大河ドラマ西郷どん
反射炉とは
大河ドラマ西郷どん(せごどん)で、日本が欧米諸国に対抗するために島津斉彬が日本で先駆けて取り組んだ「集成館事業」。
その目玉というべきものが「反射炉」の建造です。
歴史遺産として「反射炉」の名前は知っていても、使用目的や構造まで知っている人は少ないかなと思い、今回はこの「反射炉」について簡単に調べてみました。
島津斉彬の集成館事業についてはこちらの記事で↓
萩の反射炉
出典:http://hagicity.com/blog/column/4492/
反射炉
反射炉とは、18世紀から19世紀にかけて鉄の精錬に使われた金属融解炉。
熱を発生させる燃焼室と精錬を行う炉床が別室になっており、浅いドーム状の天井や壁に燃焼室で発生した熱(熱線と燃焼ガス)を反射させ、鉄の溶解温度である1,700℃を得る構造になっている
当時は、鉄製大砲を建造するために溶解することによって衝撃に弱い「硬い鉄」の炭素の量を減らし、粘り気のある「軟らかい鉄」に変える必要があった。
このためには反射炉の装置が必要不可欠であったが、江戸時代末期は鎖国により外国の技術者を招聘することができない時代。
伊豆韮山代官の江川英龍、佐賀藩の鍋島直正などは、オランダの技術書等を参考に独自に作り始め、のちに薩摩藩、水戸藩、鳥取藩、萩藩、島原藩などが建造していった。
これら日本の反射炉で鋳造された大砲は、幕末には外国勢力への牽制や、戊辰戦争時に用いられたとも言われているが確固たる証拠はない。
諸藩で作られた反射炉に使用する耐火煉瓦の製造技術は、明治時代の洋式建築物に利用されるなど思わぬ形で日本の西洋化にも貢献していくことになる。