麒麟がくる関連

麒麟がくる【土岐頼芸の祖父・土岐成頼】大河ドラマ麒麟がくる以前の美濃、土岐氏、斎藤氏の関係に迫る①

投稿日:2020年1月17日 更新日:

大河ドラマ麒麟がくる
土岐成頼

大河ドラマ「麒麟がくる」の序盤の舞台は室町時代末期の美濃国。明智光秀は斎藤利政(道三)に仕える明智家の一門として物語が始まります。美濃国は代々にわたって守護である土岐氏が支配していましたが、幕府の衰退と共に土岐氏の力は陰り、新しい勢力として台頭してきたのが斎藤利政(道三)でした。

土岐氏が美濃国において力を失ったのは、幕府権威の失墜だけでなく、一族間の熾烈な争いによるところが大きいものがあり、ここでは大河ドラマ「麒麟がくる」以前の土岐氏がいかにして名前だけの君主となっていったのかについて、大河ドラマに登場する土岐頼芸の祖父・土岐成頼の代から紹介していきます。

 

出典:https://www.instagram.com/

スポンサーリンク

 

土岐成頼(しげより)

土岐成頼は嘉吉2年(1442)に足利氏一族の一色義直の弟・義遠の子として生まれたとされますが、他にも土岐氏の支族の子、佐良木光俊の子などの説もあり正確には分かっていません。

康正元年(1455)、美濃守護・土岐持益は、嫡男の持兼が早世したために孫の亀寿丸(持兼の庶子)を後継ぎに考えました。

しかし、この頃すでに実権を握っていた美濃守護代・斎藤利永は「幼君では不安」と反対し、持益を隠居させて一色家から成頼を迎えて守護の座に据えました。

 

応仁元年(1467年)、応仁の乱が起こると成頼は西軍に属し、兵8,000率いて京に留まりました。

守護留守中の美濃国は守護代・斎藤妙椿(利永の弟)が守っていましたが、美濃の有力国人たちは相次いで東軍側についたため、斎藤妙椿はこれを利用して敵を思わしき者の領地を難癖をつけて強引に没収しました。

これで支配体制を固めた斎藤妙椿の影響力は伊勢、近江、飛騨まで広がり、成頼を操って西軍を動かすほどの存在になったといいます。

文明9年(1477)、応仁の乱が講和になると、成頼は西軍の名目上のトップだった足利義視・義材親子を庇護して美濃に帰国しました。

また、この他にも多くの文化人が京から美濃に流れたため、美濃国は当時最先端の文化を吸収することになりました。

 

出典:http://livedoor.blogimg.jp/

スポンサーリンク

 

 

文明12年(1480)、斎藤妙椿が死去すると、2人の甥・斎藤利藤と斎藤妙純の間で後継者争いが起こり、勝者となった斎藤妙純はさらに美濃国の専横を強めていきます。

一方、成頼は長享元年(1487)に第9代将軍・足利義尚による六角高頼征伐が始まると、次は自分が狙われると考えました。

このため成頼は兵を集め、美濃山中に立て籠もりましたが、結局は義尚が死去したことで何も起こることはありませんでした。

 

明応3年(1494)、成頼は嫡男・政房を廃嫡し、溺愛する四男・元頼に家督を譲ろうとします。

しかし、これに斎藤妙純が反対し、政房を推して成頼に隠居を迫りました。

成頼は斎藤妙純の家臣で「小守護代」と呼ばれた石丸利光や斎藤妙純に追放されていた斎藤利藤と共に『元頼派』を形成して争いましたが、斎藤妙純の前に敗れ、家督は政房に譲られました。

隠居後「宗安」と名乗った成頼は、明応6年(1497)に死去、享年56。

 

土岐成頼の子・政房の記事に続く↓

麒麟がくる【土岐頼芸の父・土岐政房】大河ドラマ麒麟がくる以前の美濃、土岐氏、斎藤氏の関係に迫る②
大河ドラマ麒麟がくる 土岐政房 大河ドラマ「麒麟がくる」の序盤の舞台は室町時代末期の美濃国。明智光秀は斎藤利政(道三)に仕える明智家の一門として物語が始まります。美濃国

スポンサーリンク

 

大河ドラマ「麒麟がくる」あらすじ関連記事

下の記事では、大河ドラマ「麒麟がくる」のあらすじや登場する人物、キャスト、ゆかりの場所などを紹介しています。本編の予習、復習にお使い下さい。

大河ドラマ【麒麟がくる】全話あらすじ・ネタバレ・感想・期待度まとめ(初回から最終回まで)
大河ドラマ「麒麟がくる」 全話あらすじ・ネタバレ 感想・期待度まとめ この記事では、2020年NHK大河ドラマ「麒麟がくる」全話のあらすじ・ネタバレと共に、各

2020大河ドラマ【麒麟がくる】人物・キャスト・関連記事|明智光秀の物語を予習、復習して楽しもう!
2020大河ドラマ「麒麟がくる」 人物・キャスト・関連記事 この記事では、大河ドラマ「麒麟がくる」に登場する人物、本編にある背景など、史実をもとに紹介した関連記事、疑問

スポンサーリンク

 

-麒麟がくる関連

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

麒麟がくる【土岐の鷹】土岐頼芸が描いた鷹の絵は実在するか?土岐一族の鷹の絵を紹介!

 大河ドラマ麒麟がくる 土岐の鷹 大河ドラマ麒麟がくるでは、土岐頼芸が「鷹の絵」を描きながら、これは祖父、父と受け継がれてきた伝統かのように語っています。実際、土岐氏が好んで描いた鷹の絵は「土岐の鷹」 …

麒麟がくる|帰蝶・濃姫(沢尻エリカ)信長の妻は実像不明の謎多き道三の娘!

大河ドラマ「麒麟がくる」 帰蝶(お濃) 大河ドラマ「麒麟がくる」で沢尻エリカが演じるのが、斎藤道三の娘でのちに織田信長に嫁ぐことになる帰蝶(濃姫)。 帰蝶はマムシの道三の娘として、はたまた覇王信長の妻 …

麒麟がくる|斎藤道三・利政(本木雅弘)新資料で明らかになった親子2代の国盗り物語を中心にその生涯を追う

大河ドラマ「麒麟がくる」 斎藤道三(利政) 大河ドラマ「麒麟がくる」で本木雅弘が演じるのが、一代で油売りから成り上がって美濃一国を手中に治めた下克上の代表格「斎藤道三(利政)」。 しかし近年の研究では …

麒麟がくる|織田信秀(高橋克典)信長の父は超保守的な戦国大名?ライバル道三としのぎを削った尾張の虎の生涯

大河ドラマ「麒麟がくる」 織田信秀 大河ドラマ「麒麟がくる」で高橋克典が演じるのが戦国の風雲児・織田信長の父・織田信秀。 今回の「麒麟がくる」では、これまでイメージを覆し、保守的な信長が描かれるとのこ …

麒麟がくる|細川晴元(国広富之)三好長慶との権力争いに敗れる最後の管領

大河ドラマ麒麟がくる 細川晴元 大河ドラマ「麒麟がくる」で国広富之が演じるのが、足利幕府の中で権勢を誇っていた管領「細川晴元」。この「細川晴元」が登場する天文17年(1548)は、晴元にとってターニン …