大河ドラマ「麒麟がくる」
第11話「将軍の涙」
あらすじ【ネタバレ注意】
前回に今川氏に捕まってしまった織田信秀の長男・信広と、織田氏が預かっていた松平竹千代(のちの徳川家康)の人質交換がやっと成立。しかし、和睦もつかの間、すぐに今川義元は尾張への侵攻を開始して信秀は大ピンチを迎えてしまう。この織田氏のピンチに斎藤利政(道三)は救援を拒否。そこで帰蝶は明智光秀を通じて状況を打開しようとし、とんでもないムチャブリを。帰蝶に振り回される光秀の苦労が描かれる大河ドラマ「麒麟がくる」の第11話あらすじネタバレを見なされ。
前回 大河ドラマ「麒麟がくる」第10話のあらすじ
大河ドラマ「麒麟がくる」第11話あらすじ
追い込まれる織田家
天文18年(1549)冬、今川の人質になっていた織田信秀の庶子・信広と、織田の人質になっていた竹千代の人質交換が笠寺で行われた。
城を失い捕らえられたにも関わらず信広はかすり傷一つない姿に信秀は不快感を示していたが、この頃には病気が悪化して祈祷師にすがる状態になっていた。
そこで信秀は家老の平手政秀を呼び、自分が戦に出られない以上、今後も今川の動きに注視するよう命じた。
一方、8歳の竹千代は駿府で今川義元から優しい言葉をかけられていた。
しかし、豪華な食事を前に竹千代が「いつ三河に帰れますか?」と尋ねると、今川の軍師・太原雪斎が織田と今川が争う三河の状況を説明し「今川が織田を追い払うまでの辛抱」と答えた。
すると竹千代は箸で鯛の腹をグサッと刺し、低い声で「辛抱する」と誓った。
義元はそんな竹千代の行動に驚いていたが、年明けには三河への戦支度にとりかかることを表明するのであった。
天文19年(1550)夏、義元の言葉どおり、今川軍は尾張の知多半島に攻め入り、次々と織田の領地を制圧していった。
この戦況を聞いた美濃では斎藤高政(のちの義龍)を中心にして稲葉良通(のちの一鉄)ら有力国衆が集まり、織田との同盟は危ないとの意見が主流になっていった。
独断で織田を手を結んだ斎藤利政(のちの道三)は皆から責められると開き直り、逆に国衆が稲刈りで忙しいという理由で兵を出さないことに怒りをあらわにした。
しかし、そうしている間にも利政のもとには信秀の家老・平手政秀から援軍の要請依頼が届き、利政は返答に頭を悩ませていた。
そこで光秀の叔父・明智光安が「米は送るが兵は送れぬ」という案でまとめ、光秀が返答の使者として尾張に向かうことになった。
利政はこの返答に不満があれば、織田との盟約を破棄して今川と結ぶことも考えていた。
帰蝶のむちゃブリ
光秀は那古野城に着くと平手政秀と面会し、利政の意向を伝えた。
肩を落とし去っていく平手政秀を見送った帰蝶は、あまりに非情な父・利政に憤っていた。
その後、光秀を二人きりになった帰蝶は今川の脅威にさらされる織田家を捨て、美濃に戻るという考えを示した。
人質の意味も持つ帰蝶の帰国を、織田家がやすやすと許すはずもない。
光秀が返答に困っていると信長が現れ、今川には三河との国境にある刈屋城を渡し、和睦を持ち込むしかないと言う。
しかし、和議をするにしても、それなりの仲介役が必要なため、誰がその役を引き受けるのか見当もつかないでいた。
すると光秀はかつて美濃守護の土岐頼芸と頼純が争った際に将軍家の取りなしで収まったことを思い出した。
しかし、守護でもない織田家のために将軍家が動くとは思えない。
それでも帰蝶は京で将軍のそばにいる者と懇意になった光秀が動けば、将軍家を動かせるかもしれないと言い、強引に光秀を巻きこんでしまうのであった。
土岐頼芸を頼る
美濃に戻った光秀は利政にこのことを伝えたが、利政は和議の仲介役を頼むには大金がかかると言う。
帰蝶が無事に戻れば織田氏がどうなろうと構わない利政は、和議のために美濃が金を出す必要はないと光秀の意見を一蹴した。
利政からの協力が得られなかった光秀は、次に高政の元に行き、土岐頼芸との面会を頼んだ。
高政は仲の悪い父・利政の尻ぬぐいはしたくなかったが、光秀が何でも言うことを聞くというので面会をセッティングした。
光秀は頼芸に対面すると事の次第を話し、和議の取りなしを頼んだ。
しかし、当然ながら頼芸は利政のために金を出すことを渋った。
さらに頼芸は利政が自分を追い落とし、守護の座に就こうとしていると話す。
すると高政は顔色を変え、父を殺してでも頼芸を守ることを誓った。
そして高政の意気込みを買った頼芸は、光秀の申し出を承諾し、書状と金を用意するのであった。
将軍の涙
京では細川晴元が家臣の三好長慶によって追い落とされ、将軍・足利義輝も近江に落ち延びていた。
光秀は近江に向かうと、坂本の宿でバッタリ細川藤孝(のちの幽斎)と再会する。
やがて光秀は藤孝の案内で義輝に謁見すると、義輝は光秀のことを覚えていた。
義輝は光秀が以前に言った『将軍は世を平らかにする者』という言葉に心を打たれており、今世の中が乱れていることに心を痛めていた。
そして「麒麟がくる世の中にしたい」と義輝は涙を流し、織田家と今川家の和議の使者を立てることを了承してくれた。
光秀もまた義輝の思いを知り、涙を流すのであった。