大河ドラマ「いだてん」第27話
「替り目」でのキャラ変の謎
大河ドラマ「いだてん」の第27話「替り目」は、金栗四三の兄・実次(中村獅童)が亡くなり、四三が東京を離れて熊本に帰るというも寂しい内容でした。
しかし、その中で脇役である美濃部孝蔵(森山未來)や後半の主人公の田畑政治が、これまでの印象とは違う発言をしていて違和感を感じた方もいらっしゃるのでは?
と、いうわけで何故、彼らはガラにない発言をしていたのか調べてみたので紹介してみます。
孝蔵、政治のキャラ変
まず、美濃部孝蔵ですが、せっかく新しい師匠についたのにすぐ破門となり、食い扶持を稼ぐために納豆を売り歩くも、まったく売れない状況。
見かねた妻・おりん(夏帆)はブチギレして「自分が売ってくるわ」と家を出ると、孝蔵は急におりんのことを独り言で褒めだすのですが、実はおりんがまだ家を出て行ってなかったためにその独り言を聞かれてしまうという孝蔵にとっては少々照れ臭い内容でした。
実次のことがあったのでサラッと流していましたが、あまりに突然のキャラ変で違和感があったような気がします。
次は、番組の最期での田畑政治ですが、体協で金栗四三と会ってオリンピックの思い出を聞いた後、四三が部屋を出て行ったと思って急に四三の功績に敬意を示す独り言を言います。
しかし、こちらも四三がまだ部屋から出て行っていおらず、政治は「まだいるんかーい!」と吉本新喜劇ばりのツッコミをかましてくれました。
まだ登場して日は浅いですが、政治もこんなキャラだっけ?と思わせる発言だったと思います。
違和感は落語「替り目」の内容を強引に入れたから
この二人のがキャラ変が気になったので調べてみたら、やっぱり落語ごり押しのクドカンの脚本のせいだった(笑)。
第27話の副題になっている「替り目」は、どうやら古今亭志ん生の落語の演目のらしく、その内容をこの回でぶち込んできていたのです。
二人の独り言の参考になっているのがこちら↓
(独り言)「この飲んだくれを世話してくれるのは三千世界を探しても、あの女房以外にないんだよ。世の中に女房ぐら有り難いものはないね。それで、器量だって悪くはないし、近所の奥さん達は『貴方の奥さんは、本当に美人ですね。貴方には勿体ないですよ』なんて、ふふふ、俺もそう思う。イイ女だな、と思うけれどそんなこと言ったらダメなんだ。脅かしたりするが、心の中では『すまないな』と思っているよ。どうしてこんな美人がもらえたのかと思うけれど、口では反対のことを言ってしまう。おかみさん、スイマセン、貴方のような美人をもらえて、陰で侘びてますよ。許して下さい。貴方みたいなイイ女を女房にもらへて勿体ないくらいだ。ん?・・・まだ行かないのか」。
なるほどね。
これを使いたかったから、違和感のある感じになっていたのか。
孝蔵に関しては、のちに古今亭志ん生になる人だから違和感も少しだったけど、政治の方はかなり違和感を感じさせる発言だったかな~と。
しかし、クドカンの落語愛もいいですが、調べなきゃ分からないって落語を知らない人にはかなり不親切じゃない?
今後も落語ファンや自己満足で終わらないことを切に願います。
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