平成28年度第2次補正予算 小規模事業者持続化補助金
実際に採択されやすい小規模事業者持続化補助金の書き方について、前回は経営計画書(様式2)の2.顧客ニーズと市場の動向についての顧客ニーズ部分の書き方を説明しましたが、今回は残りの市場の動向について説明していきたいと思います。
まず書き始める前に注意するべき点は、これまで何度も申し上げたストーリーを重視し、自分が補助金を使ってやりたいことに結び付けていくことです。
常に補助金を使ってやりたいことを頭に置いていて下さい。
小規模事業者持続化補助金 経営計画書(様式2)2.市場の動向について
前回、説明しましたが公募要領の中に「自社の提供~中略~売上げを左右する環境」が市場動向となり、最後に「過去から将来の見通しを含め書いて下さい」とあるため、下記のようにハッキリ分けています。
2.顧客ニーズと市場の動向について
顧客ニーズ
【過去】 書き方④参照
【現在】 〃
【見通し】 〃
市場の動向
【過去】
【現在】
【見通し】
以上のように区別してあるので、市場動向の項目に説明していきますが、様々なケース考えられるのでこのやり方で正解というものはありません。
でも、市場動向は非常に大きな枠で捉えますので、インターネット上で多くの情報が手に入りやすく、記載内容にそれほど困ることはないと思います。ただストーリーを重視し、自分が補助金を使ってやりたいことに結び付けていくことは忘れないで下さい。
小規模事業者持続化補助金 経営計画書(様式2)2.市場の動向についての書き方
市場の動向の書き方の基本と検索キーワード
【過去】、【現在】、【見通し】を自分の頭の中にある考えではなく、インターネット上にある図表やグラフを必ず掲載して書いて下さい。客観的データが説得力を高めます。
図表やグラフは、ネットで「○○統計」、「○○調査」、「○○推移」、「○○業 市場動向」、「○○(品目) 市場動向」などで検索するといいと思います。また「〇〇市 観光統計」、「〇〇市 人口推移」などは市町村のHPから有効に活用できると思います。
データを掲載したらそれを【過去】、【現在】、【見通し】で説明していきます。
市町村の人口、観光統計のや民間シンクタンク等の業界調査データを検索すると、過去~見通しまでの説明が丁寧に書かれている場合が多く、ほぼ丸写し状態になると思います。その中で、今回の補助金を使ってやりたいことに繋げれそうな文章にまとめて下さい。
小規模事業者持続化補助金 経営計画書(様式2)2.市場の動向例
【過去】
○○市は○○年頃、近隣都市△△市のベットタウンとして栄える一方、○○などの歴史的観光名所もあって人口は○○万人、観光客数は年間〇〇万人であった。
この頃は市内に〇つの商店街があり、自社と同業種の〇〇を営む競合先は市内に約〇店舗あって共に市民の○○〇〇を支えてきた。また自社の顧客数も○○人おり、売上高も〇百万円を記録していた。
〇〇業界全体では、ターゲットとなる〇歳代、所得〇百万円代の対象顧客が多く存在していたことから、○万円台の商品○○を中心として販売されていて業界全体の年間取扱高○○億円であった。
【現在】
少子高齢化、人口減少によって〇〇市の人口は○○万人まで減少、平成〇年には近隣の□□市に行楽施設○○〇がオープンし、観光客も年間○○万人まで減少している。一方、歴史的観光名所を好む外国人観光客数は年間〇千人と近年増加傾向にある。
郊外型商業施設、コンビニの進出によって、市内〇つあった商店街は、現在空き店舗率〇%となり、市内競合先は〇店舗まで減少。さらにネット販売の普及によって生き残り競争が激化している。この中、現在の自社顧客数は○○人となり、売上高は〇百万円まで減少した。
〇〇業界全体でも、ターゲットとなる〇歳代の対象顧客は少子高齢化により減少していることから、平成〇年を期に業界全体の年間取扱高は減少に転じた。現在では所得〇万円代の顧客層を対象に○万円台の商品○○が主に販売されており、平成〇年度の業界取扱高○○億円である。また〇万円台の安価な商品○○を販売する大型店やネット販売業者が全体の〇%を占めている。
【見通し】
外国人観光客数は今後も増加していくものと予想されるが、今後も市内の人口減少による対象顧客の減少や、安価で販売できる大型店、ネット販売業者の存在から地域密着型であった自社を含む市内事業所は厳しい状況が続くものと考えられる。
最後に市内人口データ、市内観光客データ、市内外国人観光客データ、所得層データ、競合店数の推移グラフや位置関係(自分で作成可)、競合店・大型店・ネット業者の価格帯別の商品ラインナップ表(自分で作成可)、業界全体の売上推移データや市場動向を掲載する。
最後に挿入するデータをもとに、このような文章を書くのですが、補助金使ってやりたいことに繋げたい部分をもっと詳しく記述し、逆に要らないデータや文章は削除して下さい。
①外国人観光客数に向けた商品開発やHP作成 → 外国人観光客の部分をもっと詳しく。
②地元重視のターゲット顧客変更の為、内装変更、商品開発、チラシ、HP作成 → 市内、競合店、ターゲット顧客をもっと詳しく。
③近隣□□市の行楽施設への観光客へ販路開拓するための商品開発、チラシ、HP作成 → □□市や行楽施設のことをもっと詳しく。
などなど。
書き方のもう一つの方法は、上記のような1つ(3つ)の文章にまとめずに、掲載したデータごとに一つ一つ説明していく方法があります。
その場合、私は過去、現在、見通しにかけて案外書くことなくて困ることが多いのでお勧めしませんが、データと解説がしっかりしているものが全て手に入れば、そちらの方が確実に楽です。
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