西郷どん関連

大河ドラマ西郷どん(せごどん)孝明天皇 条約調印勅許を拒否した攘夷を追求する異人嫌いの天皇の死から時代は倒幕へと向かう!

投稿日:2018年2月28日 更新日:

大河ドラマ西郷どん(せごどん)
孝明天皇

大河ドラマ西郷どん(せごどん)の第13話で、西郷吉之助は島津家と縁の深い京都の公家・近衛家で僧の月照と知り合います。

この時、吉之助は島津斉彬が月照を使って考えていた計画に驚きました。

それは、孝明天皇とも親交のある月照を通じて、帝から次の将軍を一橋慶喜にする詔を出してもらおうとするもの。

下級武士であった吉之助からすれば、天皇の名が出てくることなんて予想もしなかったでしょう。

今回は、将軍後継者問題、条約調印問題に大きな影響力を持った孝明天皇について簡単に紹介します。

 

 

出典:http://blog.jog-net.jp/

スポンサーリンク

 

 

孝明天皇

孝明天皇は、天保2年(1831年)に仁孝天皇の第四皇子として誕生し、煕宮(ひろのみや)と命名されました。

傳役には近衛忠煕が就き、天保11年(1840年)に皇太子、弘化3年(1846年)の仁孝天皇の崩御に伴って天皇に即位しました。

孝明天皇は大変な「攘夷」論者で、相次いだ外国船の来航に対する幕府の対応状況を即位後すぐに報告させています。

 

安政5年(1858年)、幕府は「日米修好通商条約」の調印勅許を得るため、老中首座の堀田正睦が上京しました。

朝廷内では、開国論を主張していた太閤・鷹司政通は開国反対へ、開国反対の立場にあった関白・九条尚忠は幕府方へ転向するなど意見は混乱。

九条尚忠は幕府に協力し「幕府へ委任」で意見をまとめましたが、開国反対88人の公卿が列参という事件を起こし、もともと攘夷論者であった孝明天皇も再考を促しました。

 

 

スポンサーリンク

 

 

その後、幕府は勅許のないまま日米修好通商条約に調印。

これを聞いた孝明天皇は怒り、譲位の意思まで示して九条尚忠ら幕府寄りの公家を焦らせます。

九条尚忠らは状況説明のため、大老・井伊直弼や御三家などを上京させようとしましたが、多忙や謹慎中などの理由をつけられ、結局上京してきたのは酒井忠義と間部詮勝だけでした。

 

一方、幕府は日露修好通商条約、日英修好通商条約を勅許がないまま調印。

不満が募った孝明天皇は、近衛忠煕、鷹司輔煕、一条忠香、三条実万に対し、自身が出した「御趣意書」を関東へ送るように命じます。

幕府と水戸藩へ出した「御趣意書」は戊午の密勅と呼ばれ、幕政の改革と攘夷の実行を命じるものでした。

この時、九条尚忠はこの勅書へ勝手に添書を付けたため、関白を辞職させられます。

 

 

スポンサーリンク

 

 

幕府から上京してきた間部詮勝は、戊午の密勅に関わった尊王攘夷派の志士、公家たちを捕縛し始め、世に言う「安政の大獄」が始まります。

その後も間部詮勝は、九条尚忠を関白に復職させて「無断調印は幕府の本意ではない」から言い訳をしながら、皇族や公卿の家臣を逮捕し続けました。

安政6年(1859年)には、幕府と九条尚忠の圧力によって近衛忠煕、鷹司輔煕、一条忠香、三条実万が処分され、孝明天皇は孤立させられます。

 

さらに幕府は公武合体を推進し、万延元年(1860年)に和宮の将軍家降嫁を計画。

これに対し孝明天皇は再三拒絶していましたが、鎖国と攘夷実行の条件を付けて承知することにしました。

しかし、幕府は具体的に鎖国、攘夷実行を約束せず、状況に応じて行うという曖昧な返事で回答。

やむなく孝明天皇は和宮降嫁を決断し、和宮も説得されて受諾し江戸城に入りました。

 

 

スポンサーリンク

 

 

文久3年(1863年)に、将軍・徳川家茂が上洛してきた際、孝明天皇は攘夷の勅命を下して実行させようとしましたが、うまくかわされて空振り。

その後は、幕府と薩長などの権力を争いに巻き込まれ、孝明天皇の権威は低下していくことになりました。

 

慶応元年(1865年)、攘夷運動が無くならないのは孝明天皇にあると考えた外国列強は、艦隊を大坂湾に侵入させて条約の勅許を要求。

孝明天皇もついに事態の深刻さを悟り、条約の勅許を出しました。

 

孝明天皇の考えが次第に攘夷から公武合体へと変わってくると、薩長などから天皇に対する批判も生まれ始めました。

そんな中、慶応2年(1867年)に孝明天皇は満35歳で崩御。

死因は天然痘と診断されましたが、他殺説もまことしやかにささやかれています。

 

 

スポンサーリンク

西郷どん(せごどん)あらすじ・ネタバレ・感想・人物紹介・各用語説明など記事をまとめにまとめました!これで「西郷どん(せごどん)」が分かる!
大河ドラマ西郷どん(せごどん) あらすじ・ネタバレ・期待度 まとめのまとめ 西郷どん(せごどん)あらすじ・ネタバレ・感想・人物紹介・各用語説明など記事をまとめにまとめ
大河ドラマ西郷どん(せごどん)あらすじ・ネタバレ・感想・期待度まとめ【初回から最終回まで】
大河ドラマ「西郷どん(せごどん)」全話 あらすじ・ネタバレ・感想・期待度まとめ この記事では、2018年NHK大河ドラマ「西郷どん(せごどん)」全47話のあらすじ・
大河ドラマ西郷どん(せごどん)の【説明記事一覧】疑問に思った内容や人物を簡単に紹介!
大河ドラマ西郷どん(せごどん) 背景・関連記事・説明記事一覧 この記事では、大河ドラマ西郷どん(せごどん)の本編にある背景や、史実をもとに紹介した関連記事、疑問に思うワ

スポンサーリンク

 

-西郷どん関連

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

【一橋慶喜の将軍後見職と松平春嶽の政事総裁職】西郷どん(せごどん)島津久光の文久の改革によって新設された役職とは?

大河ドラマ西郷どん(せごどん) 将軍後見職と政事総裁職 大河ドラマ西郷どん(せごどん)で、寺田屋騒動なで過激な尊王攘夷志士たちを処分した薩摩の「国父」島津久光は朝廷から働きを認められて調子に乗っていま …

【薩土密約】西郷どん(せごどん)乾退助が西郷吉之助と結んだ私的な密約が土佐藩を新政府の中枢に押し上げた?

大河ドラマ西郷どん(せごどん) 薩土密約 大河ドラマ西郷どん(せごどん)では、西郷吉之助は島津斉彬の遺志を引き継ぎ、日本国内での内乱を避けるべく尽力しています。 平和的な倒幕が大河ドラマの中での西郷吉 …

市来宗介|西郷どん(せごどん)前川優希が演じる市来琴の子は西郷菊次郎と信頼で結ばれた男!

大河ドラマ西郷どん(せごどん) 市来宗介 大河ドラマ西郷どん(せごどん)で前川優希が演じるのが西郷隆盛の妹である市来琴の子・市来宗介。 市来宗介は西郷隆盛たち維新に活躍した世代の子の中では年長者にあた …

大河ドラマ西郷どん【候姫(こうひめ)】ジョンの母・中浜汐を調査した島津斉彬の妹・候姫は山内容堂の養母となり土佐藩政に大きな影響を与え続ける

大河ドラマ西郷どん(せごどん) 候姫(こうひめ)とは 大河ドラマ西郷どん(せごどん)の第6話で、劇団ひとりが演じるジョン・マン(ジョン・万次郎)は、取調べの中で土佐出身の漁師であることが分かります。 …

大河ドラマ西郷どん(せごどん)奥奉公出世双六 幾島が大奥を説明するため篤姫の前で広げた人生ゲーム・奥奉公出世双六(おくぼうこうしゅっせすごろく)とは

大河ドラマ西郷どん(せごどん) 奥奉公出世双六(おくぼうこうしゅっせすごろく) 大河ドラマ西郷どん(せごどん)の第10話で、篤姫の教育係である南野陽子が演じる幾島が、大奥の身分や役職を説明するために広 …

スポンサーリンク