大河ドラマ「麒麟がくる」
第10話「ひとりぼっちの若君」
あらすじ【ネタバレ注意】
この回では今川義元の侵攻が始まり、織田信秀の長男・信広が人質に取られてしまう事件が発生。信秀は信広救出のため、織田側で預かっていた竹千代(のちの徳川家康)との人質交換を画策する。この状況に斎藤利政(道三)は帰蝶を通じて織田家の情報を得ようとし、またしても明智光秀を尾張に派遣。また、この回ではこれまで謎だらけだった駒の謎も少しづつ明らかになり始めていくことに。それでは大河ドラマ「麒麟がくる」第10話あらすじネタバレを見てみましょう!
前回 大河ドラマ「麒麟がくる」第9話のあらすじ
大河ドラマ「麒麟がくる」第10話あらすじ
駒の過去
天文18年(1549)夏、明智光秀が妻木城内で妻木煕子と対面していた頃、京にいた駒は旅芸人の一座が奏でる音に誘われ、懐かしそうに見物に出かけた。
そこで駒は綱渡りがやりたいと申し出ると、見事に渡りきって一同を驚かせる。
望月東庵もその姿を見守っていると、一座の主である伊呂波太夫が声をかけてきた。
「すっかり見違えました」
太夫を見つけた駒も駆け寄ってきて、3人は5年ぶりの再会を喜び合った。
東庵の家に太夫がやってくると、一座の話になり、東は常陸から西は薩摩までを巡業していたという。
すると次は美濃の話になり、不意に太夫は「明智光秀」の名を口にした。
太夫によると、自分を贔屓にしてくれている松永久秀が「美濃には明智光秀という立派な家臣がいる」と言っていたという。
「光秀」の名が出ただけで駒は驚き、顔を赤らめて放心状態になった。
その一方で、東庵は京を牛耳る松永久秀と関係を持つ太夫の人脈に驚いていた。
その後、太夫は団子屋で駒が最近元気がない理由を聞いた。
すると駒は「好きなお方が遠くに・・」と切ない顔をする。
恋愛相談ののちに二人は過去の思い出話になり、駒は幼い時自分を火事から救ってくれたのは美濃の侍であったことが分かったことを話した。
すると太夫は、その侍は『桔梗の紋』だったと母から聞いていたことを思い出した。
美濃で桔梗紋と用いているのは明智家。
驚愕の事実を知った駒は号泣し、東庵と太夫は困惑したように駒の背中を見つめていた。
人質交換の是非
天文18年(1549)秋、織田氏が三河に持つ拠点・安城城が今川軍に攻め落とされた。
この戦いで織田信秀と側室の子であり、信長の腹違いの兄であった城主の織田信広が捕らえれ、今川の人質となってしまった。
そして今川義元は人質とした信広と、織田の人質・松平竹千代との交換を信秀に迫った。
この話を聞いた斎藤利政(のちの道三)は、人質交換によって三河は今川のものとなり、いずれ美濃も今川と戦う恐れがあると考えていた。
そして利政は光秀を尾張に行かせ、帰蝶から織田家の内情を探るように命じるのであった。
一方、信秀がいる末盛城には人質交換に反対する信長がきていた。
三河の主となる竹千代を渡せば、織田家の命運にかかわるという信長。
しかし、信秀は我が子・信広を見殺しにできないと主張する。
信秀が弱気なのは病気のせいだと感じた信長は「竹千代は自分の城に留めて誰にも渡さない」と言い放ち、出ていってしまった。
すると、一部始終を見ていた土田御前が「信長は人の上に立つ器ではない。信勝こそ世継ぎにふさわしい」と進言する。
しかし信秀は、父の信定から「『物事には天が与えた順序がある』と教わった。わずかな器量の良し悪しで順序は変えられない」と言って、土田御前の意見を退けた。
光秀は尾張に入ると、熱田で菊丸が作った味噌に土産に買い、帰蝶に届けるという名目で織田の内情を探ろうと考えた。
三河出身の菊丸も今回の人質交換のことには興味津々で、竹千代にはどんな形であれ将来は三河に戻り国を治めて欲しいと願っている。
その後、光秀は味噌を帰蝶に届けたが、帰蝶はこれは口実に過ぎず、実際は利政に何か調べてこいと言われたのだと見抜いていた。
そんな時、鉄砲を手にした信長がイノシシ狩りから戻ってきた。
「誰じゃ?」
帰蝶は光秀の代わりに名を答え、美濃で鉄砲に最も詳しい者だと言うと、信長は光秀に興味を示した。
信長との対面
光秀が鉄砲に詳しいと聞いて信長は持っていた鉄砲をどこで作られたものか当ててみろと渡す。
すると、光秀は見事に鍛冶の名まで当ててみせたたため、信長は光秀を気に入り、部屋に上げてもてなすことにした。
信長は部屋に入ると光秀を以前に会ったことがあると言い出す。
光秀は一瞬躊躇したが、正直に熱田の海で会ったことを伝えると、横にいた帰蝶は自分の命令で信長を見極めに行かせたと告白。
信長は笑い、自分が魚を獲っていたのは母親に褒めてもらうためだったと話し始めた。
母親から遠ざけられていた信長の寂しそうな顔に光秀はとまどったが、その時に松平竹千代が部屋に入ってきた。
竹千代は将棋の相手をしてほしいと頼み、これを信長が断る。
すると竹千代は自分の父親・松平広忠を殺したことを気にしているから相手をしてくれないのかと迫った。
やがて信長は光秀と帰蝶を部屋から出し、竹千代の将棋の相手をし始める。
信長が人質交換に迷っていることを竹千代に伝えると、竹千代は言う。
「私はどちらでも構いません。しかし今川は敵です。敵を倒すにはまず敵を知ること。懐に潜り込んで敵を知ることです」
これを聞いて信長はニヤリと笑った。
その屋根裏では菊丸が二人のやりとりを見ていたことは誰も知らない。