西郷どん関連

伴兼之と榊原政治|西郷どん|庄内(山形)から私学校へ入り、西南戦争で散った悲劇の若者たち

投稿日:2018年10月29日 更新日:

大河ドラマ西郷どん(せごどん)
伴兼之と榊原政治

大河ドラマ西郷どん(せごどん)の第45話では、西郷隆盛が創設した「私学校」の門を叩くものが続々と現れます。

その中には東京から戻って来た薩摩士族だけでなく、東北地方からはるばるやってきた若者「伴兼之(ばんかねゆき)」と「榊原政治(さかきばらまさはる)」がいました。

伴兼之と榊原政治は「戊辰戦争」で敗れた旧庄内藩の出身で、幼い頃より敗れた藩に対する西郷の寛大な処置を聞かされ育っていました。

この記事では、遠い九州の地で命を散らせる悲劇の若者「伴兼之と榊原政治」について簡単に紹介します。

 

出典:http://www.bakusiken.com/

スポンサーリンク

 

伴兼之と榊原政治

西郷隆盛と庄内藩

伴兼之(ばんかねゆき)と榊原政治(さかきばらまさはる)は東北地方、庄内藩出身(現在の山形県)の志士でしたが、明治六年の政変後に西郷隆盛が薩摩に下野し「私学校」を創設すると、はるばる山形の地から入学するため駆けつけました。

幕末期、大政奉還がなされたあと庄内藩は西郷隆盛の江戸での挑発行動に耐えかね、薩摩藩邸を焼き討ちした経緯がありました。

このため、庄内藩は戊辰戦争で薩摩藩を中心とする新政府軍の攻撃を受けています。

しかし、西郷は戦後処理において、黒田清隆に庄内藩には領地安堵という寛大な処置を下すように命じました。

結果的に西郷の命令に反対していた長州藩・大村益次郎の工作で庄内藩は減封にはなりましたが、徹底的に叩かれた会津藩とは違い庄内藩は比較的軽い処分で済みました。

このため、庄内藩の人々は西郷に恩義を感じ、伴兼之と榊原政治のような若者たちに、その逸話を伝えていたのです。

 

スポンサーリンク

 

西南戦争へ

遠路はるばる鹿児島までやって来ただけあって伴兼之と榊原政治はとても優秀な人材で、私学校は2人の海外留学も決めていたといいます。

しかし、明治10年(1877)2月、私学校生徒による政府弾薬庫の襲撃、政府の密偵による西郷隆盛暗殺未遂事件が発生すると、血気にはやる私学校生徒が明治政府に対する反旗を翻し、西南戦争が勃発しました。

西郷隆盛や私学校校長の篠原国幹は生徒の暴発を予想し、伴兼之と榊原政治には庄内へ帰るように伝えていましたが、2人は「西郷先生に、この一身を預けております。この一大事に郷里に帰ることはできません。是非従軍させてください」と涙ながらに懇願し、従軍を許されました。

なお、西南戦争の際には他の旧庄内藩士も鹿児島に駆け付けようとしたといいます。

 

スポンサーリンク

 

敵になった兄・鱸成信と2人の戦死

西南戦争で伴兼之は熊本城攻囲軍に参加。

政府軍を迎え撃つべく田原坂へ転戦しましたが、伴兼之は熊本の植木にて戦死しました。享年20。

また、榊原政治はこの田原坂で伴兼之の亡骸を守りきったとされています。

その後、榊原政治は人吉城での戦いで重傷を負い、延岡の病院で手当てを受けましたが死亡。享年18。

鹿児島の南洲墓地にある2人の墓は、遠く離れた故郷・庄内の方向を向いて建てられました。

また、この西南戦争には伴兼之の12歳年上の兄・鱸成信(すずきなりのぶ)が政府軍の陸軍少尉として参戦していました。

田原坂では鱸たちは兄弟同士、同郷同士が血で血を洗う戦となり、鱸成信は榊原政治によって討ち取られたといいます。享年34。

 

スポンサーリンク

 

西郷どん(せごどん)あらすじ

大河ドラマ西郷どん(せごどん)あらすじ・ネタバレ・感想・期待度まとめ【初回から最終回まで】
大河ドラマ「西郷どん(せごどん)」全話 あらすじ・ネタバレ・感想・期待度まとめ この記事では、2018年NHK大河ドラマ「西郷どん(せごどん)」全47話のあらすじ・

西郷どん(せごどん)記事まとめ

大河ドラマ西郷どん(せごどん)の【説明記事一覧】疑問に思った内容や人物を簡単に紹介!
大河ドラマ西郷どん(せごどん) 背景・関連記事・説明記事一覧 この記事では、大河ドラマ西郷どん(せごどん)の本編にある背景や、史実をもとに紹介した関連記事、疑問に思うワ

スポンサーリンク

 

-西郷どん関連

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

大河ドラマ西郷どん(せごどん)薩摩藩の密貿易とは?調書広郷が島津斉興をかばい責任をかぶった薩摩藩の密貿易は明治維新の資金源

大河ドラマ西郷どん(せごどん) 薩摩藩の密貿易とは? 大河ドラマ西郷どん(せごどん)の第3話「子供は国の宝」で、父・島津斉興(鹿賀丈史)を藩主の座から引きずり降ろすべく、島津斉彬(渡辺謙)は幕府老中・ …

大河ドラマ西郷どん(せごどん)堀田正睦 開国派老中で井伊直弼の親友。将軍後継問題では一橋派に属して安政の大獄で処分された不運な男

大河ドラマ西郷どん 堀田正睦(ほったまさよし) 大河ドラマ西郷どんで、又吉先生wが演じる13代将軍・徳川家定が、アメリカ総領事のハリスと謁見した時、家定の奇行にハラハラしながら見ている堀田正睦。 この …

【酒井忠義(ただあき)】西郷どん(せごどん)で有馬新七、西郷信吾らが斬ろうとした京都所司代の生涯とは

大河ドラマ西郷どん(せごどん) 酒井忠義(さかいただあき) 大河ドラマ西郷どん(せごどん)の第22話「偉大な兄 地ごろな弟」で、西郷吉之助は京都で過激な尊王攘夷運動を起こそうとする旧友・有馬新七を探し …

大河ドラマ西郷どん(せごどん)島津重豪(しげひで)5百万両の借金を作った張本人は曾孫の斉彬に影響を与えた蘭癖大名。

大河ドラマ西郷どん(せごどん) 島津重豪(しげひで) 大河ドラマ西郷どん(せごどん)で、江戸から帰国した島津斉彬は、薩摩藩士を集めて砲術訓練を実施しようと父・斉興のもとを訪れます。 しかし、薩摩藩の財 …

【長州再征】大河ドラマ西郷どん(せごどん)幕府ボロ負け!一橋慶喜が固執した第二次長州征伐を超簡単解説

大河ドラマ西郷どん(せごどん) 長州再征 大河ドラマ西郷どん(せごどん)の第33話、一橋慶喜が頑なに主張していた長州征伐が再度始まります。 しかし、この長州再征は以前の長州征伐の時とは違い、長州は薩摩 …