平成28年度第2次補正予算 小規模事業者持続化補助金
実際に採択されやすい小規模事業者持続化補助金の書き方について、前回は経営計画書(様式2)の1.企業概要についての書き方を説明しましたが、今回は経営計画書(様式2)の2.顧客ニーズと市場の動向の顧客ニーズについて説明していきたいと思います。
まず書き始める前に注意するべき点は、これまで何度も申し上げたストーリーを重視し、自分が補助金を使ってやりたいことに結び付けていくことです。
常に補助金を使ってやりたいことを頭に置いていて下さい。
小規模事業者持続化補助金 経営計画書(様式2)2.顧客ニーズと市場の動向についてを分ける。
公募要領には「お客様(消費者、取引先双方)が求めている商品・サービスがどのようなものか、また自社の提供する商品・サービスについて、競合他社の存在や対象とする顧客層の増減など売上げを左右する環境について、過去から将来の見通しを含め書いて下さい」とあります。
「お客様~中略~どのようなものか」が顧客ニーズで、「自社の提供~中略~売上げを左右する環境」が市場動向となるわけですが、最後に「過去から将来の見通しを含め書いて下さい」とあるので、下記のようにハッキリ分けてしまっていいと思います。
2.顧客ニーズと市場の動向について
顧客ニーズ
【過去】
【現在】
【見通し】
市場の動向
【過去】
【現在】
【見通し】
以上のように区別したら、各項目に書き込んでいきます。
小規模事業者持続化補助金 経営計画書(様式2)2.顧客ニーズと市場の動向についての書き方
顧客ニーズの書き方の基本
【過去】、【現在】、【見通し】には、一つだけの文章だけでなく、年齢層、性別、職業、居住地等のお客様の種類別や、必要な理由別、交通手段、店頭来店、ネット販売等の手段別に分けて何個か書くと有効的です。
【過去】
①○○年ごろまで(10~5年前が良い)は、
②どんなお客様(年齢層、性別、職業、居住地、一見、常連等)が、
③どんな理由(わざわざあなたの店で買う理由)で、
④どんな手段(交通手段、店頭来店、ネット販売)で、
⑤何人ぐらい(年間、月間、週間)、
⑥どんな物(商品・サービス種類と単価)を、
⑦どのぐらい(金額、数量)買いにきてくれていたかを書く。
【現在】
①現在は、○○の影響(売上、顧客数、客単価が増減した原因 《例:高齢化、外国人観光客増加、健康ブーム、ネット普及、○○の物価上昇、大型店出店、近くにコンビニや大手が出店、道路の開通、創業後〇年間の営業による顧客定着、店舗移転、老朽化等》)から、【過去】から何が(②~⑦)どう変化し、どのぐらい増減しているのかを強調して説明を書く。
②そして現在はどんなお客様(年齢層、性別、職業、居住地、一見、常連等)が、
③どんな理由(わざわざあなたの店で買う理由)で、
④どんな手段(交通手段、店頭来店、ネット販売)で、
⑤何人ぐらい(年間、月間、週間)、
⑥どんな物(商品・サービス種類と単価)を、
⑦どのぐらい(金額、数量)買いにきてくれていて、
⑧どんな調査の結果(○○名の自社アンケート、〇〇名の店頭での聞き取り、意見箱、現場の従業員〇〇名の情報等)、
⑨お客様からどんな声(要望・意見)が、
⑩どのぐらい(○○名、〇〇%)あるのか。
【見通し】
①今後は、どのような根拠(過去からのグラフ推移等)から予想すると、○○の影響がどう予想され(加速するのか、緩やかになるのか、無くなるのか)、または全く違う未来の○〇の影響によって、【見通し】から何が(②~⑦)どう変化し、どのぐらい増減していくのかを強調して説明を書く。
②お客様(年齢層、性別、職業、居住地等)
③理由(わざわざあなたの店で買う理由)
④手段(交通手段、店頭来店、ネット販売)
⑤何人ぐらい(年間、月間、週間)
⑥どんな物(商品・サービス種類と単価)
⑦どのぐらい(金額、数量)
⑧これは課題かビジネスチャンスか?
・課題ならば、お客様の声(【現在】の⑨)や将来リスク(【見通し】の②~⑦)があることからも、早急に〇〇〇(補助金でやりたいこと)で課題解決して今後の経営に取り組む必要があると書く。
・ビジネスチャンスならば、お客様の声(【現在】の⑨)や事業発展の機会(【見通し】の②~⑦)があることからも、早急に〇〇〇(補助金でやりたいこと)を準備して今後の経営に取り組む必要があると感じていると書く。
そして最後にこれまで書いた文章を補足する何カ年かの図、表、グラフ(種類別の自社顧客数推移、)が作ることができれば、挿入する。
以上が基本ですが、チラシ、HPを作り、従業員を雇用することで上限100万円を申請しようとする計画書としてギリギリ採択されるかどうかの例を挙げます。
小規模事業者持続化補助金 経営計画書(様式2)2.顧客ニーズ例
下線部は補助金によって行おうとすることとその原因(気づき)を書いています。
【過去】
10年程前は、店舗周辺に住んでいる主婦が子供を預けた保育所に帰り道に、夕食の惣菜を調達するため徒歩または自転車で来店していた。平日1日40名ほどの主婦が来店し、1個30円~40円揚げ物や煮物などを中心に購入いただき、客単価800円が平均であった。
また、徒歩3分の会社2社(従業員数各30名)の従業員が平日1日20名ほど1個500円の昼お弁当の購入のための来店していた。
【現在】
安価な軽自動車が出回り、さらに郊外に大型スーパーが開店したことから、主婦は安く種類の豊富な惣菜を求めて、大型スーパーに自動車で買い物に行くスタイルに変化してきた。このため、主婦は道幅の狭い当店を敬遠し、徒歩または自転車で来店客が1日10名以下に減少した。
現在は、近隣(車で2分)にコンビニ2店舗が出店しているが、常連の会社従業員は、変らず平日1日20名ほどが来店いただいており、店頭での日常会話の中から90%のお客様から「近くて会社に戻るまでに弁当が冷めないので助かる」、80%のお客様から「昔からあって安心して利用できる」との言葉を頂いている。
【今後】
今後は、少子化から子供連れの主婦層の人口は減少していき、主婦層が主体であった当店の顧客、売上は減少していく見込みで、新規顧客の獲得は大きな課題である。
お客様の声を聞き、従業員を確保して弁当配達業務の開始と、周辺3km圏内の企業へのチラシ、HPでの新事業発信によって新規顧客の獲得していく必要があると感じている。
以上、参考になれば幸いです。
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