日本の神様 日本神話
【須佐之男命(素戔嗚尊)③】
今回で3回目となる須佐之男命(別称:素戔嗚尊 スサノオ)の話ですが、これまでのスサノオの話をザックリおさらいすると、
伊邪那岐命(イザナギ)から産まれたスサノオは、海原の統治を任されますが死んでいる母の伊邪那美命(イザナミ)のいる根之堅州国(死者の国)に行きたいと駄々をこねて海原を追放され、高天原の天照大御神(アマテラス)のもとでは乱暴狼藉のあまり天岩戸事件を起こし、高天原もやっぱり追放、出雲国に降りて老夫婦神の願いどおり八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治したところです。
ヤマタノオロチから出た、のちの三種の神器「草薙剣」ですが、スサノオはオロチの尾から出た剣なのであやしいと思い、アマテラスに事情を話して献上します。
須佐之男命の結婚と子供
ヤマタノオロチを退治したスサノオは、櫛名田比売命(別称:稲田姫命 クシナダヒメ)を娶り、須賀の地に宮を築いて暮らします。
暴れん坊もついに落ち着きました
このクシナダヒメとの間に八島士奴美神(ヤシマジヌミ)が産まれ、この子孫が出雲の英雄である大国主命(オオクニヌシ)になります。
スサノオはクシナダヒメ以外にも神大市姫命(別称:大市比売命 カミオオイチヒメ)を娶っており、この妻との間にも大年神(オオトシ)、宇迦之御魂神(ウカノミタマ)が産まれました。
元ヤンには子が多い
クシナダヒメもカミオオイチヒメも、伊邪那岐命(イザナギ)、伊邪那美命(イザナミ)の産んだ山の神の大山津見神(オオヤマツミ)の子や孫にあたり、スサノオ一族とは密接かつ複雑に絡んでいます。
ちなみに宇迦之御魂神は、伊邪那岐命(イザナギ)、伊邪那美命(イザナミ)が産んだとの説もありますが、穀物の神様として現在もお稲荷さんの名で有名になっています。参考に↓
須佐之男命の試練
時は流れ、スサノオの子孫である大己貴命(オホナムチ)が出雲を統治するには様々な苦難がありました。
オホナムチは兄神たちに何度も殺されては生き返り、母に促され木の国に逃げ、ついにはスサノオが住む根之堅州国(死者の国)に至ります。
ここで、オホナムチはスサノオの娘である須勢理毘売命(スセリビメ)と出会い、一目ぼれして求婚します。
父スサノオはオホナムチを試そうと蛇の部屋や、ムカデと蜂のいる部屋に泊まらせるなど試練を与えますが、その都度オホナムチは危機を回避。
娘を溺愛する元ヤン父
隙を見てスサノオの弓と太刀を携え、スセリビメをひいて脱出します。
駆け落ち寸前
追いかけてきたスサノオはオホナムチに「そなたはオオクニヌシと名乗り、その太刀と矢で兄神たちを倒し、スセリビメを正妻にして宇迦の地に住め」と言ってオホナムチを認めたのでした。
涙
おわりに
スサノオは地上に降りた際、新羅(朝鮮半島)に降りたりするなど、この神様についてはとにかく逸話や、謎、解釈の仕方が多くありすぎます。性格もバラつきありますし。
でも、小さい頃は駄々っ子だったスサノオが、反抗期にグレて、大人になって更生して、ジジイになって娘婿に意地悪してるって考えると、実に人間くさくて、こんな人いるなぁと思ってしまいます。
いつの間にかスサノオが根之堅州国(死者の国)にいますけど、もともと母イザナミに会いたいと駄々をこねて、行きたかった所は根之堅州国です。
スサノオは、お母さんに会えたのかなぁ?
色々あったけど、お母さんにいっぱい甘えられてたらいいね。