大河ドラマ西郷どん(せごどん)
やっせんぼ
大河ドラマ西郷どん(せごどん)の中で、たびたびセリフとして出てくる薩摩の言葉「やっせんぼ」。
前回の「おんな城主直虎」では、「やってみねばわからぬではないか!」が直虎の口グセでしたが、今回の「やっせんぼ」は西郷隆盛だけではなく、薩摩の人たちが皆で言ってきます。
主人公・西郷隆盛なんかは、藩主の島津斉彬、親友の大久保正助(利通)だけでなく、女性の於一(篤姫)にも言われてしまう始末。
もはや、「やっせんぼ」が副題かと言っても過言ではないぐらいw
今回は、この薩摩言葉「やっせんぼ」について少し紹介していきたいと思います。
幻魔神狐ヤッセンボー
やっせんぼ
役に立たないという「役せぬ」の言葉が、転じた語が薩摩言葉の「やっせん」。
また、会話の中で同意を求めた場合に「やっせん」と返されれば「それは駄目だ(認めない)」という意味になる。
「やっせんかったね」と言えば、「努力したけど、うまくいきませんでしたね」という意味になる。
例:こもしてやっせんじゃった(小さくて役に立たなかった)
例:こはやっせん。つくいなおしじゃ(これでは駄目です。作り直しです)
役に立たずダメダメな様子を「やっせん」といい、「やっせんぼ」といえば、ダメな子ども、意気地なし、度量が小さく弱虫な子どもを指す。
大河ドラマの中で弱音を吐いたときに「このやっせんぼが!」的なことを言われて、言われた方が奮い立つってのがおきまり行事。
武士の誇り高い薩摩隼人は「弱虫!」とか「意気地なし!」と言われることは、とても恥ずかしいこと。だからこそ、何事にもくじけない薩摩隼人の精神が養われていった。
この話で、その世代の人なら真っ先に思い出すのが映画「BACK TO THE FUTURE(バック・トゥー・ザ・フューチャー)」。
小柄なマイケル・J・フォックスが演じる主人公・マーティー・マクフライは、普段は争いごとを避けるのに「チキン野郎!」と言われると理性崩壊w、ブチギレして挑発に乗ってしまいます。
それぞれ人には絶対言われたくない一言があるもの。
薩摩の人間にとって共通するその一言が「やっせんぼ」なのかもしれません。