この榊原康政のことを若い頃から高く買っていたようで、榊原康政の昇進に尽力し、皆から平岩は私利私欲のない人物であると評価されています。

 

 

榊原康政は頭が上がりません

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1595年、平岩親吉には子供が無かったため、家康は八男・松平仙千代を養嗣子として与えました。

仙千代は、すぐに（1600年）亡くなってしまいますが、家康の平岩家に対する気持ちがよく表れています。

1601年、平岩親吉は再び甲斐に戻り、甲府6万3千石を与えられました。

 

1603年、養子であった松平仙千代の弟・徳川義直が甲斐25万石に封ぜられると、平岩親吉は駿府にいる義直の代理として甲斐統治を行いました。

1607年、義直が尾張藩主になると、平岩親吉は義直の家老として尾張に移って藩政を任され、自身は犬山藩主としても12万3千石を領有します。

1611年、名古屋城で死去。享年70歳。

 

 

 

 

嫌な役目も引き受ける真面目で忠実な家臣で、後輩たちに慕われる清廉潔白な先輩。

とにかく世話好きで、日の本一の傅役（守り役）と言っていいと思います。

 

最後におまけの逸話を紹介。

 

 

大河ドラマ「真田丸」での平岩親吉

出典：http://rekisiuntiku.jp/

 

 

『毒饅頭』

1611年の二条城の会見の際に、家康は秀頼を毒殺するため、平岩親吉に命じて遅効性の毒を盛った饅頭を差し出しました。

そして、平岩親吉は自ら毒見した上で秀頼に勧めました。

しかし、秀頼を護衛する加藤清正は、これに気づいて秀頼の代わりに毒饅頭を食べます。

この会見の直後に加藤清正は急死、平岩親吉も9カ月後に死去してしまいました。

 

歌舞伎の題材になっている逸話であって、本当の話かどうかは分かりません。

でも、家康への最後の奉公として老いた命を捨てる平岩親吉の姿が想像できる実によくできた話だと思います。

 

 

出典：https://ameblo.jp/tetu522/

 

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