日本の神様 日本神話
【伊邪那美の汚物から生まれた神】
記紀神話では、伊邪那岐命(イザナギ)、伊邪那美命(イザナミ)は実にたくさんの神様を産んでいます。
イザナギの産んだ代表的な神様としては、三貴子である伊勢神宮の内宮に祀られる太陽神の天照大御神(アマテラス)、夜の神様の月讀命(ツクヨミ)、暴れん坊で地上世界の英雄の須佐之男命(スサノオ)ですが、イザナミはどんな神様を産んでいるのでしょうか。
今回は、イザナミの死から産まれた神様を紹介したいと思います。
伊邪那美命の死
イザナミは、火の神様である火之迦具土神(カグツチ)を産んだ際、陰部を火傷して重体になってしまいます。
うわっ
その時、あまりの苦しみから嘔吐し、その嘔吐物から産まれたのが鉱山の神様である金山毘古神(カナヤマビコ)と金山毘売神(カナヤマビメ)です。
さらに苦痛は続き、イザナミが排泄した糞から産まれたのは、土の神である波邇夜須毘古神(ハニヤスビコ)と波邇夜須毘売神(ハニヤスビメ)であり、尿から産まれたのが、弥都波能売神(ミヅハノメ)と和久産巣日神(ワクムスヒ)です。
イザナミは、結局死に至ってしまいますが、怒った夫イザナギは、十拳剣(トツカノツルギ 十握りほどの長さを持つ剣)を抜いて、カグツチの首を刎ねて殺してしまいます。
エグイ・・・
出典:http://myheros.doorblog.jp/
そうするとさらに、その剣から飛び散った血と死体からも神様は産まれました。
剣の鍔についた血からは甕速日神(ミカハヤヒ)、桶速日神(ヒハヤヒ)、建御雷之男神(別称:武甕槌命 タケノミカヅチオ)が産まれ、剣の柄からは闇龗神(クラオカミ)と闇罔象神(クラミツハ)が産まれます。
ちなみに、血から産まれたタケノミカヅチオは、「国譲り」や「神武東征」の際に活躍し、日本神話の中で最強の武神、剣神、雷神として鹿島神宮や春日大社で祀られています。
カッコイイィィ
さて、黄泉国(死者の国)に行ったイザナミは、追いかけてきたイザナギに黄泉国の神様と相談する間、自分の姿を見てはいけないと約束させるも、イザナギは待ちきれずイザナミを見てしまいます。
見るなっていわれるほど見ちゃいますよね。
すると、イザナミの体は腐ってウジが湧き、雷鳴が轟いて大雷、火雷、黒雷、析雷、若雷、土雷、鳴雷、伏雷の八雷神が産まれました。
怒ったイザナミにイザナギは逃げ出して、すったもんだで禊ぎ祓いを経て三貴子誕生となります。
三貴子誕生について↓
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豊宇気毘売神(豊受大御神)
イザナミの尿から産まれた神様の和久産巣日神(ワクムスヒ)ですが、この神様は穀物の神様であって、さらにこのワクムスヒから、現在伊勢神宮の外宮に祀られる豊宇気毘売神(別称:豊受大御神 トヨウケビメ)が産まれています。
尿の子
もともと丹波国に祀られていたトヨウケビメは、伊勢神宮に祀られていたアマテラスが、雄略天皇の夢の中で「一人では食事もままならない」と訴え、アマテラスの食物の調達する役目を果たす御饌の神として伊勢に遷宮することになり、食物の神様しいては産業の神様になっていきます。
最高司令神も一人ご飯はさみしいのよ
おわりに
伊勢神宮の外宮に祀られている豊受大御神がイザナミの尿の子って・・・
まぁ糞尿は食物の肥料となるからトヨウケビメが食物の神様になってもおかしくないような気もしますが、基本イザナミの死から産まれた神様の話って、よく理解できなくて悩んでしまいます。
イザナミ、イザナギのやりとりの話があまりに人間臭いので、どうしても人間にあてはめて理解しようとしがちですけど、よく考えれば神様の話ですから人間にあてはめること自体が間違っているんですよね。
昔の人はここらへんの話は悩んだりせずに、すんなり受け入れられたのかなぁ。