はじめに
平成29年大河ドラマ「おんな城主 直虎」について楽しんで見るため、井伊直虎にまつわるゆかりの地である史跡や人物、大河ドラマ「おんな城主 直虎」のあらすじについてまとめていますが、男性ばかりが活躍する血で血を洗う戦国時代に、過酷な運命に翻弄されながら 井伊直虎のように城主となった女性たちがいました。
江戸時代の「武家諸法度」で禁止されるまで、女性のリーダーはそれほど珍しいことではなかったようで、中には男顔負けの活躍をする女性城主もいました。
今回はそんな彼女たちの歴史を、ほんとに簡単に紹介していきます。ここで紹介する女城主（女武将）に興味を持っていただけたなら幸いです。
富田信高室
富田信高室【？～？】
宇喜多忠家の娘で、安濃津城主・富田信高の妻。
関ケ原の戦いの直前、西軍の毛利秀元らが大群で押し寄せてきた際、敗戦を覚悟した富田信高は籠城せずに城外で戦うことを選択した。
城内で籠城戦を指揮していた妻は、夫・信高の危機とみるや馬に乗り、槍をとって西軍の中に突撃。多数の敵を討ち取って夫を場内に退却させる。
結局、この戦いは和議を結んで開城となるも、東軍が関ケ原で勝利したため、徳川家康はこの妻の武勇に感銘を受け、夫・信高は宇和島に加増された。
名前も知られていないこの富田信高室。歴史の中で埋もれてしまわずに、その武勇だけを轟かしているところがカッコよすぎます。
きっと、同じような活躍をした武将の妻も他にもたくさんいるんでしょうけど、結局戦死したり、負けた側の人間だったため名も武勇も残されなかった女子もいるのではないでしょうか。
私の地元の話なので、多少贔屓目に見てます(笑)。
阿南の方
阿南の方【1541～1602】
伊達政宗の叔母で、号は大乗院。
須賀川城主・二階堂盛義に嫁ぎ、夫や子の相次ぐ急死によって城主となる。
まもなく伊達家の家督を相続した伊達政宗が、これまでの同盟関係を破棄し蘆名氏を滅ぼし、二階堂氏にも降伏勧告を突きつける。
怒り心頭の阿南の方は、これまで佐竹氏から受けた恩に報いるために徹底抗戦したが、あえなく落城。
甥・政宗の恩情で命だけは救われ、のちに身を寄せていた佐竹氏の転封に従い秋田に向かう途中、城主を務めた須賀川付近で病没。
裏切りが当たり前の戦国時代に、嫁いだ二階堂家や世話になった佐竹家のために実家と戦った阿南の方は、とても悲しく、義に厚い立派な女性です。
負けてしまったけど、最期は懐かしい風景の中で息を引き取ったことが、唯一の救いであったのかもしれません。
義姫
義姫【1548～1623】
最上義光の妹で伊達政宗の母となる義姫。号は保春院
激しい気性と恵まれた体格から２度も戦場に馳せ参じた鬼姫として知られる。
夫。伊達輝宗が非業の死を遂げると、子・政宗が家督を継ぐが、義姫はその母として伊達家中で影響力を強めていく。
伊達氏と最上氏が争った大崎合戦では、兄・義光と子・政宗の陣の間に、輿で乗りつけて合戦を止めさせる逸話を持つ。
小田原征伐で秀吉のもとへ参陣する政宗に毒を盛って殺害しようとするが、政宗に気づかれ溺愛する次男・小次郎を殺害されて兄・義光のもとへ出奔したといわれる。
とにかく、逸話や印象からすると怖すぎる・・・恵まれた体格って(笑)・・・まさに鬼姫。
戦場で輿で乗りつけてきた時、兄の義光も「あいつなにやってんだ・・・」、子の政宗も「おいおい、母ちゃん・・・」って呆れてたでしょう。
真面目な優等生の小次郎は、とばっちりだよ。これは。
ヤンキー母ちゃんから生まれた子はやっぱりヤンキー。血は争えないね。
足利氏姫
足利氏姫【1574～1620】
名門の古河公方・足利義氏の娘で、号は徳源院。
９歳のとき、父・義氏が死去すると古河城主となる。
北条氏が滅びた後、鴻巣へ移された氏姫は、庶流である小弓公方・足利国朝との結婚を豊臣秀吉から命じられ、対立してきた嫡流と庶流の両足利家を統合する役割を果たす。
夫・国朝が病死すると、その弟・頼氏との結婚を秀吉から命じられる。
名門のプライドから夫の領地の喜連川には移らず、子や孫とともに鴻巣で余生を過ごした。
衰退していく名門の姫君・氏姫は、権力者の言いなりになっていますが、最後は誇りを捨てず意地を貫いたところは、実力本位の戦国時代への足利氏の精一杯の抵抗だったのかな。
名前に「氏」がついてるところが正当後継者ぽくって何かカッコいい。
市川経好室
市川経好室【？～1585】
市川氏は毛利氏の重臣・吉川氏の庶流で、経好室は市川局とも称される。
夫が北九州で大友氏と対陣中に、その大友氏の支援を受けた大内輝弘が豊後より出陣し、城主不在の高嶺城を包囲する。
すると経好室は、城主としてわずかな兵を指揮しながら自ら武装して籠城戦を展開する。
まもなく、北九州攻略を諦めて戻った毛利軍によって、大内軍は蹴散らされ大内輝弘を自害に追い込む。
夫の留守中、激戦に耐えて城を守り切った経好室は、主君。毛利輝元から「比類なし」と称賛された。
富田信高室と同じように名前が・・・・。でも市川局といわれているだけまだマシかな。
まだまだいる女城主、女武将①↓
まだまだいる女城主、女武将②↓
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