大河ドラマ「いだてん」
~東京オリムピック噺~
2019年NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」の初回(第1話)では、東京オリンピックの誘致を決める重要な場面が描かれます。
そこでIOC委員を前にスピーチをするのが、主人公の金栗四三、田畑政治ではなく、星野源が演じる『平沢和重』でした。
しかも、この『平沢和重』は急遽代役としてスピーチをすることになった人物で、もともとはオリンピック誘致に反対の立場を取っていました。
大河ドラマ「いだてん」では、この場面以外で活躍の場はなさそうですが、今回は簡単な『平沢和重』の経歴と共に伝説のスピーチについて紹介していきます。
平沢和重(ひらさわかずしげ)
平沢和重は1909年に香川県丸亀市に生まれ、東京帝国大学卒業後に駐米日本大使秘書官、ニューヨーク領事などを経て、26年間もの間、NHK解説委員をした超エリート。
1938年、外交官をしていた平沢和重はバンクーバーから帰国する際、偶然にもIOC委員の嘉納治五郎と出会っていました。
しかし、嘉納治五郎はこの船旅の最中に肺炎になり急死し、平沢和重は船内で最期を看取りました。
その後、東京オリンピック誘致のため、日本中が盛り上がる中、NHK解説委員だった平沢和重は「時期尚早」として反対の立場を取っていました。
しかし、1959年にミュンヘンで開かれたIOC総会で、プレゼンテーションを担当する予定だった外交官・北原秀雄が直前に足を骨折してしまい、急遽東京市長の東龍太郎らから口説かれ、代役として平沢和重がプレゼンに臨むことになります。
そして、このプレゼンの際に「嘉納治五郎の最期を看取った人物」として紹介された平沢和重は、各国の委員から注目を集めて伝説のスピーチを行います。
「日本は極東に位置しております。しかし、航空機の発達により「極」という字は抹消されました」
「しかし、国際理解や人間関係の心の距離感は未だ解消されたとは言えません」
「これを解消するためには人と人が直接会う事が一番であり、お互いに理解する事から世界平和が始まります」
「IOC委員の皆さま、今こそオリンピック大会を。この五輪の紋章に表された第5の大陸・アジアで開くべき時ではありませんか!」
当初、1時間の持ち時間があったにもかかわらず、平沢和重は外務省参事官が用意した原稿を書き直した15分のスピーチで、東京オリンピックの誘致に成功したのです。
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