日本神話

日本一の神様② 日本神話 八百万の神々の中で一番の神様を紹介

投稿日:2016年11月2日 更新日:

日本一の神様 日本神話
「気の毒」

前回、日本一多く祀られている神様として、ウカノミタマ神をご紹介しましたが、今回の日本一は、「気の毒」な神様を独断と偏見で勝手に決めてしまいます。

この神様、「気の毒」と感じてしまう程、神様のことをわかっていないのは、お前の勉強不足だとの声が聞こえてきそうですが、それなりに書籍を見て、「ん?もうちょっとなんとかしてやれなかったのか」と疑問に感じたことを書いていこうと思います。

神様の紹介の前に一言、私はおそらく典型的な日本人らしく、「判官びいき」の気がすごくあります。

ドラマや映画を見ていても、物語の中心である主役の今をときめく人よりも、最終的に主役の前で必ず敗者になると分かっている脇役を応援したくなります。

ひと昔前なら西田尚美、今なら蓮佛美沙子、木南晴夏って感じです。

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宇宙の根源神 天之御中主神

さて「古事記」、「日本書紀」には八百万の神といわれるように数多くの神様が記載されていますが、名前だけ出てきてそれっきりの神様も数多く存在します。

なんとなく出てきた場合、普通にスルーできるんですけど、中には「おいおい。それだけかい」とツッコミたくなる神様がいます。

例えば「天之御中主神(アメノミナカヌシノカミ)」は、「天」は宇宙、「御中」は中央、「主」は支配を意味し、宇宙の根源神として「古事記」のみに最初に登場しただけで、以後どこにもでてこない。

何もかもこの神様から始まってるのに・・・まぁ科学のない時代の宇宙って想像もできないから浸透しないのもしょうがない気もしますが。

三貴子の1柱 月読命

私が選ぶ一番気の毒なのは「月読命(以下、ツクヨミ)」です。

姉には主役級の太陽神、高天原を統治する皇祖神の天照大御神(以下、アマテラス)、弟には高天原の暴れん坊、地上に下りたら善神として最終的には大活躍の須佐之男命(以下、スサノオ)。この3柱の神様を三貴子と呼ぶわけですが、なんせアマテラス、スサノオは「古事記」、「日本書紀」でも登場機会が多く面白い。

・・・さあツクヨミは・・
「古事記」では、親神の伊邪那岐命(イザナギ)から夜の世界を統治するよう託される。

以上。・・・!?

・・稗田阿礼、太安万侶よ。

よくもまぁ「これでよし!OK」ってなったな。
一方「日本書記」では、アマテラスのお使いで保食神(ウケモチノカミ)を訪問。保食神が口から吐き出した食べ物でもてなそうすると、ツキヨミはぶちキレて保食神を殺す。

これがアマテラスの怒りをかい、永久に昼と夜に分かれることとなった。

以上。・・・

ヒドイ・・三貴子ツクヨミの扱いなんなんや。

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おわりに

神社では出羽三山や全国の月山神社で祀られる系統と、アマテラスの弟として祀る系統があるらしいけど、後者っておまけ感半端ないし。

でも、月を読む=四季の変わり目や潮の干満を知ることから、ツクヨミは農民、漁師に厚く信仰されて現代に至ってます。

血筋のわりに物語はヒドイがホントによかった。

個人的に一番応援したい神様ですが、夜の神様だけになかなか日の目にあたることはないでしょうね。

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