大河直虎　徳政令　六左衛門が直虎に見せた証文の堪忍料と化粧料とは？ムロツヨシ演じる瀬戸方久からの借金の原因

大河ドラマ「おんな城主　直虎」第13話「城主はつらいよ」で、瀬戸村の農民達は瀬戸方久（ムロツヨシ）から借金をしており、甚兵衛らが直虎に借金をチャラにしてもらう徳政令を願い出て、一旦は聞き入れられます。

直虎はその後、中野直之、奥山六左衛門らに多数の証文を見せられ、実は井伊家も瀬戸方久（ムロツヨシ）から多額の借金をしていることが分かって、結果的に徳政令を出すことは取り止めてしまいます。

直虎が徳政令を出すことを断念させた井伊家の借金は、堪忍料と化粧料がかさんでいたことが原因ですが、この堪忍料と化粧料とは一体どういうものなのでしょうか。

まずは、この時代ににおける「証文」、そして「堪忍料」、「化粧料」について簡単に説明したいと思います。

毎度のことながら、専門的に知りたい方は詳しく記載したサイトもあろうかと思いますので、そちらでよろしくお願いします。

ここでは大河ドラマ直虎を見て、「ん？　何それ」程度で、学術的な難しい話は苦手だという方のために説明していきたいと思います。

 

 

証文とは

証文とは中世日本において、ある事実を証明する文書のこと。

特に金品の貸借時や約束事を取り決める際に交付されました。

私有地である荘園の増加にともなって、土地に関する紛争が起こり、その際に互いの主張を支える文書を提出するようになったのが起源だと言われています。

律令法の導入以来、日本の訴訟は俗にいう「文書第一主義」が採用されており、証拠として出された証文の価値の優劣が訴訟の勝敗を左右しました。

証文は、そこらじゅうで作成されていて、今でも古文書としてオークションなんかで安く購入できます。

若い頃、古文書を勉強していましたが、今ではさっぱり読めません・・・

 

出典：http://closedsearch.auctions.yahoo.co.jp/

堪忍料とは

堪忍料とは中世の武家において、客分の武士や討ち死にした家臣の遺族などに給付された俸禄のこと。

堪忍領、堪忍分とも。

つまり遺族年金みたいなもん。「これで、かんにんしてや～」っていうと分かりやすいかも。

 

江戸時代には、改易された大名に幕府が与える場合もあった。

賤ヶ岳七本槍、秀吉の子飼いの家臣・福島正則が江戸時代に改易されたときに与えられた信濃川中島や、同じく秀吉子飼いの家臣・加藤清正の三男である加藤忠広に与えられた出羽丸岡、生駒高俊に与えられた出羽矢島などがその代表例として挙げられる。

大きな領地を没収したけど、生きる分の領地や給付金は与えてくれる最低限の優しさや償いです。

 

 

化粧料とは

化粧料とは、中世において武家の女子が婚姻する際に、一期分（対象となる女性の生存期間限定）として譲られました財産のこと。

これが、田畑の場合は「化粧田」、金銭（持参金）の場合には「敷銭」、用水などの水利権の場合は「化粧水」と呼ばれた。

対象となっていた女性が亡くなると、大元に返還されるか指定された相手に譲渡されたといわれているが、詳しくは分からない。

「結婚しても、いつも化粧して旦那さんに愛想つかされるんじゃないよ。これあげるから。ほれ。」っていうと分かりやすいかも。

 

 

おわりに

井伊直虎の井伊家は今川に命じられて従軍した桶狭間の戦いや、曳馬城攻めで多くの戦死者を出していたので、堪忍料がかさんで瀬戸方久（ムロツヨシ）から借金をしていたのでしょう。

殿のために戦って死んでくれたのだから、借金してでも補償はしないとっていう考え方があったとはちょっと驚きです。

戦国時代の武士っていうと、斬った斬られたの男くさいイメージがありますけど、自分はいつ死ぬかも分からないから家族や亡くなった者の遺族には、現在以上に優しい気遣いがあったのかも知れません。

 

直虎関係リスト

「直虎外伝　しの」

大河ドラマ「おんな城主　直虎」における【しの】だけの物語を勝手に作ってみました。

しの伝　第１話【しのと亀之丞】
しの伝　第２話【再会と嫉妬】
しの伝　第３話【喜びと悲しみ】
しの伝　第４話【焦りと怒り】
しの伝　第５話【憎悪と覚悟】
しの伝　第６話【落胆と兆候】
しの伝　第７話【芽生えと誕生】

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