西郷どん関連 その後

西郷寅太郎のその後|西郷どん(せごどん)糸が産んだ西郷隆盛の子、嫡男・寅太郎の生涯とは?

投稿日:2018年8月21日 更新日:

大河ドラマ西郷どん(せごどん)
西郷寅太郎

大河ドラマ西郷どん(せごどん)では、西郷吉之助と糸との間には3人の男子が生まれます。その中で吉之助の嫡男として生まれるのが「西郷寅太郎」。

佳境に入った西郷吉之助の「倒幕」の真っ最中に生まれた西郷寅太郎は、こののちどのような人生を歩んだのでしょうか?

この記事では、天を敬い人を愛した父・西郷隆盛の名に恥じぬ最期を遂げた「西郷寅太郎」について簡単に紹介します。

ちなみに吉之助には奄美大島の愛加那が産んだ長男・菊次郎がいるため、吉之助にとっては寅太郎は次男にあたります。

 

出典:https://www.nhk.or.jp/

スポンサーリンク

 

西郷寅太郎

出生と父との別れ

西郷寅太郎は慶応2年(1866)に、西郷隆盛と糸の子として鹿児島城下の上之園通町で生まれました。

父・隆盛は奄美大島に残した島妻・愛加那との間に長男・菊次郎をもうけていましたが、正妻が産んだ子として「太郎」と名付けられました。(「寅」は生まれた干支にちなんでいる。)

維新後の明治2年(1869)、西郷隆盛が武村の屋敷を購入した頃、奄美大島から8歳の庶兄・菊次郎が引き取られました。(隆盛41歳、糸26歳、寅太郎3歳)

当時、同居していたのは、隆盛の次弟で戊辰戦争で戦死していた吉二郎の後妻・園と2人の子、三弟・従道の妻・清子、居候の川口雪篷、下男の熊吉など使用人たち。

明治10年(1877)に父・隆盛が西南戦争へと出陣した時、わずか11歳の寅太郎は支度を急ぐ父のもとをなかなか離れようとはせず、下男に無理やり抑えられて父を見送ったといいます。

これが寅太郎と隆盛の永遠の別れとなりました。

 

出典:http://www.geocities.jp/

 

スポンサーリンク

 

ドイツ留学、陸軍将校へ

その後、戦死した隆盛は新政府に背いた反逆者として扱われ、寅太郎たち一族は鹿児島で密かに暮らしていました。

しかし、明治17年(1884)に吉井友実や勝海舟等の働き掛けがあり、寅太郎は明治天皇からドイツのポツダム陸軍士官学校留学を命ぜられます。(寅太郎18歳)

寅太郎のドイツ生活は13年にも及び、その間にプロイセン陸軍少尉にまでなりました。

こののち帰国した寅太郎は、陸軍学校を経て陸軍少尉に任じられ、しばらくすると父・隆盛の功績も認められていきます。

そして明治35年(1902)、隆盛の維新の功によって寅太郎は侯爵を授かり、華族に列せられて貴族院議員に就任しました。

その後、寅太郎は東京俘虜収容所長、習志野俘虜収容所長を歴任。※俘虜=捕虜

当時の日本は捕虜になった人たちを人道的に扱っていましたが、寅太郎の習志野俘虜収容所もその例外ではなく、捕虜たちによるオーケストラや合唱団が演奏会を開き、演劇までも上演されていたといいます。

 

出典:https://ameblo.jp/

 

スポンサーリンク

 

やはり人を愛した「西郷」

大正7年(1918)、世界中でスペイン風邪(インフルエンザ)が大流行し、寅太郎の習志野俘虜収容所でも猛威をふるいました。

年が明けて大正8年(1919)1月1日、寅太郎は朝から高熱を出していましたが、医師が止めるのも聞かず、馬に乗って収容所へ向かいます。

寅太郎はこの時、年頭のあいさつとして第一次世界大戦の敗戦に沈んでいるドイツ兵を励まし、この新年がドイツ帰国の年となることを伝えようとしていました。

しかし、寅太郎はスペイン風邪から肺炎を発症して倒れ、午後4時にそのまま死去してしまいました。享年53。

ちなみに寅太郎の長男・隆幸は夭折しており、家督は次男の隆輝が継ぎましたが、隆輝には子がいなかったため、その後は寅太郎の三男・吉之助が継いでいます。

スポンサーリンク

 

西郷どん(せごどん)あらすじ

大河ドラマ西郷どん(せごどん)あらすじ・ネタバレ・感想・期待度まとめ【初回から最終回まで】
大河ドラマ「西郷どん(せごどん)」全話 あらすじ・ネタバレ・感想・期待度まとめ この記事では、2018年NHK大河ドラマ「西郷どん(せごどん)」全47話のあらすじ・

西郷どん(せごどん)記事まとめ

大河ドラマ西郷どん(せごどん)の【説明記事一覧】疑問に思った内容や人物を簡単に紹介!
大河ドラマ西郷どん(せごどん) 背景・関連記事・説明記事一覧 この記事では、大河ドラマ西郷どん(せごどん)の本編にある背景や、史実をもとに紹介した関連記事、疑問に思うワ

スポンサーリンク

 

-西郷どん関連, その後

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

大河ドラマ西郷どん(せごどん)月照 尾上菊之助が演じる怪しい尊王攘夷派の僧は西郷と共に錦江湾で入水自殺を図る

大河ドラマ西郷どん(せごどん) 月照 大河ドラマ西郷どん(せごどん)で、尾上菊之助が演じるのが少し怪しい雰囲気を漂わせる尊王攘夷派の僧・月照。 ドラマの中で、西郷吉之助(隆盛)は月照をひと目見て、その …

西郷どん48話?【最終回その後②】西郷従道、愛加那、島津久光たちはどうなった?

大河ドラマ西郷どん(せごどん)48話? 最終回その後② 【従道・愛加那・久光など】 大河ドラマ西郷どん(せごどん)は第47話で最終回を迎え、主人公・西郷隆盛はこの世を去ってしまいますが、こののちこれま …

【薩土盟約】西郷どん(せごどん)薩摩藩が武力討幕を止めた?坂本龍馬らの大政奉還論に同調した薩摩の思惑とは?

大河ドラマ西郷どん(せごどん) 薩土盟約 大河ドラマ西郷どん(せごどん)で、薩摩藩と土佐藩の間で締結される「薩土盟約」。 この盟約の前には、武力討幕を目指して西郷吉之助(隆盛)と土佐藩士・乾退助が「薩 …

大河ドラマ西郷どん(せごどん)松平忠固(ただかた)南紀派に属し井伊直弼の大老就任を援助したが条約調印の勅許を巡り対立し罷免された上田藩主

大河ドラマ西郷どん(せごどん) 松平忠固(ただかた) 大河ドラマ西郷どん(せごどん)で、一橋慶喜を次期将軍に推す「一橋派」を形成する島津斉彬、徳川斉昭、松平慶永、徳川慶勝らに対し、徳川慶福を推す「南紀 …

橋公行状記(はしこうぎょうじょうき)西郷どん(せごどん)で一橋慶喜が焼いた次期将軍推薦状

大河ドラマ西郷どん(せごどん) 橋公行状記(はしこうこうじょうき) 大河ドラマ西郷どん(せごどん)の第14話、一橋慶喜を次期将軍にするため、磯田屋で西郷吉之助は橋本左内と話し合い「橋公行状記」というも …