西郷どん関連

五箇条の御誓文|西郷どん(せごどん)明治天皇が神に誓った政府の基本方針!のちに拡大解釈されて民選議会の設立へ

投稿日:2018年9月6日 更新日:

大河ドラマ西郷どん(せごどん)
五箇条の御誓文

大河ドラマ西郷どん(せごどん)の主人公・西郷吉之助が描いているのは「民のための日本」作り。

このために吉之助は幕府を倒すため奔走し、「大政奉還」、「王政復古の大号令」、「鳥羽伏見の戦い」などを経て、徳川慶喜を追い詰めていきます。

そして江戸城無血開城によって倒幕が大詰めになった頃、新政府では明治天皇によって「五箇条の御誓文」が下されました。

この記事では、吉之助の悲願「民のための日本」に一歩近づく、明治政府が出した基本方針「五箇条の御誓文」について簡単に紹介していきます。

 

 

出典:http://www.meijijingu.or.jp/

スポンサーリンク

 

五箇条の御誓文

五箇条の御誓文は、慶応4年3月14日(1868年4月6日)に明治天皇が神に誓約する形で公卿や諸侯などに示した政府の基本方針。

慶応4年(1868)1月に越前福井藩士・由利公正が「議事之体大意」五箇条を起案し、その後に土佐藩藩士・福岡孝弟が修正。

3月に長州藩士・木戸孝允が加筆して岩倉具視に提出された。

福岡孝弟は『天皇と諸侯が共に「会盟」する』形を提案したが、これでは天皇と諸侯が対等に扱うことになるために却下。

木戸孝允が『天皇が神前で公卿・諸侯を率いて「誓い」の言葉を述べて全員が署名する』形が採用された。

このとき、福岡案の「会盟」を「誓」に修正し、「御誓文」と呼ばれるようになった。

 

 

わしが直しました。

出典:https://www.instagram.com/

 

スポンサーリンク

 

五箇条の御誓文の内容

広く会議を興し、万機公論に決すべし

『いろんな人で会議を行って、みんなの意見で物事を決めます』

「広く会議を興し」について、のちに福岡孝弟は「平民も議会に参加できるつもりで書いたのか?」と問われ、「当時はそのつもりはなかったです」とキッパリ答えている。

しかし、この①は起草者たちの意図から離れ、民権論者によって民選議会を開設する根拠として拡大解釈されるようになった。

「万機公論」は、みんなの意見という意味。

上下心を一にして、さかんに経綸を行うべし

『身分に関係なく心をひとつにして、国のために尽くします』

「上下」は起草当初は「士民」だったが、一層意味を広くするために士民を上下に改めたという。

「経綸」とは「経済を振興する」という意味であったが、一般的には経済政策に限らず国家の政策全般を意味するものとされている。

スポンサーリンク

官武一途庶民にいたるまで、おのおのその志を遂げ、人心をして倦まざらしめんことを要す

『すべてが人が志を遂げられるような世の中にします』

「官」とは中央政府、「武」とは地方の諸侯、「一途」は一体を意味する。そもそも庶民の社会生活の充足を目的としていたが、「官武」の文言が入りその意味合いが薄れてしまった。

旧来の陋習を破り、天地の公道に基づくべし

『古い悪しき風習などの考えは捨てて、公平な人の道に基づいて行動します』

「旧来の陋習」は「打破すべき封建性」、「打破すべき閉鎖性」の意味で、「天地の公道」は普遍的な宇宙の摂理に基づく人の道を指しているもの。

『攘夷など古い考えは捨て、国際法に準じて開国しよう』というようなの意味でも使われた。

智識を世界に求め、大いに皇基を振起すべし

『世界から学んで知識を吸収し、日本国の基礎に役立てます』

「皇基」とは「天皇が国を治める基礎」という意味。

 

スポンサーリンク

 

その後の五箇条の御誓文

慶応4年(1868)に明治新政府の政治体制を定めた政体書では、冒頭で「御誓文を以て目的とする」と掲げられ、御誓文の五箇条全文を引用した。

しかし、その後に廃藩置県など中央集権化が確立していくと、御誓文の存在意義が薄れていった。

明治5年(1872)、岩倉使節団のワシントン滞在中、御誓文の話題になった時には木戸孝允もその存在を忘れていたという。

 

 

木戸のあんちゃんはWAKEも忘れてます!

出典:https://getnews.jp/

 

 

明治8年(1875)、木戸孝允の主導で出された立憲政体の詔書で「誓文の意を拡充して国家立憲の政体を立てる」と宣言し、再び御誓文が位置付けられた。

その後、板垣退助が主導した自由民権運動の中で、御誓文は立憲政治の実現を公約したものとして解釈されるようになった。

特に「広く会議を興し万機公論に決すべし」は民選議会開設の根拠とされた。

このため、帝国議会が開設されるまでの間、自由民権派は御誓文の実現を求め、政府に対する批判を繰り返していった。

 

スポンサーリンク

 

西郷どん(せごどん)あらすじ

大河ドラマ西郷どん(せごどん)あらすじ・ネタバレ・感想・期待度まとめ【初回から最終回まで】
大河ドラマ「西郷どん(せごどん)」全話 あらすじ・ネタバレ・感想・期待度まとめ この記事では、2018年NHK大河ドラマ「西郷どん(せごどん)」全47話のあらすじ・

西郷どん(せごどん)記事まとめ

大河ドラマ西郷どん(せごどん)の【説明記事一覧】疑問に思った内容や人物を簡単に紹介!
大河ドラマ西郷どん(せごどん) 背景・関連記事・説明記事一覧 この記事では、大河ドラマ西郷どん(せごどん)の本編にある背景や、史実をもとに紹介した関連記事、疑問に思うワ

スポンサーリンク

 

-西郷どん関連

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

【古高俊太郎(枡屋喜右衛門)】大河ドラマ西郷どん(せごどん)で新選組に捕らえられ拷問を受けた尊王攘夷派志士

大河ドラマ西郷どん(せごどん) 古高俊太郎(枡屋喜右衛門) 大河ドラマ西郷どん(せごどん)の第27話で、過激な長州藩士たちは京都に火をつけ、天皇まで長州に連れ去る計画を企んでいましたが、「新撰組」によ …

【平岡円四郎】西郷どん(せごどん)で一橋慶喜の身代わりに暗殺された家臣は「橋公行状記」を著した慶喜第一の側近!

大河ドラマ西郷どん(せごどん) 平岡円四郎 大河ドラマ西郷どん(せごどん)の第26話で、大久保一蔵は必死に他藩の藩士たちを接待していますが、その中の一人が一橋慶喜の側近・平岡円四郎です。 この26話の …

【長州再征】大河ドラマ西郷どん(せごどん)幕府ボロ負け!一橋慶喜が固執した第二次長州征伐を超簡単解説

大河ドラマ西郷どん(せごどん) 長州再征 大河ドラマ西郷どん(せごどん)の第33話、一橋慶喜が頑なに主張していた長州征伐が再度始まります。 しかし、この長州再征は以前の長州征伐の時とは違い、長州は薩摩 …

【その後の愛加那・菊次郎・菊草】西郷どん(せごどん)で奄美大島から吉之助が去ったあと家族はどうなった?

大河ドラマ「西郷どん(せごどん)」 その後の愛加那・菊次郎・菊草はどうなった? 大河ドラマ西郷どん(せごどん)の第21話「別れの唄」で、幸せだった西郷吉之助、愛加那夫妻とその子・菊次郎もついに離れ離れ …

西郷どん(せごどん)岩倉具視の手紙の宛先【二条斉敬】とは?孝明天皇から絶大な信頼を得た日本史上最後の関白

大河ドラマ西郷どん(せごどん) 二条斉敬(にじょうなりゆき) 大河ドラマ西郷どん(せごどん)の第30話では、笑福亭鶴瓶が演じる岩倉具視が本格的に登場し、「倒幕」と目論む西郷吉之助らは朝廷から追放されて …