西郷どん関連

井上馨の汚職事件【尾去沢(おさりざわ)銅山事件】とは|西郷どん(せごどん)

投稿日:2018年9月27日 更新日:

大河ドラマ西郷どん(せごどん)
井上馨と尾去沢銅山事件

大河ドラマ西郷どん(せごどん)の第42話、西郷隆盛は留守政府を預かり仕事に追われていましたが、政府内では後藤象二郎、板垣退助ら「土佐」と江藤新平、大隈重信ら「肥前」が主導権を主張し始め、長州閥の山縣有朋の汚職事件も相まって全くまとまりを欠いていました。

このような状況の中、大久保利通の帰国までは新たな政策を行わない約束を交わしていた西郷は信用を失った政府のため、やむなく改革を決意しました。

その矢先、大久保から大蔵省を任されている大蔵大輔の井上馨の汚職事件が発覚し、「土佐」と「肥前」のメンバーがブチギレ。

下の記事では西郷が井上馨を切り捨て、留守政府の結束を促す原因となった「尾去沢銅山事件」について簡単に紹介していきます。

 

出典:https://blogs.yahoo.co.jp/

スポンサーリンク

 

尾去沢銅山事件

江戸末期、国内の藩のほとんどは財政危機に陥っていた。

東北地方においても例外ではなく、南部藩は資金調達のため御用商人・村井茂兵衛から多額(約五万五千円)を借入れていた。

この時代、藩が商人から金を借りる場合、身分制度からくる慣習から証文は文面上「藩から商人に貸し付ける」形をとっていた。

 

明治元年(1869)、南部藩は日本の主力銅山の一つ「尾去沢銅山」の採掘権を村井茂兵衛に渡し、その後の廃藩置県で藩の借財は明治新政府に引継がれていく。

長州出身で明治新政府の大蔵大輔・井上馨はこの「尾去沢銅山」に目をつけ、「村井が藩から借財している」として証文を元に村井茂兵衛に即時新政府への返済を求めた。

金を貸した上、逆に返済せよとの横暴な命令を受けた村井茂兵衛は、仕方なく年賦返済を願い出たが井上馨はこれを拒否。

結局、返済不能をもって大蔵省は「尾去沢銅山」を差し押さえ、村井茂兵衛は破産となってしまった。

 

出典:https://www.instagram.com/

 

さらに、こののち井上馨は「尾去沢銅山」を競売にかけ、同郷人である岡田平蔵に買い取らせた。

そして「従四位・井上馨所有」という高札を掲げさせ「尾去沢銅山」の私物化を図った。

村井茂兵衛は司法省にこの一件を訴え、あまりにも無茶苦茶なやり方を知った司法卿・江藤新平は調査を行った上で井上馨の逮捕を求めた。

しかし、長州閥の抵抗で逮捕とはならず、井上馨の辞職のみで事件は幕を閉じることとなった。

 

長州閥の井上馨は、岩倉遣欧使節団に同行し日本を離れた大蔵卿・大久保利通の代理として西郷隆盛と国家の財政を取り仕切っていた。

しかし、井上馨は緊縮財政の方針を示し、司法改革などを訴える司法卿・江藤新平らの予算要求を拒絶して怒りを買っていた。

そんな中、発覚した「尾去沢銅山事件」によって井上馨は厳しい追求を受けて辞職に追い込まれたのであった。

 

スポンサーリンク

 

西郷どん(せごどん)あらすじ

大河ドラマ西郷どん(せごどん)あらすじ・ネタバレ・感想・期待度まとめ【初回から最終回まで】
大河ドラマ「西郷どん(せごどん)」全話 あらすじ・ネタバレ・感想・期待度まとめ この記事では、2018年NHK大河ドラマ「西郷どん(せごどん)」全47話のあらすじ・

西郷どん(せごどん)記事まとめ

大河ドラマ西郷どん(せごどん)の【説明記事一覧】疑問に思った内容や人物を簡単に紹介!
大河ドラマ西郷どん(せごどん) 背景・関連記事・説明記事一覧 この記事では、大河ドラマ西郷どん(せごどん)の本編にある背景や、史実をもとに紹介した関連記事、疑問に思うワ

スポンサーリンク

 

-西郷どん関連

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

反射炉とは?西郷どん(せごどん)で島津斉彬が推進した集成館事業の目玉!軍艦や大砲を建造可能にした反射炉って何だ?

大河ドラマ西郷どん 反射炉とは 大河ドラマ西郷どん(せごどん)で、日本が欧米諸国に対抗するために島津斉彬が日本で先駆けて取り組んだ「集成館事業」。 その目玉というべきものが「反射炉」の建造です。 歴史 …

長州藩家老・国司信濃(くにししなの)大河ドラマ西郷どんで長州征伐の際に切腹する三家老の一人

大河ドラマ西郷どん(せごどん) 国司信濃(くにししなの) 大河ドラマ西郷どん(せごどん)の第28話で、一橋慶喜は長州藩を叩き潰すべく長州征伐を決定します。 征長軍参謀として参陣させられた西郷吉之助は、 …

大河ドラマ西郷どん(せごどん)有馬新七 寺田屋事件で壮絶な最期を遂げた文武両道の過激派藩士・有馬新七とは

大河ドラマ西郷どん(せごどん) 有馬新七(ありましんしち) 大河ドラマ西郷どん(せごどん)の中で、西郷吉之助(隆盛)とは同じ下加治屋町郷中で育ち、子供の頃からの幼馴染である有馬新七。 有馬新七は、年下 …

【小河一敏(おごうかずとし)】西郷どん(せごどん)で吉之助が下関で出会った豊後岡藩の尊王志士の生涯とは

大河ドラマ西郷どん(せごどん) 小河一敏(おごうかずとし) 大河ドラマ西郷どん(せごどん)の第22話「偉大な兄 地ごろな弟」で、西郷吉之助は「国父」島津久光によって、下関で薩摩本隊を待つように命じられ …

大河ドラマ西郷どん(せごどん)【赤山・大久保・大山・有村・有馬・村田】西郷の同志(薩摩藩士)をまとめて紹介!

大河ドラマ西郷どん(せごどん) 【赤山・大久保・大山・有村・有馬・村田】 西郷の同志(薩摩藩士)をまとめて紹介! 大河ドラマ西郷どん(せごどん)で、第1話「薩摩のやっせんぼ」から登場した子供たち。 そ …