大河ドラマ直虎　その後の今川氏真　信長の前で蹴鞠を披露し、妻の春（早川殿）と共に戦国の世を生き抜いたしぶとい人生

大河ドラマ「おんな城主　直虎」で尾上松也が演じる今川家当主・今川氏真。

ちょっと問題が起これば、やる気をなくし、うまくいけば調子に乗る今川氏真は、井伊家を陥れる性格の悪いバカ殿、ボンボン大名のように描かれています。

実際の今川氏真は、優れた人物とは言えないけれど、戦国時代の最前線に突如放り出された凡人だと考えてみると、とても同情する部分も多いです。

織田信長、徳川家康、武田信玄、北条氏康など、戦国時代を彩るオールスター級の大名に囲まれ、優秀な父・義元、祖母・寿桂尼などが、次々に死んでいく悲劇。

今回は、なすすべもなく三河、遠江、駿河を失い、何もなくなってしまった氏真のその後の人生について簡単に説明したいと思います。

 

 

プライドなんて必要ないんだ！

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今川氏真のその後

～前半生まとめ～

桶狭間の戦いで父・義元が戦死し家督を継いだが、家臣の離反が相次ぎ、今川氏は急速に衰退。

氏真は、徳川家康の台頭や武田信玄の駿河侵攻によって三河、遠江、駿河を次々と奪われた。

最後の抵抗もむなしく、氏真は家臣の命と引き換えに掛川城を開城し、戦国大名としての今川氏は滅亡に至った。

 

～後半生～

掛川城の開城後、氏真は妻・早川殿の実家である北条氏を頼り伊豆、さらに相模小田原に移り、早川に屋敷を与えられる。

 

 

妻・春は早川に住んだことから早川殿となったわけ。 

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1569年、氏真・徳川家康・北条氏康の間で、武田勢力を駿河から追い出した後は、氏真を再び駿河の国主とするという盟約があったが、氏真は北条氏政の嫡男・国王丸（のちの氏直）を猶子（家督相続を目的としない養子）として、国王丸の成長後には駿河を譲ることを約束する。

 

駿河では岡部正綱が一時的に駿府を奪回し、他にも武田氏への抗戦を継続する今川家臣がいて、北条氏も氏真を助けるべく出兵していた。

このため、氏真は武田氏と戦うため上杉謙信に使者を送り、今川・北条・上杉三国同盟を結んでいる。

しかし、頼みの北条軍も敗れ、今川家臣も次々と武田氏の軍門に降ったため、旧領・駿河を回復することはできなかった。

 

 

もうダメかもしれん・・・・

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1571年、妻の父である北条氏康が死去。

北条家を継いだ氏政は外交方針を転換し、突如、武田氏と和睦する。

このため、氏真は相模の北条氏のもとを離れて、掛川城開城時の盟約を頼りに徳川家康のもとに走った。

受け入れた家康にとっては、旧国主・氏真の保護は駿河統治の大義名分を得たいがためのものだった。

 

1575年、家康のもとで浜松にいた氏真は上洛の旅に出る。

京都では社寺を参詣したり、旧知の公家宅を訪問しているが、「父の仇」でもある織田信長とも京都の相国寺で会見した。

この時、信長は氏真に蹴鞠を所望し、氏真は公家達と共に信長の前で蹴鞠を披露している。

 

 

まさか、信長の前で蹴鞠をすることになるとは・・・

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その後、武田勝頼が三河に侵入する知らせを受けると、氏真も三河に戻る。

長篠の合戦で徳川軍が勝利すると、氏真も武田軍掃討に従事。

旧領地の駿河での放火を行い、諏訪原城攻めにも従った。

 

1576年、諏訪原城改め、牧野城の城主に氏真は任命されたが、翌年には解任され浜松に戻らされた。

氏真は、牧野城主時代に剃髪し、宗誾（そうぎん）と号している。

 

 

氏真と早川殿の肖像画

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その後、氏真は浜松にいたことが確認されているが、1591年頃には京都に移り住んでいる。

氏真は仙巌斎と名乗り、旧知の公家と交流し、和歌会や連歌の会などに参加したり書写などをしていた。

京都時代の氏真は、豊臣秀吉や徳川家康から与えられた所領からの収入によって生活をしていたと考えられている。

 

1598年、氏真の次男・品川高久が徳川秀忠（家康の子で２代将軍）に出仕している。

 

1607年、長男・範以が京都で死去。

 

1611年、範以の子・範英（直房）が徳川秀忠に出仕した。

 

1612年、氏真は故郷の駿府で家康と面会。

この時、家康は氏真に対して品川に屋敷を与えたという。

 

1613年、妻・早川殿と死別。

 

1615年、江戸で死去。享年77。

 

 

妻の春（早川殿）は、今川の栄華と没落を目の当たりにしても最期まで添い遂げるなんて・・・もはや感動すら覚えます。

蹴鞠小僧・今川氏真は戦国武将としては凡人だったかもしれませんが、夫としては最高の男だったのかも知れません・・・。

あの世で、妻と幸せにやっていて欲しいな。

 

 

妻に恵まれた幸せな人生ですよ

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