平成28年度第2次補正予算 小規模事業者持続化補助金
実際に採択されやすい小規模事業者持続化補助金の書き方について、前回までは経営計画書(様式2)についての書き方を説明しましたが、今回からは補助事業計画書(様式3)1.補助事業の内容について説明していきたいと思います。
では、まず1.補助事業の内容の、1.補助事業で行う事業名、2.販路開拓等の取組内容、3.業務効率化(生産性向上)の取組内容について説明していきます。
小規模事業者持続化補助金 補助事業計画書(様式3)1.補助事業の内容 1.補助事業で行う事業名の書き方
事業名ですが、30文字以内で記入することとありますので、念のため記号、句読点も含めた30文字以内で、自分が補助金を使ってやることのタイトルを簡潔に書きましょう。
審査員は、全国から申請された持続化補助金申請書類を、山ほど机の上に積まれて1個1個見ていくことになります。
人間ですので疲労や、その時の気分で審査基準に若干の狂いがあって当然です。
この計画読みたくないと思われ、適当に読み飛ばされないように、タイトルで、「おっ?」と思わせることができると非常に有利だと思います。
チラシ、HP、バリアフリー化等、全国で同じような計画を出してきそうな場合は、この30文字にもかなり力を入れたほうがいいです。
その中で補助事業を簡潔に示すことが重要です。
これまで全国で採択された事業所のタイトルだけは小規模事業者持続化補助金HPの中で公開されていますので、参考にするといいと思います。
小規模事業者持続化補助金 補助事業計画書(様式3)1.補助事業の内容 2.販路開拓等の取組内容の書き方
公募要領には「本事業で取組む販路開拓などの取組について、何をどのような方法で行うか、具体的にお書き下さい。
その際、これまでの自社・他社の取組と異なる点、創意工夫した点、特徴などを具体的にお書き下さい。」とあります。
また、加点審査の項目として、
・具体的で実現可能性があるか。
・経営計画書(様式2)4.経営方針・今後の目標とプランにある、方針、目標達成に必要なものか。
・創意工夫はあるか。
・ITを有効に活用する取組みか。
がありますので、経営方針・今後の目標とプランを意識した計画を作っていく必要があります。
「欲しい」、「やりたい」ではなく、経営計画書(様式2)で記載した課題を解決し、顧客ニーズを捉えた書き方をしないといけません。
その上で、「何を」、「どのくらい」、「どのような方法で」行うかを数値も含めて具体的に書き、これまでの取組と異なる点、創意工夫した点なども具体的に書きます。
2.販路開拓等の取組内容の例
①卸売会社主催展示会への出展
食品卸会社(○○株式会社)主催の展示会に出展し自社ブランド製品の販路拡大を行う。約300社のメーカーが集まる今年の秋冬新商品の展示会に出展し、試食をしながら、商品の良さを味わっていただく。特に、本来は廃棄処分されるところであった地元○○の「農家のこだわり○○」や他県産△△の「農家のこだわり△△」の長期保存パック製品を中心にPRする。
・来場者予定 量販店、百貨店、生協、ドラッグストアなど小売店バイヤー 各会場 約1,500名来場予定
・計画出展地域(7ヵ所)
沖縄 H○年○月○日
福岡 H○年○月○日
大阪 H○年○月予定
名古屋 H○年○月○日
東京 H○年○月予定
仙台 H○年○月○日
北海道 H○年○月○日
…必要経費:旅費、展示会等出展費
②「○○」「△△」等パック自社ブランド品チラシ作成
上記展示会での配布も含め、卸・小売会社への営業用商品チラシを作成する。特に長期保存パック製品のこだわりの原材料「○○県の○○」、「△△県の△△」や、足を使って直接農家の原材料に対する思いを聞いたストーリー性など他社にない当社の強みをアピールできるチラシとする。
・作成枚数
作成種類2種
(パック全品種チラシ1種、新商品用「○○」「△△」1種)
展示会配布予定数 2,000枚×6回=12,000枚
その他 営業時配布数 8,000枚
合計 20,000枚×2種=40,000枚
…必要経費:広報費
③自社ホームページ制作による自社ブランド品の販促活動
これまで、小売(家庭用)商品の重要度がそれほど高くなかったため、消費者を意識した販促活動に力を入れていなかった。今後の経営計画実現のため、消費者が直接インターネット等で当店の商品を検索・購入していただける窓口を整備するため、自店ホームページを制作する。
ホームページの内容は、消費者の高いニーズがある「安全、安心、国産」など食に関する志向について当店の強みをアピールする。また、ホームページからもインターネット通販にて購入ができるようにショッピングシステムを導入する。
…必要経費:広報費
小規模事業者持続化補助金 補助事業計画書(様式3)1.補助事業の内容 3.業務効率化(生産性向上)の取組内容の書き方
公募要領には、「本補助金における業務効率化(生産性向上)の取組への補助は、副次的な支援ですので、販路開拓等の取組に特化いただいて(「3.業務効率化(生産性向上)の取組内容」に記載が無くとも)全く構いません。」とあります。
以下の取組みを行わない場合は、省略しましょう。
・業務改善の専門家からの指導、助言による長時間労働の削減。
・従業員の作業導線の確保や整理スペースの導入のための店舗改装。
・新たに倉庫管理システムのソフトウェアを購入し、配送業務を効率化する。
・新たに労務管理システムのソフトウェアを購入し、人事・給与管理業務を効率化する。
・新たにPOSレジソフトウェアを購入し、売上管理業務を効率化する
・新たに経理・会計ソフトウェアを購入し、決算業務を効率化する
取組みを行う場合においても、内容を簡潔に書いて下さいとあるので、「2.販路開拓等の取組内容の具体的に書いてください」とは大きな違いがあるのがよく分かります。
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