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【生麦事件】西郷どん(せごどん)島津久光の行列に割り込んだ英国人を斬り殺した大事件で薩英戦争へ!

投稿日:2018年6月14日 更新日:

大河ドラマ西郷どん(せごどん)
生麦事件

大河ドラマ西郷どん(せごどん)の第25話で薩摩藩が起こした一大事件「生麦事件」。

幕府に改革を認めさせ、意気揚々と京に戻ろうとした島津久光率いる薩摩藩は、この生麦事件をきっかけにとんでもない事態を引き起こしてしまいます。

今回は、西郷隆盛がいない中、薩摩藩存亡の危機を迎える薩英戦争の発端「生麦事件」について簡単に紹介します。

 

やっちゃった海江田武次

出典:https://www.instagram.com/

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生麦事件

文久2年(1862)、薩摩の「国父」島津久光は江戸で幕政改革を要求したあと、勅使・大原重徳とともに京都へ帰ることになりました。

そして大原重徳より1日早く出発した久光の行列は、生麦村で馬に乗った英国人4名とすれ違います。

行列の先頭にいた薩摩藩士たちは正面から来る英国人4名に対し、馬から降りて道を譲るようにジェスチャーで説明しましたが、理解できなかった英国人たちはそのまま行列の中を逆行していきました。

久光の乗っている駕籠の近くまで来ると、さすがに英国人たちも怒り狂った藩士たちの姿に「これはおかしい」と感じました。

しかし、彼らには馬から降りるという概念はなく、その場で慌てて引き返そうとバタついてしまいます。

そこに薩摩藩士・奈良原喜左衛門が突如として斬りかかりました。

驚いた英国人たちは逃げようとしましたが、その中の一人・リチャードソンは深手を負ってしまい落馬。

地面に転がったリチャードソンを見た薩摩藩士・海江田武次は「これは助かる見込みがない」と感じ、介錯のつもりでとどめをさしました。

リチャードソン以外の3人も斬りつけられていましたが、何とかその場から脱出することができました。

この事件の直前、薩摩藩は大名行列に対する外国人の『不作法』について、「少々のことには大目にみるが、目にあまる無礼があった場合はそのままにできないので、各国公使へ慎むように連絡して欲しい」と訴えていたにも関わらず、起こってしまった悲劇でした。

 

加害者「奈良原喜左衛門」とは

被害者「リチャードソン」とは

薩摩藩のお荷物?「海江田武次」とは

久光に重用された茶坊主「有村俊斎」とは

 

 

事件現場

出典:http://db.nichibun.ac.jp/

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事件の影響

事件を聞いて横浜居留する外国人の多くは、武器をとって報復を唱えました。

しかし、イギリス代理公使・ジョン・ニール中佐は戦力不足を説いて騒動を抑え、幕府と交渉による解決を望みます。

事件から2日後、ニールは「勅使の通行は連絡があったのに、なぜ島津久光の通行は知らせなかったのか」と幕府の責任を追及。

その後、イギリス側は犯人の差し出しを要求しました。

このとき、幕府は武力を背景に幕政に介入してきた島津久光を嫌い、生麦事件は「薩摩藩の幕府に対する嫌がらせ」と受け止めていました。

このため幕府内では薩摩を憎み、イギリスの報復を怖れる声だけが上がり、全く対応ができませんでした。

 

一方、久光は東海道筋の民から「さすが薩州さま」と英雄扱いされて迎えられ、京では孝明天皇から労いの言葉も頂きます。

しかし、自分たちが起こした生麦事件により朝廷が「攘夷」一色になってしまったことは、久光にとって想定外の出来事でした。

そして元々「公武合体」を進めようとしていた久光は、尊王攘夷の嵐が吹き荒れる京都に居づらくなり鹿児島に戻っていきました。

 

ニール

出典:https://ja.wikipedia.org/

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事件の解決

文久3年(1863)、ニールは生麦事件の処理として幕府に謝罪と賠償金10万ポンドを要求しました。

賠償金の支払いについて幕府は紛糾しましたが、京都から戻った将軍後見職・徳川慶喜が「拒否」を命じたため、とりあえず「延期」を通告します。

しかし、これを聞いてニールは激怒し、横浜の艦隊に戦闘準備を命じました。

すると焦った幕府の老中格・小笠原長行はすぐに横浜に赴き、独断で賠償金交付を命じて翌日には賠償金全額がイギリス公使館に輸送されました。

 

幕府との交渉を終えると、イギリスは薩摩藩に犯人の処罰と賠償金2万5千ポンドを要求するため、軍艦7隻を鹿児島湾に入港させました。

交渉が難航する中、イギリス艦が薩摩藩船を拿捕したことを発端に、イギリス艦隊はは薩摩藩から砲撃を受けて薩英戦争が始まりました。

この戦いでイギリス艦隊は薩摩藩に甚大な被害を与えましたが、自軍の損害も激しく鹿児島湾を去って戦闘は収束させます。

その後、横浜のイギリス公使館でイギリスと薩摩藩は講和に至ります。

薩摩藩は幕府から借りた2万5千ポンド(6万300両)をイギリスに支払い、犯人の処罰は「逃亡中」として何も行わずに済みました。

 

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