日本の神様 日本神話
【国産み 神産み】
記紀神話では、伊邪那岐命(イザナギ)、伊邪那美命(イザナミ)は「国産み」、「神産み」の神様として描かれてます。
イザナギは男神、イザナミは女神で家屋の神、自然、生産の神を産む夫婦神です。
日本列島、日本の多くの神々はこの二柱の神様から産まれていきます。
国産みと日本誕生
最初の神々が産まれたころ、まだ地上世界に大地のようなものは無く、混沌としていました。
そこでこの二柱の神様は、高天原(タカマガハラ)の神々から不安定な大地を固めるように仰せつかります。
天と地を繋ぐ天浮橋に立ったイザナギ、イザナミは玉で飾った立派な鉾、天布矛(アマノヌボコ)を地上に下ろして混ぜ混ぜします。
ねるねるねるね
その鉾を引き上げた時、滴り落ちた海水から最初の大地である淤能碁呂島(オノゴロジマ)ができました。
完成
そこに降り立った二柱の神様は、天の御柱という巨大な柱を立てて宮殿を建設し、夫婦となって国土と神々を産むことにしました。
結婚の儀式として柱をお互い反対側から回って、イザナミから声をかけ、蛭子(ヒルコ)、淡島という子を産みましたが不具の子であったため流されました。
回り方を逆にし、イザナギから声をかけたところ、淡路島、四国、九州など大八島(オオヤシマ)と呼ばれる日本列島がどんどん産まれました。
やっぱ声かけるのは男から
神産みと伊邪那美命の死
産まれたばかりの日本には何もないので、二柱の神様は日本の風土を司る様々な神様を産みます。その数三十五柱。
神様ビックダディ
しかし、火の神である迦具土神(カグツチ)を産んだ際に、イザナミは陰部を焼かれて命を落とします。
あれま
怒ったイザナギはカグツチを斬り殺し、妻を追って死者の国である黄泉国を訪れます。
嫁大好きビックダディ
そこでイザナギは見てはいけないという約束を破り、腐乱した姿の妻イザナミを見てしまい逃げ出します。
見ちゃいけないといわれるほど見たくなるもの
怒った妻イザナミに追いかけられますが、黄泉比良坂(ヨモツヒラサカ)で巨石を置いて間一髪で難を逃れ、妻に別離を宣言。
いくら好きな嫁さんでも、さすがにゾンビじゃ・・・
出典:https://urbanapocalypsenow.wordpress.com/
この時、妻イザナミは「別れるならば、1日1,000人殺す!」と言い、イザナギは「じゃあ、1日1,500人産む」と答えて、これ以降、人間に生死が存在することになりました。
イザナミが怖すぎる・・・
禊の起源と三貴子の誕生
黄泉国から戻ったイザナギは、死の穢れを祓うため竺紫の日向の橘の小門の阿波岐原で禊を行います。
この時、イザナギが洗ったところ以下の尊い三柱の神様が誕生しました。
左目:天照大神(天照大御神)・・・太陽の神
右目:月讀命(月讀尊)・・・・・・月の神
鼻 :須佐之男命(素戔嗚尊)・・・海の神
この後、イザナギは優秀な天照大御神(アマテラス)に自分の地位を譲り、アマテラスは高天原の総支配神となっていきます。
中国神話との奇妙な共通点
全く話は変わりますが、中国にも神話が存在していて、世界を創造したとされる盤古(バンコ)という神様がいます。
盤古の記述のある3世紀の「三五歴記」、4世紀後半の「述異記」をひっくるめて説明すると、
盤古は卵の中身のようなぐちゃぐちゃの混沌から生まれた。「三五歴記」
盤古は死んだ後、死体が変化して万物が以下のとおり形成された。「述異記」
左目:太陽
右目:月
その他もろもろ
おわりに
8世紀に成立した「古事記」、「日本書紀」は当初、正しい歴史が伝えられていないと考えた天武天皇が編纂を命じたものです。
このことは、天武天皇時代に日本神話が、かなりぐちゃぐちゃになって人々の間に伝わっていることを示していると思います。
じゃなきゃ、わざわざ命じないだろうし。
この時代に、もはや何が正しいのか、何が間違っているのかは判別不能であったかもしれません。
そもそも実際の歴史ではなく、神話ですから。
仏教をはじめとする中国文化の影響をもろに受けた古代日本において、日本神話も中国神話の影響も受けていたかもしれないと考えさせられます。