日本神話

日本の神様・神話 【岩戸隠れ】アマテラス・スサノオ

投稿日:2016年11月24日 更新日:

日本の神様 日本神話
【岩戸隠れ(天岩屋戸・天岩戸)】

記紀神話では、伊勢神宮の内宮に祀られる太陽神の天照大御神(アマテラス)は高天原の総支配神であり、皇室の祖先神として描かれています。

その名のとおり、天にまぶしく光り輝く太陽のような優れた神様であったので、父神である伊邪那岐命(イザナギ)から自分の地位をアマテラスに譲り、アマテラスは高天原を統治するに至ります。

このアマテラスの神話でもっとも知られているのは、岩戸隠れ(天岩屋戸、天岩戸)の神話でしょう。

今回は、この岩戸隠れについて注目します。

スポンサーリンク

岩戸隠れ

アマテラスは、弟神の須佐之男命(スサノオ)の高天原での乱暴狼藉に手を焼いていました。

暴れん坊の弟と優しい姉

当初はかばっていましたが、スサノオが機織り部屋へ皮を剥いだ馬を投げ込む事件を起こすと、アマテラスは我慢ならずに天岩屋戸にこもります。

神の顔も三度まで

このため天上の高天原も、地上世界の葦原中国も全て暗闇の世界となり、多くの災いが起きるようになってしまいます。

困った神々は天安河原(アマノヤスカワラ)に集まり会議を開き、造化三神の一柱である高御産巣日神(タカミムスヒ)の子、思金神(別称:思兼神 オモヒカネ)の立てた策を講じます。

後に三種の神器となる八咫鏡(ヤタノカガミ)と八尺瓊勾玉(ヤサカニノマガタマ)を製作し、岩戸の前に掲げて祝詞を読み、芸に秀でた天宇受売命(別称:天鈿女命 アメノウズメ)は大勢の神々の前で、伏せた空桶の上に立って、激しく桶を踏み鳴らし、衣をはだけて陰部をあらわにして踊ります。

エロダンス

bu00057911

出典:http://souku.jp/

すると岩戸の前に集まっていた多くの神々は、大きな笑いと歓声を上げて周りは楽しく、賑やかな雰囲気に満たされます。

神様も下ネタには弱い

その騒ぎが気になったアマテラスは、岩戸から顔をのぞかせて様子を伺ったところ、扉の脇に控えていた怪力の天手力男命(アメノタヂカラオ)がアマテラスの手を取り、外に導きました。

ちょっとカワイイ。アマテラス

その後、神々は二度とアマテラスが岩戸に入らないよう結界として注連縄(しめなわ)を張ったといわれます。

スポンサーリンク

思金神

オモヒカネは、知恵の神様として今回活躍した後、天孫降臨に先立つ国譲りの際にも派遣する神様を選定するなど、重要な場面でブレーンとして活躍し、瓊瓊杵尊(ニニギ)の天孫降臨の際、随行して地上に降りることになります。

策士なのに名前がイマイチ

天宇受売命

アメノウズメの踊りは、神前で舞いを奉じる神楽の始まりとされ、この神様は芸能の神様として現在も信仰されています。

また、この岩戸隠れ後、アマテラスから愛されて側近として奉仕し、瓊瓊杵尊(ニニギ)の天孫降臨の際、随行して地上に降りることになります。

その途中で国津神の猿田彦命(サルタヒコ)と出会い二神は結婚し、伊勢国に住むことになりました。

この時もやりますよ~この痴女は

天手力男命

力の神様であるアメノタヂカラオも、天孫降臨の際、随行して地上に降りることになり、伊勢国の佐那那県に住んだと言われます。

ちなみに、この神様が祀られているのは伊勢神宮のほか各地に存在しますが、三重県多気郡多気町の佐那神社ではアメノタヂカラオにちなんでアームレスリング大会が開かれています。

どれだけに規模かわかりませんけど、なかなか面白い取組ですよね。

隣で誰か踊ってて欲しいな

おわりに

この一連の事件の間、当事者の一人スサノオって何してたんでしょうか?

高天原を追放されたとありますけど、暗闇の出雲国で反省してたのかな?

また詳細分かったら書きます。

また、アマテラスを岩戸から出す際にアメノタヂカラオは隙間に手をかけて開いたとか、アマテラスが出た後に岩戸を閉めたとかの話を聞いたことありますが、それだけの力があれば初めから一人で開けれるだろうよとツッコミたくもなりますし、岩戸を閉めたのなら各地に残る天岩戸伝説の場所は、洞窟みたいな場所ではなくて、戸が閉まったただの岩じゃないとおかしいですよね。

この話は高天原で起こった出来事なので、そもそも地上に天岩戸があるのはおかしいのですが、毎度のことながら神話の世界ですので、なんでもかんでも実際の歴史や場所にあてはめることはやめにしましょう。

その人が信じればそこに神様はいますし、そこが天岩戸です。

スポンサーリンク

日本の神様・神話 【天津神と国津神】アマテラス・スサノオ
日本の神様 日本神話 【天津神と国津神】 古代日本人は、天の上のはるかかなたに高天原(タカマガハラ)という神々の住む世界を作り、人間が住む世界を葦原中国(アシハ

日本の神様・神話 【国産み神産み】イザナギ・イザナミ
日本の神様 日本神話 【国産み 神産み】 記紀神話では、伊邪那岐命(イザナギ)、伊邪那美命(イザナミ)は「国産み」、「神産み」の神様として描かれてます。

日本の神様・神話 【伊邪那美の死】イザナギ・イザナミ
日本の神様 日本神話 【伊邪那美の汚物から生まれた神】 記紀神話では、伊邪那岐命(イザナギ)、伊邪那美命(イザナミ)は実にたくさんの神様を産んでいます。

日本の神様・神話 【岩戸隠れ】アマテラス・スサノオ
日本の神様 日本神話 【岩戸隠れ(天岩屋戸・天岩戸)】 記紀神話では、伊勢神宮の内宮に祀られる太陽神の天照大御神(アマテラス)は高天原の総支配神であり、皇室の祖

日本の神様・神話 【須佐之男命①】スサノオ・アマテラス
日本の神様 日本神話 【須佐之男命(素戔嗚尊)①】 日本神話の中で、色々な神様が登場しますが人気ランキングでいけば、須佐之男命(別称:素戔嗚尊 スサノオ)は、間

日本の神様・神話 【須佐之男命②】スサノオ・クシナダヒメ
日本の神様 日本神話 【須佐之男命(素戔嗚尊)②】 今回で2回目となる須佐之男命(別称:素戔嗚尊 スサノオ)の話ですが、前回までのスサノオの話をザックリおさらい

日本の神様・神話 【須佐之男命③】スサノオ・クシナダヒメ
日本の神様 日本神話 【須佐之男命(素戔嗚尊)③】 今回で3回目となる須佐之男命(別称:素戔嗚尊 スサノオ)の話ですが、これまでのスサノオの話をザックリおさらい

日本の神様・神話 【大国主命①】オオクニヌシ・ヤソガミ
日本の神様 日本神話 【大国主命 大己貴命①】 日本神話の中で色々な神様が登場し、現在、最も尊い神として君臨するのは伊勢神宮に祀られる太陽神、皇祖神の天照大御神

日本の神様・神話 【大国主命②】オオクニヌシ・スクナビコ
日本の神様 日本神話 【大国主命 大己貴命②】 さて、2回に亘り紹介している大国主命(オオクニヌシ)ですが、前回までは、兄神たち八十神(ヤソガミ)に何回も殺され

日本の神様・神話 【国譲り①】アマテラス・オオクニヌシ
日本の神様 日本神話 【国譲り①】 葦原中国(地上世界)を大国主命(オオクニヌシ)が治めるようになり、大いに発展することになったこの国は、このまま平和なまま時代

日本の神様・神話 【国譲り②】タケノミカヅチノオ
日本の神様 日本神話 【国譲り②】 大国主命(オオクニヌシ)が治めるようになり、葦原中国(地上世界)は大いに発展していきますが、高天原(天上の世界)の天照大御神

日本の神様・神話 【岩戸隠れ】アマテラス・スサノオ
日本の神様 日本神話 【岩戸隠れ(天岩屋戸・天岩戸)】 記紀神話では、伊勢神宮の内宮に祀られる太陽神の天照大御神(アマテラス)は高天原の総支配神であり、皇室の祖

日本の神様・神話 【天孫の結婚】ニニギ・コノハナサクヤビメ
日本の神様 日本神話 【天津日高日子番能邇邇芸命の結婚】 日本神話の中で様々な神様が登場し、活躍する舞台も変わってきましたが、ここからは現在の我々が住む地上世界

日本の神様・神話 【海幸彦と山幸彦】ホオリ・オオワタツミ
日本の神様 日本神話 【海幸彦と山幸彦】 日本神話の中で様々な神様が登場し、「天孫降臨」によって舞台が我々が住む地上世界移り変わっていきます。 天照大御神

日本の神様・神話 【豊玉毘売の出産】トヨタマビメ
日本の神様 日本神話 【豊玉毘売の出産】 日本神話の中で様々な神様が登場し、高天原の神々の話から地上世界に舞台は移り変わり、天孫である天津日高日子番能邇邇芸命(

日本の神様・神話 【神武東征①】イツセ・イワレビコ
日本の神様 日本神話 【神武東征①】 日本神話の中で様々な神様が登場してきましたが、「天孫降臨」によって物語も神代から人代に変わり、今回の主役は神武天皇になります。

日本の神様・神話 【神武東征②】イワレビコ・ニギハヤヒ
 日本の神様 日本神話 【神武東征②】 日本神話の中で様々な神様が登場してきましたが、「天孫降臨」によって物語も神代から人代に変わり、前回に続いて主役は神武天皇

日本の神様・神話 【2代綏靖天皇】カムヌナカワミミ・タギシミミ
日本の神様 日本神話 【2代天皇 綏靖天皇】 日本神話では、様々な神々が登場してきましたが、神武東征によって大和に政権が誕生し、歴代天皇とその周りの人物が物語の

日本の神様・神話 【欠史八代】綏靖天皇~開化天皇
日本の神様 日本神話 【欠史八代】 日本神話では、様々な神々が登場してきましたが、初代神武天皇神武、2代綏靖天皇の即位以降、日本の神様・神話としての要素は圧倒的

-日本神話

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

日本の神様・神話 【須佐之男命①】スサノオ・アマテラス

日本の神様 日本神話 【須佐之男命(素戔嗚尊)①】 日本神話の中で、色々な神様が登場しますが人気ランキングでいけば、須佐之男命(別称:素戔嗚尊 スサノオ)は、間違いなくトップクラスの神様でしょう。 ス …

日本の神様・神話 【海幸彦と山幸彦】ホオリ・オオワタツミ

日本の神様 日本神話 【海幸彦と山幸彦】 日本神話の中で様々な神様が登場し、「天孫降臨」によって舞台が我々が住む地上世界移り変わっていきます。 天照大御神(アマテラス)の孫である天津日高日子番能邇邇芸 …

日本一の神様③ 日本神話 八百万の神々の中で一番の神様を紹介

日本一の神様 日本神話 「敗者」 今回、日本一として紹介するのは日本一の「敗者」の神様です。 当然、異論はあるかと思いますし、気を悪くする方もいるとは思いますが、これまでどおり神様のような広い心でお許 …

日本一の神様① 日本神話 八百万の神々の中で一番の神様を紹介

はじめに 日本一の神様ってどんな神様でしょう。 一番の定義はいっぱいありますけど、色々な一番を書いていこうと思います。 中には勝手に一番にする神様もありますけど、神様のような広い心でお許し下さい。 ス …

日本の神様・神話 【天津神と国津神】アマテラス・スサノオ

日本の神様 日本神話 【天津神と国津神】 古代日本人は、天の上のはるかかなたに高天原(タカマガハラ)という神々の住む世界を作り、人間が住む世界を葦原中国(アシハラノナカツクニ)、そして地下世界を根之堅 …

スポンサーリンク