大河ドラマ「いだてん」
最終回「時間よ止まれ」おさらい
最終回、戦争の闇と平和の光の描き方が素晴らしい
とうとう終わっちゃいましたね~大河ドラマ「いだてん」。
やっぱり、1年間見ていると、その時々の思いが振り返り映像から蘇ってきて、どうやっても感動しちゃいますわ。
これが大河ドラマのいいところ!
視聴率が悪い、ピエール瀧の逮捕、もう~本当に色々なことがありましたけど、結果的に無事終わればいいじゃないですかw
それでは2019年大河ドラマ「いだてん」の最終回「時間よ止まれ」のおさらいです。
昭和39年(1964)10月10日、快晴の中で東京オリンピックが開会式を迎えた。
やっぱりハズレたババア(薬師丸ひろ子)の占いw
というか、わざと逆のことを言って晴れさせたババア。
「天気の子」ならぬ「天気のババア」ですね。
開会前、快晴のスタンドにいた田畑政治のもとに金栗四三がやってくきた。
すると、四三はかつて嘉納治五郎が自分をオリンピック聖火ランナーを指名した手紙を見せてくる。
聖火ランナーを坂井義則(井之脇海)に決めた田畑はバツが悪い顔をするが、四三は気にしていないと言いながらも足袋を履いていた。
当時になってもやる気マンマンなんかい!四三のジジイは。
四三は気にしてないというわりには、スーツ姿に足袋を履いていた。
開会式に向けては、とにかくドタバタだった。
インドネシアの不参加が決まり、国旗係の吹浦忠正(須藤蓮)が落ち込んだり、開会式であいさつするブランデージ会長が日本語で行いたいと言い出したり、コンゴ共和国のヨンベがどっか行っちゃたり。
こんな出来事でも最終回ではいちいち感動を産んでいくことに。
国旗係の福浦はこの時の悔しさを、開会式での一斉掲揚で晴らし、閉会式では独立したばかりザンビア(開会式時点では北ローデシア)の国旗を用意する活躍。
ブランデージ会長は岩田幸彰(松坂桃李)の動き続けるストップウォッチを見て「ジゴローカノ―が生きている証拠」だと発言したり、開会式ではちゃんとヘタクソだった日本語が上達して見事なスピーチ。
多分、普通ならあまり感動できないようなことだけど、今回は最終回ですからね。感傷的になってるんでしょうね。
観客席には、かつての田畑政治の仲間、金栗四三の仲間たちが集まってソワソワ。
皆、白髪になってたりしてますが、ちょっと無理矢理に白髪にしてる感がいなめない。
ドラマだし、役者変えたらわかんないから、しょうがないんですけどね。
さて、走る気マンマンだった金栗四三の方は、本番に向けてプレッシャーを感じている聖火ランナー最終走者・坂井義則のもとにいた。
「なぜあなたは走るのか?」と四三に質問し、明確な答えがもらえないとますます落ち込む坂井君。
よう分からんです。この子の悩み(笑)
確かに原爆の日に広島に生まれたからという理由で選ばれて、周りにそのことばかりが取り上げられてツライのかなとは思いますけど、別にどうでもよくね?
戦争の象徴に日に生まれた男が、世界平和の象徴のオリンピックで火をつける。歴史的に名を残すんですから、名誉なことでしょ。
なんで悩むの?まぁその境遇の人にしか分からん悩みなんかも知れないけど。なんかゴメンね坂井君。
さぁ、そんな坂井君を見ていた四三。
いきなり後ろからバケツで水をぶっかけ、「何も考えんと走ればよかばい!」と発言。
これまで何度も見てきた四三の冷水浴。
見飽きてたはずだけど、やっぱり何だか感動しちゃうなぁ~。
やがて開会式が始まり、国立競技場に各国の選手団が入場。
前日まで雨だと予想していたブルーインパルスも秋空に飛行機雲で五輪マークと描くことに成功。
二人きりのコンゴ共和国の選手団を見て、三島弥彦と日本人初のオリンピック選手として二人で参加したストックホルムを思い出す四三。
アナウンサーは「世界中の秋晴れを全部東京にもってきたような、すばらしい秋日和です」と表現した。
そして、田畑と四三、河野一郎(桐谷健太)は「あの時はどしゃぶりだった」とかつての競技場で行われた戦争時の学徒出陣の日を思い返した。
四三の弟子であり五りんの父でもある小松勝が兵士となって行進したあの場面。
大雨で画面も心も暗くなったあの日と、晴で画面も心も晴れやかな今日の対比。
戦争の象徴の兵士を送り出す万歳と、平和の祭典を行う選手を迎え入れる万歳
まさに闇と光の対比。
1年間、無駄な笑い要素もあったけど、この瞬間に「いだてん」が背負ってきたものが全て表現されているようで鳥肌が立ったよ。
競技では大松監督率いる女子バレー「東洋の魔女」が金メダルを獲得。
あんなに大騒ぎしていたのに、ココは意外とアッサリw
最後の最後まで馬(安藤サクラ)がイタイ人のように思えてならなかった。
そして、やがて迎えた閉会式。
松澤一鶴(皆川猿時)が選手団を並ばせようとしてもテンション上がりまくりの選手たちは聞く耳を持たない。
結局、選手たちは国籍もゴチャゴチャのまま、閉会式へ。
逆にイイ!これこそ平和の祭典!
これが嘉納治五郎、田畑政治が目指した平和の祭典のフィナーレでしょ!
これに感動した田畑は、競技場の傍らで閉会式を見つめる嘉納治五郎の亡霊と見つけ「どうですか?嘉納さん」と問いかける。
すると嘉納治五郎は「実に面白い。よくやった」と言葉を返す。
思わず涙が溢れる田畑。
そこに岩田がやってきて、「お返しします」と嘉納治五郎のストップウォッチを手渡すと田畑は言った。
「俺のオリンピックが、みんなのオリンピックなった。ありがとう」
岩田も涙をこらえることができなかった。
その後、昭和42年(1967)に熊本の池部家にストックホルムオリンピック委員会から手紙が届いた。
内容は「1912年のマラソンにおいて金栗四三は途中で姿を消し、いまだにゴールしていないから完走してくれ」というもの。
これまで「競技中に失踪し行方不明」として扱われていた四三は再びストッホルムを訪れ、オリンピック記念式典でゴールテープを切った。
「日本の金栗、ただいまゴールイン。タイム、54年と8ヶ月6日5時間32分20秒3、これをもって第5回ストックホルムオリンピック大会の全日程を終了します!」
西洋人も粋なはからいをやりますよね。ホントにありがとうございますですよ。コレは。
さて一方で、再三批判していきた落語パートですが、開会式当日は芝で古今亭志ん生が「富久」を演じ、満州での小松勝との出会い、その子である五りんが自分の弟子になった不思議な縁を語っていた。
たけしの話し方が、はっきりしてたというか、普段のたけしのしゃべり方だった。
なんで、最終回だけなの?
そして落語から逃げた五りん(神木隆之介)の方は聖火ランナーの伴走者として東京オリンピックに参加したあと、志ん生のもとに駆け出して久しぶりの対面を果たす。
そもそも、何で落語から逃げたのか、理由が未だにスッキリしてないんだが・・・。
すると志ん生が「どっから走って来たんだい?」と問うと、五りんは「浅草・・・じゃない、国立競技場からw」
浅草から芝まで走る演目「富久」の内容をうまいこと使った五りんですが、何度も言うように視聴者は「富久」に興味ないと思うよ。
なのに最終回までひっぱったのかよ。
そういう思いがあるから、このあと破門が取り消されても、知恵(川栄李奈)に子供が生まれても感動できないんだよな~。
みなさんは「いだてん」最終回どうでしたか?
最終回は金栗四三と田畑政治の物語に感動させられましたけど、これは「最終回」という特別感もありますからね。
でも、最後のまとめ方は見事としかいいようがなかったように思います。
特に人間の闇と光というか、オリンピックを通じての戦争と平和の視覚的な描き方が素晴らしかった。
グッときたし、考えさせられた。来年オリンピックを応援しようと思ったし、他国の選手も応援しようという気持ちになった。
1年間の振り返り
1年間、全てリアタイで見てきたが、今回はいつも経験するはずの「ロス」が発生していない。月曜日からいつものように仕事いけると思うw。
冷静に振り返ってみると、ドラマとしての1年間の1番の盛り上がりは金栗四三の後半部分、女学校~関東大震災~人見絹枝の女子スポーツ編ところだったかなぁ。
村田富江(黒島結菜)ら女子スポーツへの差別、シマ(杉咲花)の死、人見絹枝(菅原小春)のメダル、あの部分がもう少し長ければもっともっと「いだてん」は盛り上がってたと思うんだが。
実際、あの頃には「見ないうちに『いだてん』が面白くなっていた」というニュースが上がっていたし。
その代わり、やはりどう考えても落語パートは必要なかった。
本編の内容を落語の演目に絡めてくるのは正直うっとおしかったし、落語を知らない者にとっては意味不明に取られることがあった。
それが序盤から視聴者離れを招いた原因となり、当然ながら残った視聴者のためには途中で変更することもできず、愚直にも最後までやりきらねばならなかった。
おそらく、女子スポーツ編に盛り上がっていると感じたのは、この落語の部分が一番薄れて本来のドラマに近づいていたからだと思う。
一方で小松勝と五りんを本筋と絡めてきて感動を呼んだとも考えることもできるが、別に創作の話なら落語にこだわる必要はなかった。
また、豪華な役者をポンポン出してきたのは、当初は期待していたが、ほとんど使い捨てのような扱いでガッカリした。
話題を作って視聴率を上げるためだろうと、どうしても思えてしまう。
クドカン本人も最終回にタクシー運転手として出演していたが、そういうところに「あざとさ」「わざとらしさ」が表れていて逆に冷めてしまう。
視聴率を気にしているテレビ局の者からすれば、「コイツどの面下げて出てきたんだ?」と思ったんじゃないかな。
話題性、キャストよりも、大河ドラマが重要視すべきのはストーリーだと思うよ。
嘉納治五郎先生は言ってましたよね「一番面白いことをやる」って。
NHK、クドカンは「いだてん」で「一番面白いこと」が出来たと言えるのだろうか。
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