大河ドラマ西郷どん(せごどん)
お龍(おりょう)の前半生
大河ドラマ西郷どん(せごどん)で登場し、西郷吉之助の革命に深く関わっていく幕末の英雄・坂本龍馬(小栗旬)。
この龍馬の側に常にいる妻のお龍さんは、水川あさみさんが演じてくれます。
やっぱり、この水川あさみさんが演じるとなると、明るく活発的で、ちょっと抜けた感じを持ったお龍として描かれるのでしょうか?
今回は、これまでも多くの有名女優さんが演じた坂本龍馬の妻・お龍(楢崎龍)の龍馬が殺されるまでの前半生について簡単におさらいしていきます。
個人的には「新選組!」のお龍が一番好きなのですが、皆さんは誰が一番好き?
龍馬暗殺後「お龍のその後」はこちら
お龍(おりょう)・楢崎龍
お龍の生い立ちと龍馬との出会い
お龍は、天保12年(1841)に医師であった楢崎家の長女として京都に生まれました。
5人兄弟のお龍の下には、妹に光枝、起美、弟に太一郎、健吉がいました。
医師の父のおかげで、お龍は裕福な生活を送っていましたが、安政の大獄が始まると父は勤王家であることから捕らえられ、間もなく病死。
楢崎家は家財道具を売って生活の足しにするなど困窮していきます。
そんな中、母が騙されて妹たちが売られそうになると、お龍は着物を売って金をつくり、大坂に赴いて男2人相手に堂々と渡り合って妹を取り返す武勇伝を残しています。
その後、お龍は旅館「扇岩」で働き、母は土佐藩出身の尊攘派志士たちの隠れ家で賄いをして生活しました。
この頃に、お龍と坂本龍馬と出会いました。
龍馬はお龍に初めて会ったとき、名前を聞いて「龍」の字が一緒だと笑ったといいます。
やがてお龍に惚れた龍馬は、お龍の母に承諾を取って妻に迎えることになりました。
新選組!のお龍(麻生久美子)と龍馬
出典:http://aso-kumiko.mato.media/
お龍と寺田屋事件
龍馬は懇意にしていた「寺田屋」のお登勢にお龍を預け、自身は各地を奔走して時代を動かしていきますが、お龍は龍馬のやっていることには全く関心がありませんでした。
ちなみに、この「寺田屋」では新選組局長・近藤勇がお龍に惚れて、櫛や簪を買って来たこともあったといいます。
慶応2年(1866)、薩長同盟が成立すると、大仕事を終えた龍馬は護衛役の長州藩士・三吉慎蔵と共に「寺田屋」に泊まろうとしました。
すると夜、「寺田屋」は多数の捕吏によって取り囲まれてしまいます。
風呂に入っていたお龍は、これにいち早く気付き、一枚羽織って半ば半裸状態で二階に駆け上がって龍馬と三吉慎蔵に危機を伝えました。
このお龍の機転により、龍馬は負傷しつつも脱出に成功。
この時、お龍は大きな石を載せた漬物槽をどかして逃げ道を作り、裏から逃がしましたが、後日、お龍がもう一度やってみると、ピクリとも動かすことができなかったといいます。
龍馬はこの寺田屋事件のことを手紙で兄・権平に報告し、お龍のことを「名は龍、今は妻です」と紹介し、姉・乙女には「お龍のおかげで助かりました」と手紙を送っています。
その後、寺田屋事件で指に重傷を負った龍馬のため、西郷隆盛は薩摩での治療を勧めました。
お龍は龍馬に同行して薩摩藩船「三国丸」で大坂を出発。
船上で龍馬から「天下が鎮まったら船で日本を巡ろうとか」と声をかけられると、お龍は「家などいりません。船があれば十分です。外国まで廻ってみたいです」と答え、龍馬は「変わった女だ」と笑ったといいます。
また、この話を聞いた西郷隆盛も「変わった女だから龍馬の命は助かった」と大笑いしたといいます。
西郷どんのお龍(水川あさみ)と龍馬
新婚旅行と龍馬の死
鹿児島に到着した龍馬とお龍は温泉療養に向かいました。
また、二人は観光で高千穂峰を登ると、同行していた田中吉兵衛が止めるのも聞かずに山頂の天の逆鉾を引き抜くイタズラもしています。
やがて傷が癒えた龍馬は、第二次長州征伐で幕府軍と戦うため長州へ向かい、お龍は長崎に預けられました。
慶応3年(1867)、龍馬は下関に亀山社中(海援隊)の拠点を置き、お龍も妹・起美と一緒に過ごすようになります。
その後も龍馬は各地を飛び回りますが、お龍は下関で残されていました。
この頃のお龍は、生意気で龍馬を威光を傘にきて、海援隊の同志たちに上から目線であったために、非常に嫌われていたといいます。
そして、この年の11月15日、龍馬は京都・近江屋で暗殺されました。
訃報は12月2日に下関に伝えられ、お龍は髪を切って仏前に添えると号泣したといいます。
のちにお龍は、龍馬が殺された夜に血だらけの龍馬が夢枕に立っていたと語っています。
龍馬伝のお龍(真木よう子)と龍馬
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