日本の神様 日本神話
【天津日高日子番能邇邇芸命の結婚】
日本神話の中で様々な神様が登場し、活躍する舞台も変わってきましたが、ここからは現在の我々が住む地上世界が舞台の中心になっていきます。
須佐之男命(別称:素戔嗚命 スサノオ)、大国主命(オオクニヌシ)が一生懸命繁栄させた地上世界の葦原中国も、ついには天上世界、高天原の神々に譲り渡すこと「国譲り」になり、天照大御神(アマテラス)の孫である天津日高日子番能邇邇芸命(別称:天津彦火瓊瓊杵尊 アマツヒコヒコホニニギ 以下ニニギ)が高千穂(九州の日向)に降臨「天孫降臨」しました。
ニニギは降臨した地を気に入り、「ここは韓の国(朝鮮半島)に向き合い、笠沙の岬にもつながっている。朝日がまっすぐ海から昇り、夕日が輝く素晴らしい国である」と語り、ここに立派な宮を建てて住みました。
今回は、血なまぐさいドタバタ劇から一転して、その後のニニギの結婚について説明します。
天津日高日子番能邇邇芸命の結婚
ニニギはある時、笠沙の岬で木花之佐久夜毘売(別称:木花開耶姫 コノハナサクヤビメ)と出会い求婚します。
神速でプロポーズ
山の神でコノハナサクヤビメの父、大山津見神(別称:大山祇命、酒解神 オオヤマツミ)はたいそう喜び、おまけに姉の石長比売(別称:磐長姫 イワナガヒメ)も一緒にニニギに差し出します。
姉イワナガの心境って・・・
しかし、イワナガヒメは顔が醜いため、ニニギは送り返してしまいます。
ブサイクいらねー
父、オオヤマツミは、その無礼に激怒。
そりゃ怒りますよ。でもホントに怒りたいのはイワナガ。
オオヤマツミは「イワナガヒメを傍に置いておけば、命は岩のように長く永遠だったのに。コノハナサクヤビメだけでは花が咲くように繁栄しますが儚いものになるでしょう。」と言い、ここからニニギとその子孫たちは寿命が生まれ永遠の命ではなくなりました。
親も認めてたんかい。妹の方がカワイイって。
結婚したコノハナサクヤビメは、一夜にして妊娠します。
神速ベビー
ニニギは、「一夜限りで身籠るはずがない。誰か国津神の子ではないか」と信じませんでした。
まさかの不認知。
怒ったコノハナサクヤビメは、「天津神の子ならば、無事生まれるはず」と言って、燃え盛る火の中で出産を決意し3人の子を出産しました。
鬼嫁の勢いにさすがに認知。
天津神と国津神の違いについてはこちら↓
おわりに
オオヤマツミの周りって時代とかで考えるとすごく複雑です。
オオヤマツミの親神は伊邪那岐命(イザナギ)、伊邪那美命(イザナミ)ですから、神話初期に産まれた神様といえます。
娘コノハナサクヤビメは前述のとおりニニギの妻になりますが、他にも足名椎命(アシナヅチ)という子供がいて、さらにその娘は櫛名田比売命(別称:稲田姫命 クシナダヒメ)。
孫にあたるクシナダヒメは、スサノオの妻となった神様です。
さらにオオヤマツミには、まだ娘がいて神大市姫命(別称:大市比売命 カミオオイチヒメ)といいますが、この神様もスサノオの妻となって、大年神(オオトシ)、宇迦之御魂神(ウカノミタマ)が産まれています。
スサノオ、クシナダヒメ、カミオオイチヒメの話は、時間の概念を考えるとニニギやコノハナサクヤビメよりずっと前の話なので、オオヤマツミってどんだけ長生きなんだと思ってしまいます。
でも、そもそも神様に寿命もなにもあったもんじゃないのか。
娘の長生きの神様イワナガヒメを、嫁にやらずにずっと傍においていたから長生きなのかも。
須佐之男命と櫛名田比売命、神大市姫命について↓