土岐頼武と土岐頼芸の兄弟が守護職の座を巡って美濃を二分する争いが繰り広げていた大永4年(1524)、土岐頼純は頼武の嫡男として生まれました。

父の死去時、守護職は頼芸のものとなっていましたが、頼純は大桑城を拠点にして守護職を取り返そうと考え、頼芸とその支援者である斎藤道三と争いました。

しかし、天文5年(1536)に頼純の強力な支援者であった近江の六角定頼が頼芸方に転じると、守護代の斎藤利茂も頼芸方になってしまいました。

このため、劣勢となった頼純は天文8年(1539)に和議を結びますが、この間に斎藤道三は調略によって守護職・頼芸の力を削り、権力をに握っていきます。

そして斎藤道三は大桑城を攻略し、頼純は母の実家・朝倉氏を頼って越前へ亡命することになりました。

その後、美濃国の支配を企む斎藤道三は頼芸を尾張へ追放したため、天文13年(1544)に朝倉孝景の支援を得た頼純と、織田信秀の支援を得た頼芸は連携して南北から美濃に攻め込みました。

この戦いは名将・朝倉宗滴が総大将となった朝倉軍が斎藤軍を破って戦況を優位に進め、頼純と頼芸の両者は美濃に戻ることになります。

しかし、依然として守護職の座は頼芸のものとなっていました。

 

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天文15年(1546)、斎藤道三と朝倉孝景、頼純は「頼芸の守護職隠退」と「頼純の守護職就任」を条件に和議を結びました。

また、この和議は朝倉孝景、織田信秀、六角定頼が室町幕府に働きかけた、頼純と頼芸の和議であったともいわれています。

これにより念願の守護職についた頼純は斎藤道三の娘・帰蝶と婚姻して大桑城へ入城しますが、織田信秀を井ノ口の戦いで破って美濃の支配を盤石のものとしつつあった斎藤道三は頼純を頼芸の代わりの「操り人形」としか考えていませんでした。

そして守護となって約1年後の天文16年(1547)に頼純は24歳で急死し、斎藤道三の手にかかって殺害されたものと噂されました。

こののち斎藤道三は頼芸を再び守護職という名の「操り人形」にし、やがてこの頼芸も追放して美濃国を斎藤氏のものとしていくのです。

 

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