大河ドラマ【いだてん】
~東京オリムピック噺~
2019年NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」では、金栗四三の話だけでなく、落語家・古今亭志ん生(ビートたけし)の若かりし日の姿・美濃部孝蔵(森山未來)の物語も多く描かれます。
その美濃部孝蔵の物語のキーパーソンとなっているのが峯田和伸が演じる浅草の人力車夫『清さん(せいさん)』。
『清さん』は実在の人物ではなく、架空の人物なのですが、大河ドラマの脚本を担当する宮藤官九郎は、古今亭志ん生の自伝で出てくる面白エピソードを集約して『清さん』を作ったと言っており、「お笑い」も担当する重要なキャラクターとなっています。
この記事では、大河ドラマ「いだてん」で一番人気が出そうな人物『清さん』について紹介していきます。
清さん(せいさん)
清さんは大河ドラマ「いだてん」での設定上、
1.孝蔵とは腐れ縁で兄貴分として何かと面倒を見る。
2.人力車夫として東京中を走りまわって人と人を結ぶキーパーソン
と、なっています。
清さんは、東京高等師範学校に合格した金栗四三と美川秀信が上京した際、遊女の小梅と共に声をかけて初登場。
清さんは走ることには自信があるらしく、その後の「全国学生大競争会」では学生ランナーに紛れ込んで参加しています。
しかし、清さんは係員に引きずり出されてマラソン終了。
それをたまたま見ていた金栗四三は「みんなどこかに向かっているのか?」と首をかしげていると、清さんは「これはマラソンだ」と教え、金栗四三とマラソンの出会いの瞬間を演出しました。
そして約1年半後、練習を積んできた金栗四三が羽田で開かれたオリンピック予選会に参加。
またしても清さんは早稲田大学の学生に紛れて出場しますが、雨の中で行われたレースで薄着だった清さんは早々に脱落してしまいます。
しかし、そのあとも清さんは皆の激走を見届け、足袋が脱げそうな金栗四三に忠告するなどしています。
この予選会の日、清さんは人力車の仕事を美濃部孝蔵(のちの古今亭志ん生)に代わってもらっていました。
浅草に帰った清さんは、羽田土産を渡して仕事に戻ろうとしますが、孝蔵が「人力車は返すわけにはいかない」と言ってきます。
理由を聞くと、憧れの落語家・橘家円喬を乗せた時に弟子入りを志願し、「明日も頼むよ」と言われていたからでした。
孝蔵は円喬から「三遊亭朝太」の名前をもらうまで、半年ほど人力車夫として働いているので、その間は清さんは無職だったってことかな?
やがて清さんは播磨屋でオリンピック代表に選ばれた金栗四三と再会し、ストックホルムに似た石畳がある練習コースを教えてあげます。
人力車夫として東京中を走りまわっていた清さんだからこそのアドバイスでした。
その後、清さんは落語家として初舞台に上がろうとする孝蔵に新しい着物と足袋をプレゼント。
「芸はしらねえぇが、せめて身なりぐれえはビシッとしてもらいてえからよ」
清さんが兄貴分としての存在感を示す場面となりますが、ここで孝蔵は予想もしなかったことをしでかします。
それは清さんからもらった着物を質に入れ、酒を飲んで酔っ払って高座(舞台)に上がったこと。
とんでもないクズ野郎です。
清さんも晴れ姿を見ようと寄席に来ていましたが、ロレツの回らない孝蔵の姿に呆れ顔。
しかし、清さんはそんな孝蔵に対して絶妙のタイミングでツッコミを入れ、客席は大爆笑となりました。
そんなことがあっても孝蔵を見捨てず、やがて修行のために東京を離れる孝蔵を、人力車に小梅を乗せて見送りに行く優しい清さん。
もはや、兄貴分というより保護者と言っても過言ではありません。
一方、オリンピックで惨敗し、雪辱を果たすため練習を行っていた金栗四三は、ベルリン・オリンピックの中止が決まってしまい引きこもり状態に。
そんな中、清さんは部屋に乗り込んで「元気出せよ!いだてん!気晴らしに走ろうぜ!」と声をかけ、金栗四三のことも心配しています。
その後、ヤクザ・徳重に囲われていた小梅は美川秀信と共に逃亡。
小梅は美川秀信をかばって不倫相手を孝蔵だと言ってしまい、そこに孝蔵が修行の旅から帰ってきたために大騒動に発展します。
このため、清さんは徳重と話をつけようと奔走。
体を張って孝蔵を逃がすなど、清さんは男気溢れる姿も見せてくれます。
このあと、清さんがどのように物語に絡んでくるのかは分かりませんが、この時点で金栗四三と美濃部孝蔵の二人の物語に関わっているのは清さんと小梅ぐらい。
人物設定にある「人力車夫として東京中を走りまわって人と人を結ぶキーパーソン」として、清さんは四三と孝蔵を結び付けていくのかもしれません。
【いだてん】あらすじ
【いだてん】人物・キャスト