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大山巌(弥助)西郷どん(せごどん)会津で八重に狙撃された西郷の従兄弟、日露戦争の「ボケ」担当の英雄の生涯とは

投稿日:2018年9月5日 更新日:

大河ドラマ西郷どん(せごどん)
大山巌(弥助)

大河ドラマ西郷どん(せごどん)では西郷吉之助(隆盛)の他、西郷吉二郎、西郷信吾(従道)などの西郷家の兄弟が丁寧に描かれていますが、幕末から明治に至るまで活躍した西郷家の親戚の中にはもう一人「大山巌(弥助)」という人物がいます。

この「大山巌(弥助)」は、西郷隆盛の父・吉兵衛の弟を父に持ち、西郷兄弟とは従兄弟の関係にあたる人物で、薩摩藩士として西郷隆盛の出世と共に明治政府の重要人物となっていきました。

大河ドラマ「八重の桜」では主人公・八重に足を撃ち抜かれたことで有名にはなりましたが、まだまだこの「大山巌(弥助)」はマイナーな人物。

今回は、幕末には西郷隆盛を助け、明治に入ってからは敵にまわった明治政府陸軍の雄「大山巌(弥助)」について簡単に紹介します。

 

 

大河ドラマ「八重の桜」での大山巌

出典:https://matome.naver.jp/

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大山巌(弥助)

大山巌は、天保13年(1842)に鹿児島城下、加治屋町の薩摩藩士・大山綱昌の次男として生まれた。

父は西郷吉兵衛の弟で、西郷隆盛は大山巌の従兄弟にあたる。

若い頃は薩摩藩の尊王攘夷派志士・有馬新七に影響されて過激派に属したが、文久2年(1862)の寺田屋騒動に巻き込まれて帰国謹慎処分となった。

その直後に薩英戦争が起こり、大山巌は謹慎を解かれて砲台に配属された。

大山巌はこの薩英戦争で欧米列強との軍事力の差を痛感し、戦後は幕臣・江川英龍の塾で黒田清隆らとともに砲術を学ぶこととなった。

戊辰戦争では新式銃隊を率いた大山巌は、鳥羽伏見の戦いや会津戦争などで各地を転戦。

大砲の改良も行い、大山巌が設計した砲は「弥助砲」とも呼ばれた。

会津戦争では薩摩藩二番砲兵隊長として従軍。

開戦初日、鶴ヶ城からの銃撃に苦しむ土佐藩部隊の援護に出動したが、大山巌は城内からの狙撃を受けて右足を負傷し護送された。

なお、このとき籠城していた会津軍には老兵、幼兵、負傷兵しかおらず、狙撃者は山本八重であるとも言われる。

 

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明治維新後の明治2年(1869)、渡欧して普仏戦争などを視察し、翌年から3年の間ジュネーヴに留学した。

帰国後、大山巌は相次いで発生した士族反乱を鎮圧していく。

西南戦争では政府軍の指揮官として城山に立て籠もる西郷隆盛と戦った。

大山巌はこのことを気にして、その後生涯、鹿児島に帰る事はなかった。

その後、日清戦争では陸軍大将として第2軍司令官、日露戦争では元帥陸軍大将として満州軍総司令官を務めて日本の勝利に貢献し、大山巌は東郷平八郎と並んで「陸の大山、海の東郷」と称された。

日露戦争では苦戦によって総司令部の雰囲気が殺気立ったとき、昼寝から起きてやってきた大山巌は「今日もどこかで戦がごわすか」というボケをかまし、皆の笑をさそって冷静さを取り戻させたという逸話を残している。

明治38年(1905)に凱旋帰国した大山巌は、息子の柏に総司令官として一番苦しかったことは「若い者を心配させまいとして、知っていることも知らん顔をしなければならなかった」ことを挙げ、あえて軍の中で「ボケ」を担当していたことを匂わせている。

 

出典:http://my-tsurezure-story.blogspot.com/

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以後、陸軍大臣を長期にわたって務めた大山巌は、元老として山縣有朋と並ぶ実力者となったが、政治的野心や権力欲は皆無で、総理大臣候補に推されることをひたすらに避け続けた。

また、相手がどんなにスゴイ人であろうが、凡人であろうが、大山巌は少しも差別の無い態度で接し、薩摩人であって薩摩贔屓をするでなく、自分の派閥を作ることを絶対しなかった。

大正5年(1916)、福岡県で行われた陸軍特別大演習の帰途に倒れて死去。享年75。

大山巌は国葬で送られ、参列者の中には駐日ロシア大使とは別に、ロシア大使館付武官のヤホントフ少将が大山家を訪れた。

ヤホントフはかつての敵でありながら尊敬の念で「全ロシア陸軍を代表して」との弔詞を述べ、ひときわ目立つ花輪を自ら霊前に供えたという。

 

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