大河ドラマ西郷どん(せごどん)
那波列翁伝とナポレオン
大河ドラマ西郷どん(せごどん)で沖永良部島に流されている西郷吉之助。
吉之助はこの島で出会った人物・川口雪篷(かわぐちせっぽう)と共に、身分の隔たりなく島の子供たちに学問を教えていきます。
そんな中、川口雪篷が「那波列翁伝」を用いて子供たちに話したのがフランスの英雄・ナポレオンの業績で、この話は子供たちだけでなく、吉之助にも影響を与えることになりました。
この記事では、川口雪篷が持っていたナポレオンの伝記「那波列翁伝」と、吉之助が「革命」に目覚めることになった「ナポレオン」の生涯について超々簡単に紹介します。
那波列翁伝(ナポレオンでん)
那波列翁伝は、フランスの軍人であるナポレオン・ボナパルトの伝記書。
オランダのリンデンが著した原書を、江戸時代後期の医者・蘭学者の小関三英(1787~1839)が訳した。
ナポレオンが生まれたコルシカ島に根付く宿命的な支配権との戦いや、島民の独立運動を通じて成長していくナポレオンの成功過程が描かれている。
ナポレオン(1769~1821)
ナポレオン・ボナパルトはコルシカ島生まれのフランスの軍人。
貧乏貴族の息子にすぎなかったナポレオンは、フランス革命に参加して卓越した統率力を発揮。
周辺各国の干渉を食い止め、革命後のフランスをまとめあげたナポレオンは、国民投票で圧倒的な投票を得て皇帝となりました。
そして皇帝ナポレオンは、ヨーロッパ各国を制圧して各地に自由と平等の精神を広げていきます。
しかし、皇帝ナポレオンは征服した国には親族を送りこんで、血縁による専制君主的な統治を行っていました。
これにヨーロッパ各地の民衆は反発し、民族独立運動が多発。
フランス軍は反乱を抑えるため各地に出兵しますが、モスクワ遠征の失敗によって勢いを失い、逆に反ナポレオン勢力が増大していきます。
そしてライプチヒの戦いでの敗戦したナポレオンは、パリを占領されてエルバ島に島流しにされました。
その後、エルバ島を脱出して皇帝に復位するものの、ワーテルローの戦いで完敗。
ナポレオンは監禁されたセントヘレナ島で死去しました。
古い時代を壊し、新しい時代を創造したナポレオンは、皇帝となって絶対君主制的な政治をしたにもかかわらず、ヨーロッパに与えたのは自由と平等のフランス革命の精神を広めていました。
ナポレオンの死後、ヨーロッパの各国は絶対君主制を復活させようと試みますが、ナポレオンによって広げられた自由と平等の精神はこれに抵抗し、弾圧にも決して屈することはありませんでした。