大河ドラマ(せごどん)
ドンザとは
大河ドラマ西郷どん(せごどん)の第6話で登場する、劇団ひとりが演じるジョン・マン(ジョン・万次郎)は、母親(中浜汐)に会うためにアメリカから危険を冒して日本に帰ってきました。
ジョン・マンの本名は「万次郎」。土佐で漁師をしていた14歳の頃、遭難してアメリカの捕鯨船に助けられています。
大河ドラマで帰国したジョン・マンを調査した薩摩藩は、土佐の中浜汐から「ドンザ」を送ってもらっています。
そしてジョン・マンは、薩摩藩から手渡されたこの「ドンザ」を抱き締めて、さらに望郷の念にかられることになりました。
今回は、ジョン・マンが土佐と母を思い出した「ドンザ」について簡単に紹介します。
出典:http://www.umihaku.com/
ドンザ
「ドンザ」とは、昭和30~40年代頃までにみられた衣服で、海辺で漁をする村々で仕事着として着用された丈夫な着物の呼び名である。
全国的にも「ドンザ」は漁師の着物、衣装を指すことが多いが、農山間部にも「ドンザ」という言葉が残っている地域があり、形も地域ごとに少しづつ違いがある。
女性が丁寧に刺し子(刺繍)を施し、漁村を象徴する着物だった「ドンザ」は多くの場合、持ち主の男性とともに葬られる運命にあり、現存するものが少ない。
美しく刺された「ドンザ」は漁師たちの自慢であり、危険と背中合わせの漁業の中で「漁師の粋」を見せるものだった。
漁師たちは、褌(ふんどし)姿で漁を行っていたが、寒い時期には「ドンザ」を着ることが多かった。
また、分厚く重ね刺しされた布が日光を遮るため、夏でも着用することがあったという。
「ドンザ」には腰までの短いものと、膝下まである長いものがあり、短いものは操業中に着用し、長いものは漁場への行き帰りなどの移動の際に着たり、船中に泊まる際に着るものだった。
漁がない時期にも普段着として着ることも多く、村の寄り合いや、祭りのときに着用するなど、晴れ着のような意味も持っていた。
きれいに刺された「ドンザ」はカッコいいと言われたため、より緻密な刺繍が施されて、仕事着としては役に立たないような「ドンザ」も多くあったという。