いだてん関連

ラザロ選手|いだてん|実在したラザロの死因とは?金栗四三と共に語り継がれる悲劇のランナー

投稿日:2018年12月24日 更新日:

大河ドラマ「いだてん」
フランシスコ・ラザロ

2019年NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」で日本初のオリンピック選手としてストックホルム・オリンピックのマラソンに出場する主人公・金栗四三。慣れない異国の地で1人寂しく練習していた金栗四三は、ある外国人ランナーから声を掛けられます。

その外国人ランナーがポルトガル代表の『ラザロ(フランシスコ・ラザロ)』です。

大河ドラマの中で『ラザロ』は金栗四三が履いている「足袋」に興味を示し、言葉は通じないながらも2人は仲良くなっていきました。

しかし、この『ラザロ』はレース前の取材でも「勝つか死ぬかどちらか」と語っていたとおり、マラソン本番で金栗四三とのデッドヒートのあとに命を落としてしまいます。

この記事では、ストックホルム・オリンピックで「消えた日本人・金栗四三」と共に語り継がれた悲劇のランナー『ラザロ』について紹介していきます。

ちなみに、大河ドラマの中で『ラザロ』は金栗四三から足袋をもらっていますが、実際はそのようなことはなかったと思われます。

 

出典:https://www.instagram.com/

スポンサーリンク

 

フランシスコ・ラザロ

ラザロは1891年生まれたポルトガルの長距離選手です。

国内ではマラソンランナーとして有名で、1910年にリスボンマラソンで優勝してから、国内では合計3回の優勝経験がありました。

金栗四三が日本初のオリンピック出場を果たした1912年のストックホルム・オリンピックでは、ラザロもまたポルトガルとして初めてのオリンピックマラソンの代表とし出場することになりました。

オリンピックの開会式では、ポルトガルの旗手をラザロが務めていることからも、当時のラザロに対する国の期待がよく分かります。

出典:http://x77.peps.jp/

ラザロの死去

ストックホルムオリンピックのマラソンは、1912年7月14日に開催され、19ヵ国68人の選手が出場しました。

この日の気温は40度、しかも石畳からの強烈な照り返しで日陰でも32度を計測するという異常な暑さでした。

しかし、ラザロを含め選手の多くが日除けの帽子を被らずに出場します。

このため68選手のうち、約半数の33選手が途中棄権する事態になり、金栗四三のように意識を失って病院に運ばれる者も続出しました。

そしてラザロも30㎞過ぎたあたりの給水所を越え、残り8㎞となったところで倒れ、意識を失ってしまいます。

ラザロは約1時間半後に病院に搬送されて夜通しの治療を受けましたが、体温は42.1度にまで達し、ラザロの意識は戻ることなく翌朝6時に死去してしまいました。

 

スポンサーリンク

 

ラザロの死因

当時、ラザロの死因については記録的な暑さが原因の脱水症状だとされていました。

しかし、のちにラザロは日焼け防止のため、マラソン当日にワックスを全身に塗っていたことが分かりました。

このワックスが体の発汗を妨げ、体内の電解質異常を引き起こして熱中症になったのです。

出典:https://www.instagram.com/

ラザロの死後

ラザロの死はオリンピックに参加していた他の選手たちや、世間の人々に大きな衝撃を与えました。

このため、国際オリンピック委員会(IOC)クーベルタン会長は哀悼の意を表し、オリンピックの終了後にはメインスタジアムで追悼の音楽会が催されました。

この音楽会では23,000人が参列し、集まった14,000クローナはラザロの母国ポルトガルの遺族に贈られました。

その後、マラソンの折り返し地点であったソレントゥナにはラザロの記念碑が建てられ、ポルトガルでの葬儀には数千人の人々が参列しラザロの死を悼みました。

 

スポンサーリンク

 

 

スポンサーリンク

 

 

-いだてん関連

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

いだてん|大森兵蔵(おおもりひょうぞう)とは?大河ドラマで竹野内豊が演じる悲劇の日本選手団監督

大河ドラマいだてん ~東京オリムピック噺~ 2019年NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」で主人公・金栗四三(かなくりしそう)たち日本選手団の監督として登場するのが竹野内豊が演じる『大森 …

いだてん|河野一郎(桐谷健太)田畑政治の同僚記者は東京オリンピックを成功に導く大物政治家に

大河ドラマ「いだてん」 河野一郎(桐谷健太) 大河ドラマ「いだてん」で桐谷健太が演じるのが、田畑政治(阿部サダヲ)の同僚の記者 ・河野一郎。 朝日新聞社に入社した田畑政治は水泳をないがしろにして陸上の …

いだてん|ミルクホールとは?大河ドラマでシマ(杉咲花)が働く大正時代の庶民の社交場

大河ドラマいだてん ~東京オリムピック噺~ 2019年NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」で登場する杉咲花が演じる三島家の女中「シマ」。 この「シマ」は金栗四三の「やがて日本も西洋のよう …

いだてん美濃部孝蔵の周りの人物まとめ(古今亭志ん生・橘屋円喬・清さん・小梅)大河ドラマで登場する浅草の人物を紹介

大河ドラマ【いだてん】 ~東京オリムピック噺~ この記事では、大河ドラマ「いだてん」に登場する美濃部孝蔵(のちの古今亭志ん生)の周辺の人物(古今亭志ん生、橘家円喬、清さん、小梅)について史実をもとに紹 …

いだてん|高石勝男(斎藤工)の生涯とその後のド派手な葬儀についてご紹介!誰からも愛されたノンプレイングキャプテン

大河ドラマ「いだてん」 高石勝男(斉藤工) 大河ドラマ「いだてん」で斎藤工が演じるのが、日本水泳の第一人者だった高石勝男という人物。 登場当初、高石勝男は田畑政治から「勝っちゃん」と呼ばれ、一緒に麻雀 …