大河ドラマ「麒麟がくる」
第15話「道三、わが父に非ず」
あらすじ【ネタバレ注意】
前回、婿の織田信長との対面を終えた斎藤利政が仏門に入り、ついに正式に『斎藤道三』が誕生!これと同時に斎藤家の家督は嫡男・高政(義龍)に譲られたが、もともと高政は織田家と仲良くする気がない人物。なぜ、信長を評価していた道三はすんなり高政に斎藤家を任せたのか?一方、帰蝶は高政が斎藤家のトップとなったことに危機感を抱き、明智家を利用して高政を引きづり下ろす計画を立てる。その時、光秀はどう動くのか?それでは斎藤道三の戦乱の世に対する考え方がよく分かる大河ドラマ「麒麟がくる」の第15話あらすじネタバレをどうぞ!
前回 大河ドラマ「麒麟がくる」第15話のあらすじ
大河ドラマ「麒麟がくる」第15話あらすじ
家督継承と道三の持論
天文23年(1554)春、斎藤利政は仏門に入って「道三」を名乗り、家督を嫡男・斎藤高政(のちの義龍)に譲った。
道三は新しい世を作るのは新しい血だとして、高政の声を自分の声だと思い従うよう家臣らに命じた。
この2カ月後、光秀が明智光安に呼ばれて明智城に行くと、そこには光安、左馬之助の前に道三の次男・孫四郎と斎藤家の家臣たちが緊張した面持ちで座っていた。
孫四郎は家督継承に不満があり、帰蝶の差し金で明智城にやってきたのだという。
帰蝶は織田信長を嫌う高政が家督を継げば、美濃と尾張は戦に発展すると思い、孫四郎に明智家と相談して美濃の進むべき道を探せと命じていたのだ。
しかし、よくよく聞けば道三は、高政が信長と敵対する可能性があることは承知の上で「譲ってみて初めて見えるものがある」と言って、行方を見守るつもりらしい。
高政はこの2カ月の間に織田彦五郎(信友)と密談を重ね、岩倉城の織田信安とも接触していたが、孫四郎はそんな高政には退いてもらおうと考えていた。
そして光秀は孫四郎から高政排斥の先陣を明智家に切ってもらいたいと要請されたが、これを即座に断り、光安もこれに同意した。
道三が熟慮して家督を譲り、さらにまだ2カ月しか経っていないのに高政の力量の判断などできないからだ。
光秀の言葉を聞いた孫四郎は「明智家はもっと大きな目で美濃の行く末を案じていると思った」と吐き捨て、城を去っていった。
2日後、光秀は稲葉山城の高政に呼び出され、孫四郎が明智城へ行った話を持ち出した。
高政は、孫四郎が何を話し、黒幕は帰蝶で、光秀には軽くあしらわれたことまで知っていた。
そして高政は道三が孫四郎を甘やかし、信長を持ち上げるからこうなったと嘆いていた。
また、帰蝶にしろ信長にしろ、未だに斎藤家の家督継承についてなんの文もよこしていなかった。
高政は黒幕に帰蝶がいても光秀が自分の味方であることを確認すると、尾張に行って帰蝶に釘を刺してきてほしいと頼んだ。
これ以上、孫四郎に近づけばこちらも相応の覚悟があることを伝えようとしていたのだ。
数日後、思い悩んだ光秀は道三に会うと、すでに高政とのやりとりを知っていた。
それならばと光秀は「今回の家督継承は高政の考えを認めて行ったことなのか、信長との関係をどうするつもりだったのか、それとも高政の技量がなければ再び自分が政治を行おうとしているのか、すすむべき道筋がはっきりと決まってるのか」などと矢継ぎ早に質問した。
すると道三は「そもそも道筋などというもはなく、自分も定まった道を歩いてきたわけではない。ただ無我夢中で乱世を渡ってきた。高政もそうするほかないのだ。力があれば生き残り、力が無ければ道は途切れる。帰蝶も信長も孫四郎も同じこと」と持論を展開した。
そして「信長が負けるようなら、高政とて食い扶持ぐらいは用意するだろうから帰蝶は美濃に帰ってくればよい。ただ信長は負けないと思うぞ」と付け加え、ニヤリと笑った。
信長の飛躍
一方、尾張では清須にあった尾張守護・斯波義統の館に兵が乱入し、織田彦五郎の家老・坂井大膳の手の者が義統を殺害した。
義統の嫡男・義銀は難を逃れ、信長の元に駆け込むと、信長は必ず清須攻めの先陣を切ってみせると豪語し、義銀を喜ばせた。
しかし、信長は清須城攻略の糸口が見つけられないでいたため、帰蝶は信長の叔父・織田信光と密談して織田彦五郎暗殺の計画を立てた。
そして信光は織田彦五郎に味方すると見せかけ、招かれた城内で不意をついて織田彦五郎を殺害することに成功した。
主を失った清須城はその後簡単に落ち、岩倉城を残して反信長勢力は一掃されることとなった。
周辺国に衝撃を与えたこの事件に、道三は「自分の目に狂いがなかった」と喜び、孫四郎は「気の利かない兄に代わって」と祝いの名馬を帰蝶に送った。
この状況に危機感を覚えた高政の側近・稲葉良通(のちの一鉄)は「このままでは孫四郎が信長の支援を受けて稲葉山城を取りにくるかもしれない。国衆の中には道三の正室の子は孫四郎であり、高政は所詮は側室の子であるとハッキリ公言する者もおり、道三の考え一つで全てはひっくり返る恐れがある」と高政に忠告するのであった。
駿河では清須城に信長が入った報を受け、太原雪斎は望月東庵の治療を受けながら対応を検討していた。
駒は藤吉郎からつきまとわれており、菊丸に注意されてもやめようとしなかった。
そして藤吉郎は「最近は今川より織田の方が評判がいいので、一緒に尾張に行かないか?」と駒を誘うのであった。