日本の神様 日本神話
【天孫降臨】
雷神、建御雷之男神(別称:建御雷神、武甕槌神、武甕雷男神、建布都神 タケノミカヅチノオ)の活躍によって、大国主命(オオクニヌシ)の治める葦原中国は天津神によって平定されると、高天原の天照大御神(アマテラス)と造化三神の一柱、高御産巣日神(タカミムスヒ)は当初の予定通り、正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命(マサカアカツカチハヤヒアメノオシホミミ / 天之忍穂耳命 アメノオシホミミ)を葦原中国に遣わせようとします。
しかし当の本人、アメノオシホミミは自分で行こうとはせずに、代わりに産まれたばかりの我が子、天津日高日子番能邇邇芸命(別称:天津彦火瓊瓊杵尊 アマツヒコヒコホニニギ 以下ニニギ)を遣わせようとします。こうしてアマテラスは、孫のニニギを降臨させることに決めました。これが今回紹介する「天孫降臨」です。
天孫降臨と猿田彦命
ニニギはアマテラスから、八咫鏡(ヤタノカガミ)、八尺瓊勾玉(ヤサカニノマガタマ)、草薙の剣を授けられ、葦原中国(地上)へ向かおうとすると見知らぬ神が待ち構えていました。
これが国津神の猿田毘古神(別称:猿田彦命 サルタヒコ)です。
その容姿はあまりに異様で、背の丈7尺(約2m)、鼻の長さ7咫(約120cm)、口と尻は明るく光り、目が八咫鏡のように大きく、ホオズキのように赤く光り輝いていました。
バランスが異常
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怪しさ抜群のサルタヒコを、当然ニニギ一行は警戒します。
鼻長すぎるもん
ニニギに同行していた天宇受売命(別称:天鈿女命 アメノウズメ)が、素性を問いただすよう命じられてサルタヒコと対峙します。
そこでアメノウズメは、乳房を露にして、衣を陰部まで押し下げた姿で、サルタヒコに向かって「お前は何者だ?」と問います。
いやいや、お前が何者だよ
そこでサルタヒコは名を名乗り、天の神の子の道案内をするためやってきましたと答えました。
いいやつじゃん
これが縁で、のちにサルタヒコとアメノウズメは結婚。サルタヒコに故郷の伊勢国に住み、アメノウズメは宮廷祭祀の鎮魂際や大嘗祭などに関わる猿女君の祖神になります。
痴女と野獣のカップル
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そして、ニニギは竺紫(筑紫)に日向の高千穂の久士布流多気(クジフルタキ)についに降り立ちます。
隋伴神
ニニギの降臨にはアメノウズメのほか、天岩戸事に活躍したたくさんの神様、高天原オールスターズが一緒についていきます。
天宇受売命(別称:天鈿女命 アメノウズメ)
思金神(別称:思兼神 オモヒカネ)
天兒屋命(別称:天児屋根命 アメノコヤネ)
天太玉命(別称:布刀玉命 アメノフトダマ)
伊斯許理度売命(イシコリドメ)
玉祖命(タマノオヤノミコト)
天手力男命(別称:天之手力男命 アメノタヂカラオ)
天岩戸別神(別称:天石門別命、櫛石窓命 アメノイワトワケ)
登由宇気神(トユウケ 豊宇気毘売命、豊受大御神と同神か)
天忍日命(別称:天押日命 アメノオシヒ)
天津久米命(アマツクメ)
それぞれの役割が、細かすぎで紹介しづらいので省略。またの機会で。
天岩戸事件での各神様の活躍↓
おわりに
オオクニヌシの国譲りから、ニニギと高天原オールスターズの天孫降臨によって、葦原中国は高天原の神様系統の支配下に置かれるわけですが、これを出雲を支配下に置いたヤマト王権の征服の歴史と捉えると、いかにヤマト王権が苦戦しながら出雲を平定していったかの苦労が伺えます。
また、負けた出雲側の神様を記録から抹殺できないほど、大衆に根強い信仰があったかがわかると思います。