大河ドラマ西郷どん(せごどん)
寺田屋事件
大河ドラマ西郷どん(せごどん)の第33話では、「薩長同盟」の直後を描いていますが、冒頭から同盟の仲介に奔走していた坂本龍馬が襲われる事件が発生します。
この事件の中で、水川あさみが演じる龍馬の妻・お龍が初登場し、機転を利かせて龍馬の命を救っていますが、今回はこの坂本龍馬襲撃事件「寺田屋事件」について簡単に紹介していきたいと思います。
なお、事件の舞台となった寺田屋は、以前に有馬新七が死亡した事件も起こっており、そちらの記事は「寺田屋騒動」で。
寺田屋事件(寺田屋遭難)
慶応2年1月21日(1866年3月7日)に京の小松邸で坂本龍馬は薩摩、長州の会談を斡旋し、薩長同盟を締結させた。
この2日後、龍馬は長州藩士・三吉慎蔵と共に寺田屋に宿泊していると、深夜2時に伏見奉行・林忠交の捕り方30名に取り囲まれる。
伏見奉行の出動理由は、薩摩藩士を騙ったニセモノ不逞浪人が寺田屋に潜んでいるということだった。
外を囲む捕り方たちに風呂に入っていたお龍はいち早く気づき、半裸状態で2階へ駆け上がり龍馬たちに危機を知らせる。
「肥後守(林忠交)よりの上意」であるとして捕り方たちが寺田屋に乗り込むと、龍馬は「(正真正銘)薩摩藩士である」とシラを切るが、すぐにバレてしまった。
龍馬は捕り方たちと戦闘になると、高杉晋作からもらった拳銃で応戦し、捕り方2名を射殺、数名を殺傷させる。
しかし、捕り方も反撃し、龍馬の拳銃を刀で払おうと斬りつけ、両手の親指を負傷させた。
この怪我によって弾の装填ができなくなった龍馬は、三吉慎蔵が必死に槍で応戦する間に部屋から脱出。
お龍は裏木戸の漬物槽をどかし、龍馬は寺田屋を出て路地を走り材木屋に隠れた。
辛くも三吉慎蔵も脱出に成功し、龍馬から伏見薩摩藩邸に救援を求めるよう依頼された。
三吉慎蔵が駆け込んだ伏見薩摩藩邸は、留守居役の大山彦八(西郷隆盛の叔父)が藩士3名をつれて救出に向かい、龍馬は九死に一生を得ることができた。
寺田屋事件後
この事件は、すぐに京都の薩摩藩邸に報告が行き、西郷隆盛は伏見に軍医を派遣して龍馬の治療に当たらせ、藩邸で匿うことにした。
翌日、伏見奉行から龍馬引き渡し要求があったが伏見薩摩藩邸は拒否し、龍馬はその後、伏見から京都の藩邸に移る。
京都で西郷隆盛から鹿児島での湯治を勧められた龍馬は、大阪から船に乗って鹿児島へ向かい、薩摩領内で湯治などをしながら潜伏することになる。
この時、龍馬は妻のお龍を連れており、これが日本初の新婚旅行とされることが多いが、薩摩藩家老・小松帯刀が「最初」であって龍馬は小松に勧められただけとの説が有力である。
こののち、京に戻った龍馬は近江屋で暗殺されてしまうが、実行犯とされた京都見廻組・今井信郎は動機を「坂本龍馬が寺田屋事件で捕り方を殺害して逃走したこと」と語り、殺人・逃亡犯に対する正当な公務の執行であると主張している。
西郷どん(せごどん)あらすじ
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