大河ドラマ西郷どん(せごどん)
奥奉公出世双六(おくぼうこうしゅっせすごろく)
大河ドラマ西郷どん(せごどん)の第10話で、篤姫の教育係である南野陽子が演じる幾島が、大奥の身分や役職を説明するために広げたのが「奥奉公出世双六(おくぼうこうしゅっせすごろく)」です。
幾島は、1,000人以上の女中が仕えている大奥のシステムをこの「奥奉公出世双六」を使って教え、御台所(将軍の正室)になる篤姫が女中たちになめられないように発破をかけました。
今回は、この元祖・人生ゲームともいうべき「奥奉公出世双六」について簡単に紹介します。
出典:https://www.pinterest.com.au/
奥奉公出世双六
奥奉公出世双六(おくぼうこうしゅっせすごろく)とは、大奥で働く女中たちの女性の出世をテーマとした双六。
各マスには、様々な奥仕えの身分や役職など絵とともに描かれていて、遊びながら大奥の階級や役目、システムを詳しく知ることができました。
徳川家に生まれないかぎり将軍になれない男性とは違い、女性は大奥で働くことができれば、町娘からでもあわよくば将軍の母にまでなれる可能性があり、江戸時代の女性にとって大奥はあこがれの場所でした。
江戸時代の女性たちは、この奥奉公出世双六を楽しみながらサクセスストーリーを夢見ていたことでしょう。
下記は、大奥の階級を上位から並べたものです。
①上臈御年寄(じょうろうおとしより)
御台所の御用や相談役。御台所と共に大奥に入った京の公家出身の者がなった。
②御年寄(おとしより)
大奥を事実上取り仕切った最高権力者。
③御客応答(おきゃくあしらい)
諸藩から来る女性の使いの接待役。
④中年寄(ちゅうどしより)
御年寄代理で献立のチェックと毒見役。
⑤中臈(ちゅうろう)
将軍・御台所の日常生活の世話役。家柄や器量の良い女性が選ばれ、この中から将軍に目にかなった者は側室になった。
⑥御小姓(おこしょう)
御台所のパシリ少女。
⑦御錠口(おじょうぐち)
大奥出入口の施錠役。
⑧表使(おもてづかい)
物資調達を役人に要請する役。
⑨御右筆(ごゆうひつ)
書紀、文書管理役。献上品の検査役も行う。
⑩御次(おつぎ)
道具の運搬役。掃除も行う。
⑪切手書(きってがき)
通行手形をあらためる役。
⑫呉服之間(ごふくのま)
将軍、御台所の衣装仕立て役。
⑬御坊主(おぼうず)
頭を剃っている将軍の雑用係。中高年女性が多く、羽織袴を着用し大奥の外へ行くこともある。
⑭御広座敷(おひろざしき)
大奥を来訪した女性の使いの御膳の世話役。⑧表使の下働き。
⑮御三之間(おさんのま)
居間の掃除役。
⑯御仲居(おなかい)
料理の煮炊き役。
⑰火之番(ひのばん)
大奥内の火の元を見回りと警備員役。夜勤あり。
⑱御茶之間(おちゃのま)
御台所の茶を出す役。
⑲御使番(おつかいばん)
部屋の開閉管理役。
⑳御末(おすえ)・御半下(おはした)
雑用役