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【酒井忠義(ただあき)】西郷どん(せごどん)で有馬新七、西郷信吾らが斬ろうとした京都所司代の生涯とは

投稿日:2018年6月6日 更新日:

大河ドラマ西郷どん(せごどん)
酒井忠義(さかいただあき)

大河ドラマ西郷どん(せごどん)の第22話「偉大な兄 地ごろな弟」で、西郷吉之助は京都で過激な尊王攘夷運動を起こそうとする旧友・有馬新七を探し、伏見の寺田屋でついに発見します。

そこで吉之助の腹を割って話そうという提案に有馬新七は応じ、自分たちの計画を話し始めました。

有馬新七らの計画は、京都所司代・酒井忠義を襲って諸藩の先駆けとなろうとするものでしたが、吉之助に「今ではない」と諭されて有馬新七は早まった行動をしないと誓います。

話がそれましたが、今回は有馬新七に襲われそうだった人物「京都所司代・酒井忠義(さかいただあき)」について簡単に紹介したいと思います。

 

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出典:https://www2.city.kyoto.lg.jp/

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酒井忠義(さかいただあき)

酒井忠義は、第10代若狭小浜藩主・酒井忠進の五男として生まれました。

天保5年(1834)には小浜藩酒井家の家督相続をし、藩主となると幕府の奏者番となって併せて寺社奉行も務めました。

さらに天保14年(1843年)から京の治安を守る京都所司代に命じられ、約7年間を務め上げます。

その後、江戸城にて幕政に参与し、大老・井伊直弼のもとで安政5年(1858)に再び京都所司代に命じらます。

 

この頃、幕府内では13代将軍・徳川家定の後継者を巡って、紀州藩主・徳川慶福を推す井伊直弼たち「南紀派」と、前水戸藩主・徳川斉昭の子である一橋慶喜を推す「一橋派」が対立していました。

酒井忠義は井伊直弼ら「南紀派」を支持し、京都において主に「一橋派」を形成していた者たちを弾圧していきました。

その後、井伊直弼による『安政の大獄』でも酒井忠義は京都所司代としての尊王攘夷志士たちを捕縛し、和宮降嫁などの公武合体にも尽力しました。

 

これらのことから、酒井忠義は尊王攘夷派志士たちに大いに恨まれました。

そして桜田門外の変で井伊直弼が死んだあと、幕府の権威が著しく低下すると、過激な尊皇攘夷志士たちは幕府要人の暗殺事件を繰り返します。

その中で京都に集まった過激な尊王攘夷思想を持つ薩摩藩士たちに狙われたのが酒井忠義でした。

 

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薩摩藩の権力を握っていた「国父」島津久光が兵を率いて上京した際、過激派志士たちは、久光の上洛は「尊王攘夷・倒幕」のためだと思っていました。

しかし、実は久光は「公武合体」の推進者であり、朝廷も久光に対して過激派志士たちを始末するよう依頼します。

これに憤った過激派志士たちは、京都所司代で安政の大獄にも関わった酒井忠義を襲い、その首を持って久光に奉じることで、無理矢理にでも薩摩藩の武力蜂起を促すことに決めました。

 

この過激派志士たちの計画は事前に久光の知るところなり、寺田屋において志士たちは粛清され、酒井忠義暗殺計画は失敗に終わります。

しかし、酒井忠義はこの騒ぎの原因を作ったとして文久2年(1862)に京都所司代を罷免されます。

さらに婿・酒井忠氏に家督を譲って、隠居謹慎にまで追い込まれました。

 

その後、明治元年(1868年)、酒井忠氏が鳥羽・伏見の戦いに幕府側として参戦。

酒井忠氏が新政府軍に降伏すると、酒井忠義は名代として上京し、謝罪とともに新政府軍への協力を願い出ました。

そして同年、幕府に味方する行動をとったとして酒井忠氏が隠居させられると、酒井忠義は藩主に返り咲きます。

明治維新後、小浜知藩事となった酒井忠義は明治6年(1873)に61歳で死去しました。

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