西郷どん関連

大河ドラマ西郷どん(せごどん)とぅま(愛加那)の手の入れ墨(刺青・ハジチ・ハジキ)の意味とは?

投稿日:2018年5月12日 更新日:

大河ドラマ西郷どん(せごどん)
とぅま(愛加那)の入れ墨・刺青の意味

大河ドラマ西郷どんの18話「流人 菊池源吾」から登場する二階堂ふみが演じる「とぅま(愛加那)」という女性。

この「とぅま(愛加那)」はのちに西郷の妻になりますが、少し気になったのは「とぅま(愛加那)」が手にしている入れ墨(刺青)。

奄美大島独特の文化だとは思いますが、どこか東南アジアの雰囲気も持ったこの「とぅま(愛加那)」の入れ墨(刺青)について調べてみましたので、今回簡単に紹介します。

 

とぅま(愛加那)の生涯についてはこちら↓

西郷の2番目の妻・愛加那とは

愛加那と西郷のラブラブ生活

 

出典:https://www.instagram.com/

スポンサーリンク

 

 奄美大島の入れ墨(刺青)文化

そもそも奄美大島は本土よりは沖縄に近いことから、古来より琉球王国統治下にあって、本土とはまったく異なる文化がありました。

大河ドラマ西郷どん(せごどん)で登場する「とぅま(愛加那)」が手の甲にしている入れ墨(刺青/ハジチ/ハジキ)は、この琉球文化の影響を多大に受けたものでした。

琉球諸島では女性が成熟した証として、手の甲に入れ墨(ハジチ)をする風習があり、元来は処女の手に、女性のたしなみ、成人の証、魔除けとして施されたものでした。

※ハジチを漢字では「針突」と表します。

 

女性のたしなみ、成人の証として

当時の女性は16~17歳が結婚適齢期とされていました。

このためハジチは13歳ぐらいから部分的に入れ始め、16~17歳の頃に婚約したらその文様を完成させました。

原則として、22個の文様を持って完成とし、地位によって文様は様々だったようです。

13歳から入れ始めるというのは、初潮を迎えた女性を成人として祝う意味もあったのではないでしょうか。

大河ドラマ西郷どんの原作である林真理子著『西郷どん』では、「とぅま(愛加那)」は13歳の時、右手の指に一本一本にはインノヒの花びら、甲には龍眼を入れたとあります。

そして、女性は嫁ぐと左手にもハジチを入れるのが女性のたしなみであるとされています。

 

出典:http://manyu.cocolog-nifty.com/

スポンサーリンク

魔除けとして

ハジチは成人の証、結婚儀礼としての意味の他にも、魔除けの意味も持っています。

当時は、ハジチがないと死んだ時に鬼にいじめられて極楽に行けないと信じられていました。

現地にはハジチをしていないと成仏できないという歌もあり、ハジチをする前に亡くなってしまった子供の手に、死後ハジチをしたという話も残っています。

そもそもハジチが魔除けとされたのは、刺青をした手が遭難していた船を支えて難を逃れたという故事に由来しているとも言われています。

また、ハジチをしていれば本土へ連れ去られないと信じられていたとも言ったそうです。

 

ケンムンとは?西郷どん(せごどん)で「愛加那(とぅま)」が子供たちを脅かした奄美大島の妖怪ケンムンの正体
大河ドラマ西郷どん(せごどん) ケンムン 大河ドラマ西郷どん(せごどん)の第18話「流人 菊池源吾」で紹介された「ケンムン」という物の怪。 奄美大島の子供たちは、奇妙

 

まとめ

このようにハジチは「結婚儀礼」として大きな意味を持ち、さらに「宗教儀式」のような側面を持っていたことが分かります。

西郷隆盛は手紙で奄美大島の習慣が野蛮だと揶揄していますが、奄美大島の女性にとってハジチは女性の「誇り」でもあり生活の一部です。

西郷は「とぅま(愛加那)」を妻に迎えることで島の文化を受け入れることができたようですが、ハジチの習慣は明治時代に入って政府から規制がかけられました。

それでも昭和初期までは秘かに行われていたと言われています。

 

 

スポンサーリンク

大河ドラマ西郷どん(せごどん)愛加那(あいかな)二階堂ふみが演じる島妻は失意の西郷を蘇らせた菊次郎を産んだ2番目の妻
大河ドラマ西郷どん(せごどん) 愛加那(あいかな) 大河ドラマ西郷どんで、二階堂ふみが演じるのが奄美大島へ島流しされた西郷吉之助(隆盛)を懸命に支えた2番目の妻・愛加那
とぅま(愛加那)西郷どん(せごどん)で二階堂ふみが演じる奄美大島の島妻とのなれそめ、二人のラブラブ生活とは?
大河ドラマ西郷どん(せごどん) とぅま(愛加那) 大河ドラマ西郷どん(せごどん)で、二階堂ふみが演じるのが「とぅま」という奄美大島の女性。 この「とぅま」は、のちに西
富堅(とみけん)西郷どん(せごどん)で「とぅま(愛加那)」の結婚に猛反対した妹思いの優しい兄は原作では別人のような男
大河ドラマ西郷どん(せごどん) 富堅(とみけん) 大河ドラマ西郷どん(せごどん)の第18話「流人 菊池源吾」から奄美大島編がスタートし、物語の最重要人物である「とぅま(
大河ドラマ西郷どん(せごどん)とぅま(愛加那)の手の入れ墨(刺青・ハジチ・ハジキ)の意味とは?
大河ドラマ西郷どん(せごどん) とぅま(愛加那)の入れ墨・刺青の意味 大河ドラマ西郷どんの18話「流人 菊池源吾」から登場する二階堂ふみが演じる「とぅま(愛加那)」とい
ユタと里千代金(さとちよかね)【西郷どん(せごどん)】歌手・里アンナが演じる実在しないオリジナルキャラクターたち
大河ドラマ西郷どん(せごどん) ユタ・里千代金(さとちよかね) 大河ドラマ西郷どん(せごどん)の第18話「流人 菊池源吾」から奄美大島編がスタートし、魅力的で神秘的な女
木場伝内(こばでんない)と田中雄之介【西郷どん(せごどん)】奄美大島の島人を苦しめる薩摩藩士たち
大河ドラマ西郷どん(せごどん) 木場伝内(こばでんない)と田中雄之介 大河ドラマ西郷どん(せごどん)の第18話「流人 菊池源吾」から奄美大島編がスタートし、西郷吉之助と
【西郷菊次郎】せごどんで愛加那(とぅま)との間に生まれた西郷隆盛の子供のその後とは?
大河ドラマ西郷どん(せごどん) 西郷菊次郎 大河ドラマ西郷どん(せごどん)で二階堂ふみが演じる「愛加那(とぅま)」と西郷の間に生まれた西郷菊次郎。 幸せな奄美大島での
西郷どん(せごどん)西郷菊草(大山菊草)夫のDVに苦しんだ愛加那(とぅま)と西郷隆盛の一人娘の人生とは?
大河ドラマ西郷どん(せごどん) 西郷菊草(大山菊草) 大河ドラマ西郷どん(せごどん)で二階堂ふみが演じる「愛加那(とぅま)」と西郷が別れた後に生まれるのが西郷隆盛の一人
大河ドラマ西郷どん(せごどん)【岩山糸、愛加那、須賀、於一(篤姫)】西郷隆盛を愛した妻・女達をまとめて紹介!
大河ドラマ西郷どん(せごどん) 【岩山糸、愛加那、須賀、於一(篤姫)】 西郷隆盛を愛した妻・女達をまとめて紹介! 大河ドラマ西郷どん(せごどん)で数多く登場する魅力的
西郷どん(せごどん)奄美大島編裏話:西郷と愛加那の離島生活中に動いた日本の歴史を紹介!
大河ドラマ西郷どん(せごどん) 本編裏話① 西郷と愛加那の奄美大島生活中に動いた日本の歴史を紹介! 大河ドラマ西郷どん(せごどん)の第17話で月照と心中をはかった西郷

スポンサーリンク

 

-西郷どん関連

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

【小河一敏(おごうかずとし)】西郷どん(せごどん)で吉之助が下関で出会った豊後岡藩の尊王志士の生涯とは

大河ドラマ西郷どん(せごどん) 小河一敏(おごうかずとし) 大河ドラマ西郷どん(せごどん)の第22話「偉大な兄 地ごろな弟」で、西郷吉之助は「国父」島津久光によって、下関で薩摩本隊を待つように命じられ …

大河ドラマ西郷どん(せごどん)島津茂久(忠義)斉彬の死後、藩主となるも実権は斉興、久光に握られた今上天皇の曽祖父

大河ドラマ西郷どん(せごどん) 島津茂久 大河ドラマ西郷どんで、島津斉彬亡き後に薩摩藩主になる島津久光の子・島津茂久。 父・久光を差し置いて、茂久が藩主に就任したのは、斉彬の遺言があったからですが、実 …

西郷寅太郎のその後|西郷どん(せごどん)糸が産んだ西郷隆盛の子、嫡男・寅太郎の生涯とは?

大河ドラマ西郷どん(せごどん) 西郷寅太郎 大河ドラマ西郷どん(せごどん)では、西郷吉之助と糸との間には3人の男子が生まれます。その中で吉之助の嫡男として生まれるのが「西郷寅太郎」。 佳境に入った西郷 …

西郷園(その)西郷どん(せごどん)で柏木由紀が演じる吉二郎の妻とは?脚色された実在する西郷園の生涯

大河ドラマ西郷どん(せごどん) 西郷園(その) 大河ドラマ西郷どん(せごどん)の第29話では、柏木由紀が演じる西郷園が、西郷家の次男・西郷吉二郎の妻として登場します。 この西郷園は、いつの間にか吉二郎 …

枕絵、春本とは?西郷どん(せごどん)で幾島は篤姫にエロ本を見せて将軍家の世継ぎを産むことこそ最大の役目と説く!

大河ドラマ西郷どん(せごどん) 枕絵・春本とは 大河ドラマ西郷どん(せごどん)で、篤姫の輿入れに対し厳しい指導を行う南野陽子が演じる幾島。 幾島は篤姫が将軍・徳川家定に嫁ぐにあたって最大の役目と考えて …