直虎感想

大河ドラマ直虎【本懐】とは?【小野政次の本懐】とは?政次が命を懸けた、まさに「一生」懸命!

投稿日:2017年8月15日 更新日:

大河ドラマ「おんな城主 直虎」
小野政次の本懐

大河ドラマ「おんな城主 直虎」の第33話「嫌われ政次の一生」で、高橋一生さんが演じる小野政次が迎える最期のとき。

小野政次の最期の様子は描かれることはありませんが、内容的には罪人として磔にされてしまいます。

磔の画像を調べると、あまりに無残な死に方で言葉も出ません。

この記事は、政次が非業の死を迎え、なかなか心の整理がつかない私が、大河ドラマ直虎の中で政次が言った「本懐」について考え、自分を納得させようと書いた自己満足記事で、最後は明らかに脱線しています(笑)予めご了承下さい。

 

 

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出典:https://www.instagram.com/

 

 

【本懐】とは

【本懐】を考えるにあたって、外せないのが江戸時代に書かれた書物「葉隠」にある「武士道と云ふは死ぬ事と見付けたり」。

この言葉をそのままとると、死ぬことが武士道ということになります。

でも武士とはいえ、ただ死にたいわけありません。死にたいだけなら自殺願望強すぎです。

武士は主君に仕えて戦場に駆り出され、常に死と隣り合わせでした。

平和に生きられる確率が、他の者と違って明らかに低いことを納得させるため、あえて言葉(書物)にして「武士道と云ふは死ぬ事と見付けたり」と言っているのではないか、と私は思っています。

 

【本懐】を辞書で調べると「本来の希望」とか「もとからある願望」と出てきます。

生き残るために働き、時に戦い、長生きしようとすることは、人間が本質的に持っている普通のことで、「本来の希望」や「もとからある願望」ではありません。

「家族のため」、「主君のため」、「名誉のため」など、大切なモノ、ヒト、コトは、それまで生きてきた人生によって様々です。

これまでに生きるために得た大切なモノ、ヒト、コトは、いつのまにかその人にとって、人間の本質「生きる」と同じぐらい守りたいというものとなり、ある時点でそれは「本来の希望」や「もとからある願望」というものになっているはずです。

本来人間が持つ「生きる」という本質を、大切なモノが上回り、必死に守ろうと努力した先にある「死」を受け入れることができたとき【本懐】を遂げたと呼べるのだと思います。

 

 

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そして【小野政次の本懐】とは

捕まっていた直虎を、南渓は龍雲丸を使って助け出し、政次と直虎の二人を落ち延びさせようと計画していました。

しかし、政次は直虎の代わりに牢に入ることを望み、自ら死地に赴きます。

その後、龍雲丸が助け出すために牢に忍び入っても、政次は牢から逃げようとはしませんでした。

政次にとって大切なモノは「直虎」です。

直虎が助かったいま、わざわざ自分が命を捨てることはありません。

 

政次は自分が逃げてしまえば、代わりに井伊の者達が殺されるかもしれないと言っています。

直虎にとって大切なモノは「井伊で暮らす人(井伊)」で、直虎にとっては「生きる」を超えたものであったでしょう。

大切なモノを守れなかった場合、直虎は自責の念にかられて自害するかもしれません。

それは、政次にとっての大切なモノを守れなかったということになります。

 

政次は自分が死ねば、直虎は悲しむだろうが必ず立ち直ると分かっていたはずです。

直虎にとって大切なモノは「井伊」であって、「政次」ではないのですから。

 

自分の命一つで、直虎の「井伊」を守ることで、自分の命より大切なモノ「直虎」を守ろうとした。

【小野政次の本懐】を遂げるとは、誰に嫌われようが「直虎」のために必死で生き、「直虎」を守るために死を受け入れたこと。

 

政次の最期は、磔にされるというかなり無残な死に方ですが、政次自身は【本懐】を遂げた、とても「美しい死に方=美しい生き方」であったと納得しているはず。

「井伊で暮らす人」に罪人と呼ばれて死んでしまうことは、周りの人間は納得いかないでしょうが、政次にとってはどうでもいいことです。

大切なモノは「名誉」ではなく「直虎」なのですから。

 

 

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おわりに

昔、テレビかなにかで見ましたが、命を捨て特攻に行った人(全員ではないでしょうが)は、日本が負けることは分かっていたみたいです。

それでも特攻に行ったのは、日本の敗北後の講和条件を有利に進めるために、敵国に少しでも打撃を与えようとしたから。

不利な条件で占領された日本では、日本人が大変な目になってしまうかもしれないと考え、生き残る自分の「大切な人」が少しでも幸せに暮らしていけるよう命を捨てました。

大河ドラマは所詮ドラマなので、史実の小野政次が本当はどんな人であったのかは分かりませんが、太平洋戦争で亡くなった方は、よく聞く「お国のため」祖国に命を捧げた「英霊」なんかになりたかったわけではない。ただ純粋に「大切な人のため」に己の【本懐】を遂げたと思いたい。

 

くしくも、この記事を書いたのは、8月15日の終戦記念日です。

1年に一度ぐらいは、戦争で亡くなった方の気持ちを考える必要が私達にはあると思います。

彼らの屍の上に築かれた平和の上に、今、私達は立っているのだから。

 

感傷的になり最後は脱線してしまいましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

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