大河ドラマ西郷どん(せごどん)
ジョン・マン(劇団ひとり)が歌う
『ホーム・スイート・ホーム』とは
大河ドラマ西郷どん(せごどん)の第6話で登場した劇団ひとりが演じるジョン・マン(のちのジョン・万次郎)。
ジョン・マン(ジョン・万次郎)は、牢の中で西郷吉之助と出会い、色々質問されますが一切答えようとせず、悲しいメロディーの歌を口ずさんでいます。
今回は、ジョン・マン(ジョン・万次郎)が歌っている英語の民謡「ホーム・スイート・ホーム」について紹介します。
ジョン・マン(ジョン万次郎)の歌
ジョン・マン(ジョン・万次郎)が獄中で歌っていたのは「Home! Sweet Home!(ホーム・スイート・ホーム)」という歌。
1823年に作詞・作曲されて、同年初演のオペラ『Clari, Maid of Milan(ミラノの乙女)』の中で歌われた曲のです。
アメリカ人のジョン・ハワード・ペインが書いた詩から、イギリス人作曲家のヘンリー・ローリー・ビショップが曲をつけたイングランド民謡で、現在でも親しまれている名曲です。
しかし、ヘンリー・ローリー・ビショップが、この曲の構想を得たのはイタリアのシチリア民謡からだと言われています。
この「ホーム・スイート・ホーム」は「貧しくても、我が家こそは、世界中で最も楽しいところだ」と素朴な旋律に乗せて歌っています。
とても切ないような印象うけるこの歌は、どこかで聞いたことある気がします。
大河ドラマでは、ジョン・マン(ジョン・万次郎)が歌ったのは、土佐の自分の家に帰りたいという気持ちが溢れたからなのでしょう。
日本の「ホーム・スイート・ホーム」
この「ホーム・スイート・ホーム」は、アメリカではバディ・ボールデン楽団の演奏会のラスト・ナンバーとして演奏されており、日本でも里見義訳詞の唱歌『埴生の宿』として広く知られているそうです。私は知りませんでしたが。
この「ホーム・スイート・ホーム」を訳した『埴生の宿』は1889年(明治22年)に東京音楽学校が出版した『中等唱歌集』に収載されました。
その後、太平洋戦争に伴い、洋楽レコードが「敵性レコード」として廃棄が呼びかけられる中にあって、『埴生の宿』はすでに国民生活になじんでいるとされ「敵性レコード」から除外されました。
小説『ビルマの竪琴』では、日本兵と敵兵が共に歌うという象徴的なシーンでこの歌が使われ、2006年(平成18年)には日本の歌百選の一つに選ばれています。