日本の神様 日本神話
【国譲り①】
葦原中国(地上世界)を大国主命(オオクニヌシ)が治めるようになり、大いに発展することになったこの国は、このまま平和なまま時代が過ぎていったわけではありません。
オオクニヌシは須佐之男命(スサノオ)の子孫であり、高天原(天上の世界)の天照大御神(アマテラス)ら天津神から見れば、格下の国津神になります。
ここでついに高天原の神々の介入が始まります。
今回は、この「国譲り」と呼ばれる神話について2回に分けて説明します。
天津神と国津神の違いについてはこちら↓
天照大御神の宣言と派遣失敗
オオクニヌシが発展させた葦原中国を、高天原から見ていたアマテラスは、突然宣言します。
「豊葦原の千秋の長五百秋の水穂の国は、正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命(マサカアカツカチハヤヒアメノオシホミミ / 天之忍穂耳命 アメノオシホミミ)が統べる国である」
簡単に言うと、「その国は私たちのものだから、わが子に渡せ」です。無茶苦茶な・・・
アマテラスの子であるアメノオシホミミは、母の宣言どおり葦原中国を治めるべく高天原から下りようとしましたが、天の浮橋から下を眺めると「葦原中国が騒がしい」と言ってすぐに高天原に引き返しました。
高所恐怖症?
そこで造化三神の一柱、高御産巣日神(タカミムスヒ)とアマテラスは、タカムスヒの子で天岩戸事件の際に活躍した思金神(別称:思兼神 オモヒカネ)と相談し、アメノオシホミミの弟である天之菩卑能命(別称:天穂日命 アメノホヒ)を派遣します。
しかし、アメノホヒは葦原中国でオオクニヌシに会うと、その秀逸ぶりに感服し使命を忘れて3年も過ごしてしまいます。
知恵の神様 思金神の天岩戸事件時の策とは?↓
派遣再失敗
次に天若日子(別称:天稚彦 アメノワカヒコ)が神聖な弓と矢の天真鹿児弓と天羽羽矢を授かって下りますが、アメノワカヒコもオオクニヌシに心酔してしまう。
オオクニヌシの器ハンパない
さらにオオクニヌシの娘の下照比売命(別称:下光比売命 シタテルヒメ / 高比売命 タカヒメ)と結婚し、オオクニヌシの後継者になる野心を抱いて8年経っても高天原に報告もしませんでした。
疑いを抱いたアマテラスは、使者を遣わしますがアメノワカヒコは、それを神聖な弓矢で射殺。
その矢はそのまま高天原まで飛んで行き殺害行為が発覚します。
高天原のタカムスヒは「本当に野心があるならこの矢が災いを与えるだろう」と言って、矢を投げ返すと寝ていたアメノワカヒコの胸を貫いてアメノワカヒコは死んでしまいます。
二指真空把!
出典:http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/
なかなか宣言通りにはいかない高天原勢。
さあ、次はついに雷神、建御雷之男神(タケノミカヅチノオ)の出番です。
つづく