大河ドラマ西郷どん(せごどん)
狆(ちん)
大河ドラマ西郷どん(せごどん)で、小柳ルミ子が演じる島津斉興の側室・お由羅。
どこぞのセレブのように、常に犬を抱いて登場し、独特の雰囲気を醸し出しています。
今回は、このお由羅が抱いている犬・狆(ちん)について簡単に紹介します。
出典:http://mylittledog.seesaa.net/
狆(ちん)
狆の祖先犬は、中国から朝鮮を経て日本に渡ったチベットの小型犬と見られる。
『狆』という文字は中国にはなく日本独自のもので、狆の名称の由来は「ちいさいいぬ」が訛って「ちん」になったといわれる。
また、日本では開国後に洋犬が入ってくるまでは、姿・形に関係なく小型犬のことを狆と呼んでいた。
戦国時代から江戸時代にかけて、ポルトガル人がもたらした北京狆(ペキニーズ)が基礎となったと考えられ、日本唯一の愛玩犬種として改良・繁殖されて現在の狆になった。
「犬公方」と呼ばれた5代将軍・徳川綱吉は、江戸城で座敷犬、抱き犬として狆を飼育し、吉原の遊女も好んで狆を可愛がった。
さらに江戸時代には、狆のブリーダーも存在しており、盛んに繁殖が行われていた。
1853年に来航したペリーは、狆をアメリカに持ち帰り、同年にイギリスのビクトリア女王にも献上されたといわれる。
狆は明治に入ってからも多くの人に飼われていたが、大正時代に数が激減し、第二次世界大戦によって壊滅状態になった。
戦後に逆輸入して、再び飼われ始めることになったが、洋犬の人気に次第に押され、現在では稀な存在となっていった。